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「2016.12月の感傷人格が書いたもの」

「アダルトチルドレンたちへ」

作者: ちなつ。

 いつまで経っても心のなかで幼い君は泣き止まない。

 心の傷で苦しくって鏡の前の君も泣き止めない。

 痛いくらいにあの子の唄が心に刺さって。

 アダルトチルドレンが暴れる夜は眠れない。


 今更になって欲しいものに気がついた。


 けれど。


 巻き戻せない時間のせいで、

 私たちにあの日々を生きる権利はもう何処にもない。


 普通に学校行って。

 普通に教室に居て。

 普通にお話して。

 普通に笑って。

 普通の高校生でいたかった。


 あたしがおかしいことに気付いた先生が、病院行けって言ってきた。


 心がおかしいみたいだってさ。


 あたしは馬鹿にされたみたいで、それが嫌で、病院には行かなかった。


 でも、文化祭で家庭科室にいたときに気づいたんだ。


 もしかしたら、普通じゃないのかもって。


 それを気取りたかったわけではないけれど。


 そう考えると辻褄があった。


 どうして、こんなに世界が生き難いのか。


 痛い心を見ないフリしていたのかも。


 インターネットは便利だった。


 ググれば何でも出てくる。


 キーワードはすぐに見つかった。


 アダルトチルドレン。

 インナーチャイルド。

 機能不全家族。


 喧嘩ばかりの両親と、

 テストの点しか見ない両親と、

 褒めてくれない両親と、

 あたしを殴る父親と、

 あたしから友達を引き裂く母親と、

 ご飯くれない両親のせいだった。


 全部決めつけるわけじゃないけどさ。


 アイツらのせいにしないとやっていられない。


 生まれた家でついた心の傷で世の中生き難い。


 こっそり、アパートで泣いて。


 彼のラインを無視したら。


 次の日乱暴されて、また泣くの。


 世の中生き難い。


 みんなそれぞれ違うだろうけれど。


 アダルトチルドレンはみんな可哀想。

 そうだって思ってる。


 別に人のせいにしてもいいよ。

 そっちの方が少しはマシに生きられるから。


 それにつけられた傷が何よりもの証拠だもの。


 アダルトチルドレンたちへ。


 強がりはもうやめて。

 自分でいれば、それでいい。

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