第14話 妖精の捕まえ方? / 源さんファーム
第14話です。
ザンネンな妖精の捕まえ方です。
そして源さんは、農場を手に入れた♪
第14話
夕方近く(17時位かな)街中を散策していると何故かGMさんに会った。
「そこでお茶でもどうですか? 」
「えぇ、GMさん、ご馳走になります(笑) 」
"ピチュン♪"
遠くからまた残念な音が聞こえた。
気にせず近くの喫茶店に入る。
〔フツーに有ったな、喫茶店 〕
中はどこかで見たような感じの落ち着いた店内だった。
オープンテラス席について珈琲を頼む。
「所で急に現れて何か有りましたか? 」
「何故今回のイベントに参加しなかったのかと思いまして本人に聞いて見ようかと? 」
「それはあの妖精ザンネンにあまり関わりたくないし、私のアイデアって事になっているから遠慮したのと、それに………このイベントは運営の罠かと思ったんですが違いますか? 」
「ほ~、何故そう思ったので? 」
"ピチュン♪"
「あのルールを見たら、あれぇ?っておもいますよ! それにあのザンネンが本気で街中逃げたらまず捕まらなさそうだし捕まえてもちょっとさわっただけでもピチュンしそうだしどうしろと? 普通に考えたら捕まらないでしょう? 」
突然GMさんが笑い出した!
「ワッハハハ、やっぱり解ります? 」
「特にルールの⑦、捕まえようと避けられる⇒そのまま露天や商店に突入⇒被害が出たら衛兵さんに捕まる⇒牢屋&賠償金(払えなければ被害店でのただ働き? )、てな事になりますよね? 」
"ピチュン♪"
話しているとまた遠くで"ピチュン♪"と音がした。
もう何回目だ? 4,50回以上は"ピチュン"してるけど?
「大体掴んだ途端"ピチュン♪"は無いでしょうに? 」
「まぁそうなんですけど。直ぐに捕まったらつまらんでしょう! 」
「それだとクリアの方法無いでしょうに……… あ、有るな! 」
「ホゥ、有りますか? ちなみにどのような方法ですか? 」
「ザンネンを説得して自ら籠に入ってもらうとか? 」
「あ、それもありですね。しかし今は無理でしょうね? 」
「どうしてですか? 」
「ザンネンは今、喋れない設定になってますし、それに逃げ切ったらザンネンにも報酬ボーナスが有りますからね 」
「聞きたくないけど どんな報酬ボーナス用意しました? 」
"ピチュン♪"
「ザンネン専用のもふもふハウスともふもふ島! もちろんPC侵入不可♪ 」
何だそれ、確かにザンネンが必死になるかも!
………と思ったが島と聞いてあれ? と思い聞いた。
「島なんて有りましたか? 」
「第2エリアの西………! 今のなしで! 」
「遅いですよ(笑) ま、当分行けそうも無いですけどね 」
フ~ン、すると海でも有るんだろうなぁ?
「他に方法は無いですか? 」
「う~ん、有ることは有るけどねぇ~? 」
「例えば? 」
「そうですね、例えばここに(鞄をゴソゴソ)この位の大きなビンを用意します」
マジックバックから先程、昼間に露店で買った大きなガラスのビンを出す。
「水瓶みたいなビンですね」
「ポーション用の水汲みに使うために露天で買っといた蓋付きのビンですね」
ザンネンが中に余裕で入れる大きさの瓶だった。
「それをどうするの? 」
「このビンの中にポーションを入れます。量はザンネンの膝上位の量で」
在庫の不味い初級HPポーションを入れる。
"ピチュン♪"
「それで? 」
「魔法が使えるならヒールをかけながらザンネンを掴むんですよ、このように……」
手からアクアヒールを発動させて(お、手が青く光っているねぇ) 目の前に何故かいたザンネンを掴む?
「ヒールをかけながらならHPは減らないからそのままビンの中に入れて蓋をします……」
中でザンネンがキョトンとしていた。
「ビンの中はHPポーションが入っているのでHPは減らないですよね……… 」
GMさんはビンの中を確認して!
