ステーキレストランを作ろう⑥
ステーキレストランしげる1号店が出来てから早2ヶ月が過ぎ、王都は以前の賑わいの7〜8割を取り戻し、またしげる達の店は順調に大きく成長している。
『現在の店舗数とスタッフ』
王都、東西南北の門近くそれぞれに1店舗、王城周辺に3店舗の計7店舗。
従業員数も増えた為、新たな役職も作った
調理部門責任者 元キシリタール王国 宮廷料理人 ランソ・テール。
元は王族のお抱え料理人だったが、主人の傲慢な態度によるたび重なる無茶な要求に呆れ、しげるの店の評判、料理人仲間から職場環境を聞き、転職。料理の腕前を評価され、もっとも大きい規模の、レストランしげる王城入り口前店で腕をふるっている。
接客部門責任者 アントス・セッリ
客が困った素振り・気配をつぶさに見逃さず、迅速に柔らかな笑顔で対応する。定食屋系お母さん。
セッリの優しい教え方や、本人の年齢もあるが、ふた回りは歳が違う若い女性従業員達から母親のように慕われている。現在はレストランしげる王都北門店に店長として、新人指導をしながら働いている。
仕入れ担当責任者 フラン・ワーズ
元騎士。戦いにより後遺症を負い退役、文官である父の勧めもあり、しげる達の店の門を叩く。
父の威光もあり、商人との交渉は有利な取り引きをよく提案されるが、元武人の性か、対等な条件の取り引きを望み、逆に商人に得をさせる条件で契約している。
現在、賢者の右腕として、新たな食材を求め商人との交渉に励んでいる。
『メニュー改定』
パステル村から得られる 鶏・牛・乳製品・キノコを軸に使用した。
肉厚な赤身の鉄板牛ステーキ。
皮をパリパリに焼き上げ、香ばしいチキンステーキ。
各種様々な味わいのトッピングを揃えた、牛肉100%ハンバーグ。
これらを店の主力メニューに据えた。
高級魔物肉を使った品は、使っている食材が高級な事が浸透し、客からの認知度が上がった為、値段を普段出しているメニューの2倍、銅貨20枚に上げ、数量限定メニューに変更した。
『現在の看板メニュー』
煮込みハンバーグセット 銅貨10枚
牛肉の肉汁溢れるジューシーなハンバーグ。熱でとろっとろに溶けたチーズと、食感のいいキノコソテー。
それを優しく包み込む、店自慢の濃厚デミグラスソース。
ソースはベースが大事。
オーブンで焼いた牛骨、牛スジ肉・様々な種類の野菜を、丁寧に灰汁・脂をとりつつ、焦がさぬように長時間かけ煮込み作った、牛・野菜の旨みが凝縮された、ベースのフォンドボーに、炒めた小麦粉・バターを合わせた、しげる達料理人力作のデミグラスソースだ。
『店舗利益』
利益・利益率はすこぶる高い。
理由はいくつかある。
まずひとつは、高級食材の魔物肉の調達方法。休みの日に遠くの元魔王領に出かけ、剣士としげるがある程度狩ってくるので、これは原価ゼロ。
さらに数量限定メニューとなった為、プレミア感から良い客寄せメニューとなっている
ふたつ、自社農場による食材費削減。
パステル村のように廃村・廃村寸前だった村をいくつか安く買い上げ、農地、建物を整備し村人を従業員として雇い上げた。
自社農場である為、少々の不作でも市場の値段変動に影響されず、一定品質の物が安定供給できる。
さらに、自社農場である村は王都から近郊に位置している為、店で使う野菜は新鮮な状態で提供できる。
1番大きな最後の理由。
しげる達の店は全て所有物であり、最初の購入費と年間の税金以外は支出がない。
賃貸ではないので維持費が安く、本来かかる店舗費用を人件費・原価費にまわせ、質の高い接客や品質の高い、こだわった料理を出せる。
そして王都が復興、今以上の発展を遂げれば所有している、店舗=不動産の価値は跳ね上がり、さらに経営力は強くなるだろう。
まだまだ発展途上ではあるが、従業員の数・技量があがり、重大な判断以外、しげるや賢者がつきっきりで面倒や指示を出さなくとも、ステーキレストランしげるは問題なく運営していけるだろう。
そう判断したしげる達は。
ーー新たな店舗開発に移るのであった
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銅貨1枚 100円
銅貨100枚で銀貨1枚 っていう自分自身が想像しやすいありふれた設定としております