表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天才設計士の小劇場  作者: 滝神龍二
28/34

10/9 『見える化しなくて良いもの』

☆★☆★


 斂侍電志れんじでんし:青みがかった黒の長髪に眼鏡の少年。鋭い目つきでよく怖がられる。超論理思考。


 倉朋愛佳くらともあいか:背中まで伸びた茶の髪に垂れ眉と切れ長の目を持つ少女。一人称はボク。感情の赴くままに生きる。


〈DDCF〉:宇宙戦闘機設計部でその名の通り設計士が集まる部署。室内は広大で、棚と机が雑多に並ぶ研究所風の空間。壁や天井は木目調で、床は靴音を吸収するカーペットが敷き詰められている。部屋の一角、宇宙がよく見える大窓の傍に電志と愛佳の机がある。


☆★☆★

〈DDCF〉は今日も平常運転。

 愛佳が作業の手を止めて話し出した。

「さあ電志、そろそろボクたちのトークショーの時間だ」

 それを受け電志も作業を中断し、応じる。

「ああもうそんな時間か」


「今日のブックマーク等は、微増だったよ。ボク達のトークショーもね」

「俺と倉朋の会話は傍から見てると面白いのかね」

「傍から見なくても面白いよ」

「俺は割と噛み合った会話をしてくれた方が面白いと感じるんだが」

「ボクは面白いから良いんだよ」

「片方だけが面白いって不思議だな」


「電志、匂いを見える化できないかな?」

「パッと思いつかないんだが」

「でも匂いって匂いの元が漂ってるんでしょ。それに着色すればいけるんじゃあないかい?」

「ふーむ……ずいぶん世界がカラフルになりそうだな」

「そうでしょ。そうしたら楽しいと思うんだ。それに良い匂いが分かればそっちに行っていっぱいに吸い込める」

「逆にミドル臭とかだと汚い色とかな」

「そういうのはしなくて良いよ。見える化しなくて良い」

「まあ、見たいものだけ見えれば良いか」

「人は見たいものしか見ない生き物だということだよ」

「別にそれはミドル臭のためにある言葉じゃないんだけどな」

「格言とはドヤ顔で言えればそれで良いんだよ。今日はこの辺で締めようか」

「そうだな、また明日だ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