9/25 『複数同時』
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斂侍電志:青みがかった黒の長髪に眼鏡の少年。鋭い目つきでよく怖がられる。超論理思考。
倉朋愛佳:背中まで伸びた茶の髪に垂れ眉と切れ長の目を持つ少女。一人称はボク。感情の赴くままに生きる。
〈DDCF〉:宇宙戦闘機設計部でその名の通り設計士が集まる部署。室内は広大で、棚と机が雑多に並ぶ研究所風の空間。壁や天井は木目調で、床は靴音を吸収するカーペットが敷き詰められている。部屋の一角、宇宙がよく見える大窓の傍に電志と愛佳の机がある。
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〈DDCF〉は今日も平常運転。
愛佳が作業の手を止めて話し出した。
「さあ電志、そろそろボクたちのトークショーの時間だ」
それを受け電志も作業を中断し、応じる。
「ああもうそんな時間か」
「今日の執筆状況は、カクヨムの最新話は無事アップできたみたいだよ」
「集中して書けたようだな」
「休みの日はまったりしながら書いているようだね」
「応援ボタンをさっそく押してくれた人もいるようだ、良かったな」
「ここまで読み続けてくれている人がいるんだね!」
「なろうの方では今日もブックマークしてくれた人やPVが堅調に伸びている」
「これは感謝の気持ちも尽きないね」
「ああ、星の数ほどある作品の中で『読んでみよう』と選んでくれたっていうのは嬉しいことだ」
「電志、今日は登山が話題になったみたいだよ」
「テレビでやってたな。芸能人が険しい山を登っていた」
「だから事故について話そう」
「最悪な前振りだな。普通『だから山のことを話そう』になるだろ」
「でも【アイギス】には山が無いじゃあないか」
「まあそうだが……事故っていっても宇宙戦闘機の事故とか【アイギス】の事故しか語れないぞ」
「電志が設計に集中している時は常に放送事故だよ、むっつり黙っているじゃあないか」
「おしゃべりしてたら集中できないからな」
「おしゃべりしながら集中すれば良い」
「俺の脳は複数同時進行ができないんだ」
「出たよ『俺、男脳だから』。まったく電志は男好きなんだから」
「男は好きじゃないが、男脳は割と気に入っているな」
「男の脳が好きとか、スプラッタだね」
「無駄な『の』を入れるな。今日はこの辺で締めるか」
「そうだね、また明日!」