10/12 『あくびを噛み殺せ』
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斂侍電志:青みがかった黒の長髪に眼鏡の少年。鋭い目つきでよく怖がられる。超論理思考。
倉朋愛佳:背中まで伸びた茶の髪に垂れ眉と切れ長の目を持つ少女。一人称はボク。感情の赴くままに生きる。
〈DDCF〉:宇宙戦闘機設計部でその名の通り設計士が集まる部署。室内は広大で、棚と机が雑多に並ぶ研究所風の空間。壁や天井は木目調で、床は靴音を吸収するカーペットが敷き詰められている。部屋の一角、宇宙がよく見える大窓の傍に電志と愛佳の机がある。
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〈DDCF〉は今日も平常運転。
愛佳が作業の手を止めて話し出した。
「さあ電志、そろそろボクたちのトークショーの時間だ」
それを受け電志も作業を中断し、応じる。
「ああもうそんな時間か」
「今日のブックマークは、微妙に増えていたよ」
「意外と完全ストップにはならないんだな」
「さすがに完結すればストップするんじゃあないかい?」
「そういやだんだん完結も近付いてきたな。最後まで読んでもらえると良いな」
「電志、今日はあくびについて語ろう」
「俺は割としてる方だな」
「電志って設計している時よくあくびしてるよね」
「眠い時出やすいが、眠くなくてもなんか出るんだよな」
「それは危険だね」
「何かの病気なのか?」
「うん。略称『HETARE』病という」
「略称にしては随分長いな」
「それだけ深刻だということさ。致死率は何と100年で99%」
「その年数だと大概死亡するな」
「恐ろしい病気でしょ」
「倉朋はあくびを噛み殺してるのをたまに見かけるな」
「ボクはあくびを憎んでいるからね。親の仇みたいに噛み殺すんだ」
「獰猛な奴だな」
「くふふ、ボクは怒らせると怖いんだよ。今日はこの辺で締めようか」
「そうだな、また明日だ」




