漆桶ながれて海をなす
何を隠し持ってんだい
世への恨み辛みをナイフにかえて
何処へ向けて構えるか
相手を探してさまようか
持つことすら出来ない上に
想像だけで怯むくせに
錆びる前に棄てっちまえ
波にさらわれどこまでも
愛に嫌われどこまでも
遠く遠くへ運んでおくれ
深く深くへ沈めておくれ
そこで出会えたものこそが
期待を持って着いたとき
遺体が一人待っていた
貴方によく似たもう一人
唯一の生き物マーメイド
深い深い海の底
底の見えない闇の底
目指して進むか堕ちるのか
差し伸べられたその手はきっと
上がることを拒んでる
そう思ってつかんだものは
孤独と言う名の貴方だろう
海境越えてしまう前に
泡沫消えてしまう前に