10/14 『ラスト○○』
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斂侍電志:青みがかった黒の長髪に眼鏡の少年。鋭い目つきでよく怖がられる。超論理思考。
倉朋愛佳:背中まで伸びた茶の髪に垂れ眉と切れ長の目を持つ少女。一人称はボク。感情の赴くままに生きる。
〈DDCF〉:宇宙戦闘機設計部でその名の通り設計士が集まる部署。室内は広大で、棚と机が雑多に並ぶ研究所風の空間。壁や天井は木目調で、床は靴音を吸収するカーペットが敷き詰められている。部屋の一角、宇宙がよく見える大窓の傍に電志と愛佳の机がある。
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〈DDCF〉は今日も平常運転。
愛佳が作業の手を止めて話し出した。
「さあ電志、そろそろボクたちのトークショーの時間だ」
それを受け電志も作業を中断し、応じる。
「ああもうそんな時間か」
「今日のブックマーク等は、微増だったよ」
「ふむ、また1人俺達の日常を気にかけてくれた人がいるんだな」
「そうだね。そして、次のアップで物語は完結だ」
「ああ。これだけのボリュームだから、最後まで読んだ人はかなりの通だな」
「でもね、この作品は『浅く広く』でなく『深く狭く』だからハマっている人も確実にいると思うよ」
「そうだと良いな。それでこそ公開した意義がある」
「電志、『ラスト』って付けると映画の題名みたいになるよ」
「『ラスト○○』ってそんな響きがあるな」
「『ラストモスキート』とかどう?」
「最後の蚊かよ。割と地球人は望んでいるんじゃないか? 【アイギス】には蚊はいないけど」
「『ラストクッキー』とか」
「最後のクッキーか。最後の1枚って取り辛いんだよな」
「『ラスト電志』とか」
「最後の俺って何だ。俺を死んだことにしたいのか」
「それはどうかなくふふ。今日は『ラスト弄り』にしてあげようかな」
「それは待たなくていいから弄るのをやめてくれ。今日はこの辺で締めるか」
「そうだね、また明日!」