「………確かに減ってない! 」
「このまま中央公園まで持って行けばゴールですよね? 」
「素晴らしい。まさかこんな方法があるとは思いませんでしたよ! 」
「まぁ誉めてもらえて光栄なんですけど……… これ、ドウシマス? 」
すぐにビンを隠し(椅子の下に置き布を掛けて)別の空ビンを机の上に置く。
通りでは「この辺にいるはずだ!」と大勢のプレーヤーが集まって付近を探していた。
「困りましたね? sinさんは参加してませんからね。………ドウシマショウ? 」
GMさんも困っていた。
「う~ん………そうだ! 知り合いに渡しても良いですか? 」
私はGMさんに昨日からの事を話し、源さんに農地を用意したいことを話す。
なお、生産、農業関係の事でもシビアな事をしてませんかと突っ込んでおく。
〔シラバックレルGMさんだった! 〕
「うむ~、ちょっと運営本部に話してみますね? 」
おもむろにウインドを開きGMさんはどこかに連絡して暫く待つ事に。
コーヒーのおかわりを頼んで飲んでいると総合ギルドマスターの東雲さんことザンネンの上司の斉藤さんが来た。
「坂元さん! どうなっているのかな? 」
「斉藤さん! ここでは本名はダメですよ! 」
「おっと失礼、GMさん。sinさんもごくろうさま 」
「さ……おっと、東雲ギルドマスターご苦労様でした! 」
「それで、例の物は? 」
「はい、こちらで! 」
ザンネン入りの瓶詰めを東雲さんに見せる。
「はい、お見事です。良く捕まえましたね! 」
東雲さんには、あらためて捕まえるまでの経緯を話す。
「そうするとザンネンは偶然捕まったのですね? 」
「そうゆうことになりますね。それでこのまま他の人に譲っても問題ありませんか? 」
「まぁ同じパーティーを組んでいるなら問題無いでしょうね 」
「それじゃパーティーメンバーを呼びますね 」
それからメンバー全員に連絡をして喫茶店に来てもらう。
メンバー全員に、あらためて説明して瓶詰めを見せる。
メンバーはあきれたり関心したりしていた。
〔まぁそうなるし思うよね(笑) 〕
源さんに瓶詰めを渡し、他のメンバーに護衛させて中央公園に行ってもらう事に。
まさか妨害する奴が居ないとは限らないからね。
〔街中でやったらレッドカードかな? 〕
むろん東雲ギルドマスターにも付き添いをお願いする。
報酬として冒険ギルドマスターにバックを自慢されて悔しいのでバックが欲しいと注文を受ける。
〔何をやっているヴォルフさん! 〕
皆を送り出してGMさんとコーヒータイムの続きです。
「そう言えばsinさんを最近見かけなかったですけど何してました? 」
「ここ最近、NPC職人に絡まれて大変ですよ(笑) 」
「え~と、もしかしてまたシークレット引いてた? 」
「おかげさまで引きましたよ。初日からの地獄の修行6日間でしたよ……… 」
「御愁傷様。これからも頑張ってくださいね(笑) 」
その後、源さんは無事ゴールしてそのまま表彰式になった。
報酬として北門付近に土地(安い農地)をもらうことになった。
〔源さんは農地と家を手に入れた♪ 〕
なお 最多ピチュン賞が有り、飛びついたがすぐピチュンしてしまう事12回もピチュンさせた豹人族(ランダムレア? )の人に決まった。
報酬に大金貨1枚(1,000,000G)か攻撃力+50の小剣か槍か斧の内一本だった。
〔ミスリル製の小剣を選んでいた。ミスリル初めて見たな! 〕
私は総合ギルドの屋上から源さんの表彰式を見ていた。
惜しみ無い拍手の中で東門方面から突然NPC衛兵さん(あれは、キーパーさんかな? )がGMさんの所に走り込んで来た。
「大変です。東の森の奥からゴブリンの集落が発見されました。ゴブリンの総数300匹以上。上位種も未確認ながら存在の可能性が有ります! 更に3日後に街方向に進行して来る可能性が有ります! いかが致しましょうか辺境伯様! 」
「「「「「「「「「「辺境伯様? 」」」」」」」」
何とGMさんは辺境伯爵役でした。
あれ、俺けっこうタメ口でしゃべっていたけど大丈夫かな?
〔不敬罪にならないよね? 〕
GMさん改めGM辺境伯爵様は。
「わかった騎士団と警備兵を動員する。それと門の強化をすると同時に武具、非常食の増産、色々有るな。各ギルドには依頼を出すので冒険者や生産者は協力をしてもらいたい……… 」
そして時が止まると同時に"ピコンピコンピコン♪"と音が鳴りウインドが開く!
