9/23 『走れタマゴ』
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斂侍電志:青みがかった黒の長髪に眼鏡の少年。鋭い目つきでよく怖がられる。超論理思考。
倉朋愛佳:背中まで伸びた茶の髪に垂れ眉と切れ長の目を持つ少女。一人称はボク。感情の赴くままに生きる。
〈DDCF〉:宇宙戦闘機設計部でその名の通り設計士が集まる部署。室内は広大で、棚と机が雑多に並ぶ研究所風の空間。壁や天井は木目調で、床は靴音を吸収するカーペットが敷き詰められている。部屋の一角、宇宙がよく見える大窓の傍に電志と愛佳の机がある。
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〈DDCF〉は今日も平常運転。
愛佳が作業の手を止めて話し出した。
「さあ電志、そろそろボクたちのトークショーの時間だ」
それを受け電志も作業を中断し、応じる。
「ああもうそんな時間か」
「今日の執筆状況は、カクヨムの最新話は進められなかったみたいだ」
「残念だな。また忙しいのか」
「常に忙しいみたいだね。でもなろう版の方では良いニュースが続いている。ブックマークしてくれた人が増え続けているみたいだよ」
「それはありがたいな。多くの人が楽しんでくれれば作者も書き甲斐があるだろう」
「電志、ボクは思うんだけど」
「またロクでもないことか?」
「ニワトリとタマゴが競争したらどっちが勝つと思う?」
「『ニワトリが先かタマゴが先か』っていうのは競争しているわけじゃない」
「てっきりゴール前で僅差で競り合っているのかと思ったよ」
「つーかタマゴは走れないだろ」
「それは……ミステリィだね」
「タマゴが走れないことをミステリーだと言う倉朋の方が俺にとってはミステリーなんだが」
「かのコロンブスだってタマゴは走れると言った」
「言ってねえよ。確かにタマゴに関して何かは言ったけど、『走れる』とだけは言ってない」
「今後の課題だね。タマゴには走れるだけじゃなく、最終的には走り高跳びをやってもらいたい」
「落下後が心配だな。今日はここら辺で締めるか」
「そうだね、また明日!」