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すれ違い
お題:「視線」を入れて【心配】をイメージした作品。
久しぶりに夫と買い物に出た。「いつも帰りが遅くてごめん」と新しい服を買ってくれて、紙袋をいっぱい抱えた帰り際。
喫茶店で休憩していたら、ふと視線に気づいた。
送り主は地味な私と違ってかわいい娘。夫が振り向いたら小さく手を振るから「誰?」と聞いたら「さぁ?」
そう? あの熱視線じゃ人違いのしようがないと思うけど。
……そう、あんな子が好みだったなんて全然知らなかったわ。
脇に置かれた紙袋が急に疎ましくて、全部ここに捨てて帰りたかった。