9/29 『眼鏡とコンセント』
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斂侍電志:青みがかった黒の長髪に眼鏡の少年。鋭い目つきでよく怖がられる。超論理思考。
倉朋愛佳:背中まで伸びた茶の髪に垂れ眉と切れ長の目を持つ少女。一人称はボク。感情の赴くままに生きる。
〈DDCF〉:宇宙戦闘機設計部でその名の通り設計士が集まる部署。室内は広大で、棚と机が雑多に並ぶ研究所風の空間。壁や天井は木目調で、床は靴音を吸収するカーペットが敷き詰められている。部屋の一角、宇宙がよく見える大窓の傍に電志と愛佳の机がある。
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〈DDCF〉は今日も平常運転。
愛佳が作業の手を止めて話し出した。
「さあ電志、そろそろボクたちのトークショーの時間だ」
それを受け電志も作業を中断し、応じる。
「ああもうそんな時間か」
「今日の執筆状況は、カクヨムの最新話はまだまだみたいだよ」
「休みにならないと無理か」
「今週は特にそうみたいだね」
「働きすぎて倒れなきゃいいんだが……」
「倒れたら病室で書いてもらおうか」
「倉朋もなかなか鬼だな」
「電志、コンセントはどんなものが使いやすい?」
「穴の多いものかな。ああ、あと、穴の間隔が広いものの方がいい。かさばるものを挿した時に隣の穴が使えなくなることがあるから」
「ふうん。かさばるものって何? 電志の眼鏡?」
「眼鏡をコンセントに挿す理由が無いな」
「最近は撮影機能のついた眼鏡もあるらしいじゃあないか」
「あったとして、俺が持っている理由が無いな」
「と言いつつ、本当はこっそり撮影しちゃってるんじゃあないの? ボクの横顔とか」
「大体隣にいるお前を撮影する意味が分からないんだが」
「じゃあ何を撮っているのさ」
「何をって言われても、俺の眼鏡に撮影機能が無いからな」
「どんな機能ならあるの?」
「目が悪くても物が見えやすくなる機能ならある」
「そんなオプションはいいよ。もっとこう、さ、変形してロボットになるとか」
「割とオプションじゃない重要な機能なんだけどな。それから変身するには質量が圧倒的に足りない」
「増やせばいい」
「ロボットになれるくらいの質量の眼鏡をかけたら、俺の耳とか鼻とかが落ちると思うんだ」
「顔がつるつるになるね。今日はこの辺で締めようか」
「そうだな、また明日だ」