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桜散る
お題:「明るい」を入れて【未練】をイメージ
桜の舞い散る校門の前に立つ。
吸い込まれるように踏み込む人々の顔はみんな晴れやかで。
校門から先に入れない僕はそれをただ睨むことしかできない。
そんな僕の視線にひとりの女の子が振り向きそうになって、慌てて駆けだした。
来年こそ。
来年こそは絶対に!!
拳を握って自分の部屋まで駆け込むと、息を切らせたままで机にかじり付き、教科書とノートをバサバサと広げる。
なぜだか振り向きそうだったあの女の子の背中が胸にやきついて離れないけれど、今は胸の奥底に押し込める。