10/7 『記録』
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斂侍電志:青みがかった黒の長髪に眼鏡の少年。鋭い目つきでよく怖がられる。超論理思考。
倉朋愛佳:背中まで伸びた茶の髪に垂れ眉と切れ長の目を持つ少女。一人称はボク。感情の赴くままに生きる。
〈DDCF〉:宇宙戦闘機設計部でその名の通り設計士が集まる部署。室内は広大で、棚と机が雑多に並ぶ研究所風の空間。壁や天井は木目調で、床は靴音を吸収するカーペットが敷き詰められている。部屋の一角、宇宙がよく見える大窓の傍に電志と愛佳の机がある。
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〈DDCF〉は今日も平常運転。
愛佳が作業の手を止めて話し出した。
「さあ電志、そろそろボクたちのトークショーの時間だ」
それを受け電志も作業を中断し、応じる。
「ああもうそんな時間か」
「今日のブックマーク等は、微増でちょうど200ポイントになったよ」
「おお、キリがいいな」
「このポイントでスーパーで買い物できるのかな」
「できないだろう」
「使えたら良いのにね」
「使ったらゼロになっちまうがな」
「電志、今日は写真について話そうか」
「写真か」
「ボクの友達には食事の度に写真を撮る子がいるんだよ」
「ああ、食べる前に撮ってネットにアップするんだろう」
「そうそう、あれってどうなんだろうね? 楽しいのかな」
「俺にはよく分からないが、食べた物を記録しておく意味でもあるのかね。カロリー計算とか」
「電志も記録したら?」
「俺は特に標準体型から外れたことは無いんだが」
「いや、電志が記録するのは喋った文字数だよ。電志は喋らなすぎだからね。毎日ボク以外の人と話した文字数を記録するんだ」
「そういえば倉朋と話す以外は殆ど喋った記憶がないな」
「これじゃどっちが主役か分からないね」
「そもそも俺ら裏方は主役じゃない」
「むー、それならボク達も戦闘機に乗っちゃう?」
「それじゃ設計士の話じゃなくなるんだが。今日はこの辺で締めるか」
「そうだね、また明日!」