【大規模レイドクエスト【ゴブリン軍の進行】が発生しました!
ゴブリン軍が12日朝方にこの街に進行して来ます
迎撃のために皆で協力し立ち向かいましょう
なお詳しいクエストの詳細は明日のログイン後、2の鐘(9時)が鳴った時に中央公園広場にて発表致します!
参加される方は、必ずお集まり下さい♪ 】
ドS運営が何かやらかすような気がするのは何故だろうか?
まさかの強敵だったりして?
〔普通に有り得るよね? 〕
その場は解散となり皆ザワザワしながら別れていった。
私も一旦メンバーに北門付近の報酬の土地の所に集合してもらい相談することに。
〔源さんの土地を見に行くかな 〕
北門の集合場所に行くとガヤガヤたくさんの人達がいた。
………ナンジャコリャ?
「リンゴさん、何の騒ぎですか? 」
「何でも源さんがもらった土地を見たいのと実際に捕まえた人を見たい話したいと集まったみたい。でもね……… 」
そこには何故かGM辺境伯爵様が秘書連れて来ていた。
………あれ,仕事は、ゴブリンの件は?
〔GMさんは暇なの? 〕
秘書さんから説明がありました。
「この辺りの土地が源様の土地になります。」
広さは15区画(1区画1㌶=10,000㎡)が源さんの土地になり中に好きなハウスを建ててもらえるそうです。
「境界にフェンスを立ててわかりやすくしときますね。サービスでね♪ 」
と言って、指を"パチン! "と鳴らすと、地面から何か出てきた。
よく見ると、何故か高さ1mほどの緑の金属フェンスが現れ広く囲っていった。
〔ファンタジーが台無しだな(笑) 〕
源さんに希望はとGM秘書さんに振られたが、源さんも良くわからないと言うと、好きに建てられますよと教えられる。
〔まぁ、相談にはのりますよ 〕
源さんは秘書さんに………
・10区画は農地 (3区画分は田んぼ、7区画分は畑にって……… 米あったんだ! )
・2区画は果樹園 (今、手に入る果物の木を全て? )
・2区画はハウス (藁葺き屋根の昔風一軒家とリンゴ達用アパート風2階建てシェアハウス風の建物 )
……と言った。
「アレ、あと1区画はどうします? 」
と秘書さんに聞かれ源さんは!
「sinさんの好きに建てれば良いのじゃ! 」
と振ってきた。
断ろうとしたが sinさんのおかげ と言ったのでしょうがないので運営に無茶ぶりしてみた。
「秘書さん………(詳しく説明中)………みたいな建物って出来ますか? 」
「えぇ、そのくらい大丈夫ですよ。ね、領主様? 」
「どれどれ、どんな建……… ファンタジー台無しだな! 」
GMさんがあきれていた(笑)
「あのフェンスが出た時点で台無しのような気がするけどね? ならば外装は対爆撃仕様のバンカー風で上に土載せて木や芝でも植えとけばいいんじゃないの? 」
「バンカーてなんだ? まあいいよ、明日のログイン後のお楽しみにしておけ! 」
秘書さんはわかったらしく、サムズアップしていたので大丈夫だろうか?
後は、それぞれ建てる位置を決めてから秘書さんのボードに書き込んでいく?
「パットみたいな物持ってるけど良いのかな? 」
話し合いが終わって解散となったが、フェンスの外が騒がしいままだった。
どうしよう? と皆GMさんの方を見る。
「しょうがないな。(大きな声で)今、集まっているプレーヤーに注意だ! フェンスの中に入ると不法侵入になるからな。あと付きまとい、嫌がらせ等不快な事をした者は"ピチュン♪"するからな! 」
「ピチュンは不味いでしょう? 」
秘書さんから突っ込みが有った。
「あ、そうだな。GMコール後に強制隔離の上 説教部屋1週間でどうだろう? 」
「領主様 それならいつかの勇者(笑)みたいにこき使うのはどうでしょうか? 」
「ああ、それでもいいな。わかったな! 」
ざわざわするわな。
ドウスルンダヨ、コレッテ?
