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闇属性僧侶のあんまり平穏じゃない日常  作者: 水可木
七章 迷宮と問題の山
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 シャルロッテとナスターシヤを残して、更に地下二階へと降りた。

 ところどころ、ヒカリゴケが青く発光しており、これならシャルロッテも平気だったんじゃと思い始めた辺りで、マルガレーテが異変に気がついた。

「マルガレーテの王子様、ここ、スキルが使えません」

 常時探索スキルフル稼働のため、気がついたのだろう。

「分かった」

 返事をしたのと同時に、大羊系のロール・ラムが現れた。こいつの容姿については、胴体をシャギー・タランチュラと交換してきただろうな気色悪い姿をしている。めぇへへへとか気が抜ける鳴き声と、普通に羊の足がなければ、らむなんぞと名付けられなかったに違いない。

「あ、マルガレーテの王子様、コレも闇・土属性みたいです。なんだかさっきのと足して二で割ったみたいですね!!」

「嫌な割り方だよな?!」

 そう言えば、このモンスターの胴体的にMは大丈夫かと見れば、けろっとしていた。どうやら、胴体は平気らしい。

「スキルが使えないとなると、マルガレーテとMに任せるか」

 そう言い終わるか否の頃合だった。ロール・ラムがスキルを使ってきた。

「下がれ」

 後方のマルガレーテは良いとして、前衛のMをかばうべく前に出る。

 ロール・ラムが発動したのは、俺おなじみのシャドウ・バインドだった。

「スキルが使えないはずじゃないのか?」

 とりあえず、ドレインを使えば、普通に使えた。ロール・ラムはあっさりたおれる。なお、こいつの気色悪い容姿に、誰も食べようとしなかった。

「あれ?そこ使えるんですか?!」

 俺を見てマルガレーテが同じ位置に立つ。そして、アース・プローブを発動させようとするのだが、無効のようだ。

「使えないですね。アリスさんは光、Mさんは火のスキルを試してみて!!」

「りょーかい!!」

「ああ、任せな」

 しかし、光属性も火属性のスキルも使えないようだった。マルガレーテは風属性も試していたが、これも駄目だった。

 俺も一通り闇属性スキルを連発するが、これは滞りなく使える。

「水は分からないが、今の所、闇以外は向こうなのか」

「はい、そうみたいです」

 ヴェントのモンスターリストを見れば、基本は土属性らしいのだが、この辺りは闇属性が基本となっているらしい。

「厄介だな」

 俺が機能するのでマシだが、探索スキルが使えないのは痛い。

「そういえば、マップには書かれてないんですよねー。ここをマッピングをしたのは、多分闇属性の人だったんだと思います」

 マップの更新をするべく、貰ったマップに無効区画を書き加えながらマルガレーテが言う。

「ああ、俺の両親だったんじゃないかと思う。ナスターシヤ的に」

 普通の感覚ならば、ナスターシヤを見つけた次点で保護するはずだ。そして、あの居住空間はボス部屋の奥の一本道にある。ナスターシヤを俺の両親が保護したということは、それがそのまま最初に到達した証左だろう。

 因みに、貰ったマップはこの階のボス部屋の手前と思われる場所までしかマッピングされていない。そこから先はモンスターやらトラップやら未知の領域である。

「今日は早めに切り上げて、明日、未踏破区画に行くぞ」

 ある程度、スキル無効区画を調べた後、明日に備え早めに休息を取ることにした。

 戻った俺たちが目撃したのは、シャルロッテとナスターシヤの椅子になって、うっとりするプリちゃん人形だったりしたのだが、疲労が見せた幻覚だと思うことにしたのだった。

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