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天才設計士の小劇場  作者: 滝神龍二
30/34

10/11 『寄り道』

☆★☆★


 斂侍電志れんじでんし:青みがかった黒の長髪に眼鏡の少年。鋭い目つきでよく怖がられる。超論理思考。


 倉朋愛佳くらともあいか:背中まで伸びた茶の髪に垂れ眉と切れ長の目を持つ少女。一人称はボク。感情の赴くままに生きる。


〈DDCF〉:宇宙戦闘機設計部でその名の通り設計士が集まる部署。室内は広大で、棚と机が雑多に並ぶ研究所風の空間。壁や天井は木目調で、床は靴音を吸収するカーペットが敷き詰められている。部屋の一角、宇宙がよく見える大窓の傍に電志と愛佳の机がある。


☆★☆★

〈DDCF〉は今日も平常運転。

 愛佳が作業の手を止めて話し出した。

「さあ電志、そろそろボクたちのトークショーの時間だ」

 それを受け電志も作業を中断し、応じる。

「ああもうそんな時間か」


「今日のブックマークは、微妙に増えていたよ」

「全体だとかなりのボリュームになってきたが、継続して読み進めてもらえたら嬉しいな」


「今日は電志にお題の権利を上げよう」

「素直に『考えるのメンドクサイ』って言えば良いのに」

「いつもボクがお題を考えているんだ、不公平じゃあないか」

「まあ、よくやってくれているから任せっきりになってるところはあるな。じゃあ今日は俺からだ。【アイギス】には伝統がまだない。地球には各地に祭があったり伝統工芸があったりするようだが、【アイギス】も何か伝統を残せないかな?」

「電志がボクに弄られる姿とか」

「却下だ」

「電志が設計に夢中になりすぎてウフフフって言っている姿とか」

「そんなこと言ってない」

「え、気付いてないの?」

「気付くも何も、そんなこと言ってない」

「本当に言ってないと思ってるの?」

「……そう言われると不安だな」

「くふふ、残念! 言ってませんでしたー」

「そのドヤ顔腹立つわー。もう少し伝統らしい伝統無いのかよ」

「ある意味、〈コズミックモンスター〉の襲撃は伝統だったね」

「それも微妙だな。伝統と言っても対外的にアピールになりそうなものでないと」

「【アイギス】をアピールしてどうするのさ。婿捜し?」

「婿を捜すんだと【アイギス】は女性になるのか」

「女性名詞とか男性名詞をつける言語、あるじゃあないか。乗り物類は大抵女性名詞としている国があったと思うよ」

「珍しくまともに答えているんだな」

「見直した?」

「だが肝心の本題は最後まで出なかった」

「そう簡単に出させてたまるもんですか」

「むしろ無駄なお喋りをやめて本題だけ出してほしかったんだが。まあいい、今日はこの辺で締めようか」

「寄り道っていいよね。じゃあまた明日」

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