第1話 スキル鑑定の儀
拙い文ですがよろしくお願いします。
『スキル』とは、この世界においてその人間の価値を決めると言われるほど重要なものである。
また、『スキル』には数多の種類があり『剣聖』や『賢者』などといった超上位スキルから『料理』、『鍛治』などの生活に欠かせないものまでが幅広く存在する。
「やばい、めちゃめちゃ緊張してきた。」
俺、ルーコイ王国の辺境マグシ村のガメオは成人の儀を前にガッチガチに緊張していた。
「緊張しても貰えるスキルはかわらないわよ!ガメオも十五歳なんだからもっと堂々としなさいよ。」
マグシ村の村長の一人娘であり、ガメオの小さな頃からの幼なじみでもあるロゼだ。
綺麗な茶髪を後ろでまとめた可愛らしい顔の蒼眼の少女は村でも一番人気だった。
少々口がキツイところはご愛嬌である。
「今日で俺達の将来が決まるんだぞ?今日じゃなかったらいつ緊張するんだよ。」
「何よ?ガメオ欲しいスキルでもあるの?」
「いや、何が欲しいって訳じゃあないが超ハズレスキルだったらどうしようかなと。」
「大丈夫よ。もしあなたが雑魚スキルだったら私が雇ってあげるから。」
「あ、お構いなく~。」
ロゼの人使いの荒さには定(低)評があるので遠慮しておく。
「何よ!私が善意で言ってあげてるのに!あ、もう着くわよ!」
ロゼとの会話で緊張がほぐれて来たところで王都に到着する。
ルーコイ王国では毎年十五歳になった者を王都に集めてから『スキル鑑定の儀』を行っている。
まぁ、超上位スキルを授かったヤツを国で管理したいんだろうな。
「ご到着いたしました。」
「「ありがとうございました。」」
「あなた方に女神の祝福があらんことを。」
俺達は送ってくれた御者にお礼を言って教会へと足を進める。
俺もロゼも王都には何度か来たことがあるのでスムーズに教会まで到着できた。
俺は柄にもなく少し感動した。
初めて王都に来た時なんてロゼが迷子になって探すのに騎士団の人にも手伝ってもらったんだからな。
その時なんでロゼが貴族街に入れたのかはよくわかってない。
「結構多いな。」
「王国中から集まったらこんなものじゃない?」
教会には大勢の人々で溢れかえっていた。
入口の名簿に印をつけて最も短い列の最後尾に並ぶ。
★
しばらくするとロゼの番がやってきた。さっきから口数が減っていたのでなんだかんだロゼも緊張していたのだろう。
神官がロゼの額に手を当て『鑑定』を使う。そう言えば『鑑定』も授かれば人生苦労しないほどのかなりのレアスキルである。
俺もあわよくばあれ程のレアスキルがもらえたら.........。
そんな事を考えているとロゼがニコニコしながら戻ってきた。
「そんなにいいスキルだったのか?」
「ええ!『魔道士・炎』だったわ!これで冒険者や宮廷魔道士なんかにもなれるかもしれないわ!」
ロゼのテンションが上がるのも頷けるレアスキルだ。魔道士といえば魔法使いの上位スキルで「ガメオ的貰ったら将来安泰スキルランキング」でもベスト5には入るほどメジャーなスキルだ。
幼なじみがこれじゃあハードル高すぎなんだが...。
「よかったな、ロゼ。俺もいってくるわ。」
あまり後ろを待たせてはいけないと思い俺は神官の前にある椅子に座った。
「マグシ村のガメオです。よろしくお願いします。」
一言挨拶をすると神官は俺の額に手を当て鑑定を始めた。
自分の脳内を覗かれているような感じで少し気持ち悪かったが鑑定はすぐに終わった。
「ガメオくん、あなたのスキルは『因数分解』です。」
「は?」
俺は神官が何を言っているのか理解出来なかった。