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天才設計士の小劇場  作者: 滝神龍二
2/34

9/13 『ノンアル』

☆★☆★


 斂侍電志れんじでんし:青みがかった黒の長髪に眼鏡の少年。鋭い目つきでよく怖がられる。超論理思考。


 倉朋愛佳くらともあいか:背中まで伸びた茶の髪に垂れ眉と切れ長の目を持つ少女。一人称はボク。感情の赴くままに生きる。


〈DDCF〉:宇宙戦闘機設計部でその名の通り設計士が集まる部署。室内は広大で、棚と机が雑多に並ぶ研究所風の空間。壁や天井は木目調で、床は靴音を吸収するカーペットが敷き詰められている。部屋の一角、宇宙がよく見える大窓の傍に電志と愛佳の机がある。


☆★☆★

〈DDCF〉は今日も平常運転。

 愛佳が作業の手を止めて話し出した。

「さあ電志、そろそろボクたちのトークショーの時間だ」

 それを受け電志も作業を中断し、応じる。

「ああもうそんな時間か」


「執筆状況から確認しようか。最新話は普通の小説の1ページ弱くらいは書けたらしいよ」

「あまり芳しくないな」

「でもプロット自体は何話か先辺りまで考えてあるんだって」

「そうか。それを文章に落とし込む時間が不足しているんだな」

「なんか、他人の仕事が溢れてしまい、その手伝いで遅くまで仕事しているんだって」

「ほう、作者も偉いじゃないか」

「断れないだけみたいだよ」

「強制かよ……」


「作者がね、最近ハマっているものがあるんだって。電志は何か知ってる?」

「ああ、確か酒っぽい物を買って帰って飲むことにハマっているとか」

「うわあ、アルコール中毒かい?」

「いや、ノンアルコール飲料らしい」

「じゃあ、ノンアルコール中毒かい?」

「ノンアルコールなら中毒じゃないだろ」

「何で?」

「何でって……だってアルコールじゃないし」

「でもノンアルコールにハマってるんでしょ? それはある種の中毒だよ。ゲームにハマり過ぎるのもゲーム中毒って言うじゃあないか」

「……いや、それはそうだが……何か新しいな、ノンアルコール中毒」

「ボクが今作った言葉だからね、新しいわけさ。じゃあ今日はこの辺で締めようか」

「じゃあまた明日、だな」

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