9/12 『必死に頑張る』
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斂侍電志:青みがかった黒の長髪に眼鏡の少年。鋭い目つきでよく怖がられる。超論理思考。
倉朋愛佳:背中まで伸びた茶の髪に垂れ眉と切れ長の目を持つ少女。一人称はボク。感情の赴くままに生きる。
〈DDCF〉:宇宙戦闘機設計部でその名の通り設計士が集まる部署。室内は広大で、棚と机が雑多に並ぶ研究所風の空間。壁や天井は木目調で、床は靴音を吸収するカーペットが敷き詰められている。部屋の一角、宇宙がよく見える大窓の傍に電志と愛佳の机がある。
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〈DDCF〉は今日も平常運転。
愛佳が作業の手を止めて話し出した。
「さあ電志、今日からボクたちのトークショーが始まるよ」
それを受け電志も作業を中断し、応じる。
「何でそんなことするんだ?」
「作者が毎日1話分書くのが難しいからなんだって」
「じゃあ俺らがこうして話している間にも進めりゃ良いじゃないか」
「そうだね。じゃあ今回で最終回にしようじゃあないか」
「待て待て。作者のことも考えてやれよ」
「でも冷たい突っ込みをしたのは電志だ」
「分かった分かった。まあ色々あるんだろう」
「ストーリーを進める時は長考するけどボクたちの会話だけだったら時間そんなにかからないんだってさ」
「俺たちの会話はすらすら書けるのか。コンビを組んで長いからかね」
「それじゃあ電志、記念すべき第1回だから……何か面白いこと言って」
「最低の振り方だな。難易度たけーよ」
「じゃあスベらない話をして」
「ハードル上がってるじゃねえか。俺にそういうスキルを求めるな。まず執筆状況だが……今日は全然書けてないようだな」
「それなら書けるまで寝なければ良いんじゃあないかい?」
「朝から深夜まで仕事してるから、そうすると死ぬと思うんだ」
「まさに『必死に頑張る』だね」
「『必ず死ぬ』って意味じゃねえよ。ちなみに小説家になろう版の方は順調にアップできているみたいだな。カクヨム版の最新話だけが停滞している」
「なろう版ではブックマークしてくれた人が増えたみたいだね」
「それは嬉しい限りだな。読んでくれてる人がいるってのが分かるとモチベーションが上がる」
「じゃあ第1回だし、この辺で締めようか」
「ああ、これくらい短くて丁度良いだろう」