10/10 『明日風邪で』
〈DDCF〉は今日も平常運転。
愛佳が作業の手を止めて話し出した。
「さあ電志、そろそろボクたちのトークショーの時間だ」
それを受け電志も作業を中断し、応じる。
「ああもうそんな時間か」
「今日のブックマーク等は、微増だったよ。ボク達のトークショーもね」
「前日と同じようなものか」
「うん、そうだね」
「まだ新規参入してくれる人がいるとは、ありがたいな。作者も喜んでいるみたいだ」
「電志、ボクはちょっと悩んでいることがあるんだけどね」
「どんな下らないことだ」
「電志がボクに優しくするにはどうしたら良いんだろうと思って」
「それだと、まるで俺が優しくないみたいだな」
「事実だからね」
「事実というのはありのままを言うことだと思うんだ」
「まさにドンピシャじゃあないか」
「きっと、倉朋がまともに話してくれれば解決する悩みだと思うぞ」
「ボクは元からまともに話している」
「そうだったのか。じゃあ……無いな」
「諦めるの早いよ。もう少し考えてよ」
「そんなこと言われてもなあ…………それなら、風邪でも引いたらどうだ?」
「じゃあ明日、ボクは風邪で休む」
「それサラリーマンがよく言うセリフだって作者が言ってたぞ。しかもそう言う奴で本当に休んだのは見たこと無いって」
「本当に休む人は黙ってるだろうからね」
「また、寝坊で遅刻した人は『腹痛』と申告するのをよく見かけたそうだ。あと、二日酔いで早退する場合は『体調不良』とか」
「みんな上手く言い換えているんだね」
「俺は嘘はつかないけどな」
「嘘も方便だよ電志。今日はこの辺で締めようか」
「そうだな、また明日だ」




