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ステーキレストランを作ろう③


〜ステーキレストランしげるオープン日〜



フライング・チキンの骨で、作ったスープが入った鍋に、皮を剥いた野菜を放り込みながら、しげるは指示を出す


「カンナちゃんとミラさーん。掃除が終わったら、そろそろパン屋さんが、配送に来てくれますから、厨房に運んでください」


「セッリさんは僕が1日何をしているのか、おおざっぱでもいいので、見て覚えてください」


「わ〜い、焼き立てパン!」

「こら、カンナちゃん。自分が食べる為のパンじゃないわよ」


カンナ・ミラは雑巾でテーブルを拭き終わり、パン屋の配送を受け取りに行く。


「わ、わかりました。がんばります!」

セッリは上ずった声で返事をし、サラダ用の野菜を洗っていた。




『セッリさんには店長候補として、がんばってほしいと考えています』


昨日帰り際にセッリだけ、残され指導を受けた後、雇い主であるしげるにそう告げられた。

大役に緊張もある、だが不器用な自分はひとつひとつ、今日を丁寧にがんばろう。

そう思うセッリだった。




いよいよ店をオープンする

『もし誰もいなかったら?

オープンしても1日中、来店がないかも』

そういった考えも浮かんだが、しげるは雑念を捨て、作業を続ける。




「し、しげるさん。たいへん、大変です! ちょっとこっちに来てください!」

小さいカラダで、出来たてのパンが入った木箱を抱え、大慌てのカンナがしげるを呼ぶ。


「な、なにどうしたの? カンナちゃん?」

しげるはカンナに手を引っ張られながら、店の入り口まで連れてこられる。


「見てびっくりですよ、もうお客さまがこんなにたくさん並んでます!」

カンナは入り口扉を勢いよく開け、しげるに見せる。



朝日が昇る少し前、まだ肌寒い時間帯。

そこには、100人以上の人が列を作っていた、列の1番後方では、剣士が列の整理をしながら大きな声で、並んだ客に呼びかけていた。


「みせがぁ、あくまでぇ、もうちょいだがら寒いけんどまっででなぁ!」


店の責任者であるしげるを見て、列の真ん中辺りからミラが走ってくる。


「はぁはぁ、しげるさん。お客さまにオープンまで、まだ大分時間がかかるので大丈夫ですかとお聞きしたんですが……

皆さまお待ちになると、どうしましょう?」

心配そうにしげるを見るミラ


少しの間思案し、しげるは指示を出す。


「こんなに早くに寒い中、集まってくださったお客さまです。みなさん少し早いですが、今から開店します。最初から忙しくなりますから、気合いを入れていきますよ!」



剣士には後方の列整理から戻ってもらい、入り口の入場管理をしてもらう


カンナ・ミラには最初の予定通り、接客担当としてホールに配置し配膳と注文受け・会計


セッリにはホール兼厨房として、動いてもらう。様々な気配りができると期待をしているからだ。

カンナやミラが、客の対応に困ってしまった時に彼女達で対処できるか、それとも責任者であるしげるを呼ぶか。そういった判断や全体を見て、お客さまの動きや困っていないか見て指示を出す中間の指令塔。


そしてしげる

スープがまだ出来ていない為、急いで小さい鍋に【生鮮スーパー】の能力を使い、冷凍のミックスベジタブルを出し、異世界産玉ねぎをいれて炒め、そこにフライング・チキンのスープを合わせ、即席コンソメスープを作る。


スープが出来た頃には、次々と舞い込んできたオーダーを、賢者が作製してくれた大きい羊皮紙に正の字でつけながら、焼き場の火口を最初からフル動員。



フライパンで肉を焼き。

パンの片面を軽く焼く。

トングでサラダを皿に盛る。

スープをカップに注ぐ。

木のトレイに出来た物を乗せ配膳を頼む。



「今日はこれの繰り返しだな」


しげるは大量のオーダーを頭でも数えながら、一心不乱に調理していくのであった。

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