「一応説明はダイブアウト後に運営掲示板を見てくれ。わかったか? なら解散だ! 」
そして皆はぞろぞろと街中に帰っていった。
「それじゃ明日ダイブイン後 8時にここに来て欲しい。引き渡しをするのでよろしく! 」
「明日またお会いしましょう! 」
そしてGMさん達は消えていった。
………え、秘書さんも一緒に消えたんですけど?
〔秘書さんも中身入りなのかな? 〕
そして明日ここに集合して、建物を確認後に中央公園まで皆で向かうことにして解散した。
そして宿屋に戻るとキーパーさんが待っていた。
「sinさんにちょっとお願いがあってね。いいかい? 」
「何ですか? 改まって。もしかして例の件ですか? 」
「そうなんだよ。それでトアさんにすごい武器が有ると聞いてな。見せてもらえないかな? 」
「良いですけど量産は無理だと思いますよ? 」
一応キーパーさんに予備のイーストボーガンを見せる。
「これはすごい。これさえあれば何とかなるか? sinさん、このボーガン売ってくれませんか! 」
「まずおちついて下さい。それから話を聞きますから 」
キーパーさんを落ち着かせ話を聞くことに。
話を聞いているとかなりヤバイ事になっていた。
要約すると………
・10年前のゴブリン軍の襲撃時は街門まで攻められ危なかったらしい(その時の数は150匹だった)
・今回は300匹以上の大群の可能性が有ること!
・中にはゴブリンメイジやアーチャー、ナイトクラスの個体も確認されたとの事?
・可能性としてキングクラスの個体が存在する可能性が有る事(300以上の群れには必ずいるらしい?)
・街門の上に有るバリスタだが、数が少ないので(各街門に1器のみ)基本役に立たない!
・衛兵(門番さん達も含む)さんが街門の守備に騎士団が攻撃の予定だが数がいない!(街には衛兵150人、騎士団50人しかいない!)
………だそうな!
これではさすがに不味いので何か良い武器が無いかとトアさんに聞いたらボーガンの話になったらしい。
これはさすがに厳しいと考えていたら、ちょうど宿に師匠軍団(+トアさんとプレリーさん)が来た。
〔今日も飲むぞ~!と言いながら(笑) 〕
ウ~ン、………そうだ! と思い立ち、トアさんに質問をする事に。
「トアさんに質問です。(ボーガンを目の前に置き)この子を部品別に個別に生産は可能でしょうか? 」
「生産は………可能よsin? エ、まさか! 」
「トアさんに個別の図面を渡しますので生産組み立てを仕切ってキーパーさんに納品して下さい。100挺あれば何とかなるかな? 請求先は領主さんにして下さい。キーパーさんの名前で 」
キーパーさんあわてているが後の祭り。
トアさんに火が付、早速師匠軍団と打ち合わせ(と言う名の飲み会)が始まった。
〔むろんキーパーさんの奢りでね 〕
もちろん、私も巻き込まれてっぺん(12時)まで付き合わされて解散した。
部屋に戻りちょっと早いがダイブアウトした。
ダイブアウトした後にGMさんに泣きつかれるとは思わずに。
こうして北門の近くに報酬の《源さんファーム》が出来たとさ。
登場人物紹介
PC名:GM(辺境伯爵?)
本名 :坂本〇〇
役職 :第1サーバーゲームマスター
解説 :この〔freedom world online〕
のゲームマスター
一応、運営側の偉いさんの一人?
第1サーバーでのシステムの統括、
街町村の管理監視、犯罪等の取り締
まりなどの担当責任者?
今回はザンネン妖精の後始末で忙し
いが、後に…………
PC名:東雲総合ギルドマスター
本名 :斉藤〇〇
役職 :第1サーバー統括本部長
解説 :この〔freedom world online〕
の第1サーバー統括本部部長
第1サーバーで一番偉い人?
ザンネン妖精とGMさんの上司?
ザンネン・デスの名付け親?
今回のザンネン妖精の後始末で忙し
い人の一人?
後に第1サーバーの良心と言われる
事に?
14話
こうしてザンネンな妖精は捕まった?
sin→源さんにあげる♪
源さん→良いのかのう?
3人組→ヨ、良インジャナイノ?(話を聞いてちょっと引いている?)
GMさん→どうぞドウゾ♪
東雲さん→問題ないですよ♪
ザンネン妖精→……………………!…………………!(何で掴めるのよぉぉぉ!せっかくのモフモフ島がぁぁぁ!)
最後までザンネンな妖精だった。