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闇属性僧侶のあんまり平穏じゃない日常  作者: 水可木
七章 迷宮と問題の山
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 俺の精神衛生を最悪の状態にしながら、シャギー・タランチュラの焼肉は開始された。

 素材化がかかっているためか、シャルロッテも乗り気である。

 未知の素材を求める姿はまさに冒険者だ。俺としてはこの方面の冒険はしたくない。

「クラウディオさん、ヴェント周辺はもともと、畜産と狩猟でそれなりの知名度を持っているので、それらがベースになっているモンスターの味は期待できるんです」

 胡乱気うろんげな俺に気がついたシャルロッテが言う。なるほど、だから積極的だったのか。

「そうですよー。マルガレーテの王子様、じゃなきゃこんなゲテモノ食べませんよ!!」

「いや、お前に関しては、イエネズミの時点でアウトだ!!」

 続くマルガレーテには思わず言い返していた。

 しかし、じゅうじゅう焼ける肉は確かに旨そうな匂いがする。誘惑に負けそうになるが、アレ、土蜘蛛系モンスターの胴体だと思いとどまる。

「じゃあ、あたしからっと、あ、コレ、まとんだ」

 ぱくっとマルガレーテが食べて感想を言うと、アリス、M、シャルロッテが飛びつく。おい、ひそかにマルガレーテに毒見役をやらせてやがった。

「……ナスターシヤも」

 それまで、隅っこでおとなしくしていたナスターシヤが、匂いに誘われてか鉄板に近づいてくる。思いとどまれ、ソレ実は蜘蛛だから。

「でも、本当にまとんですね。はい、クラウディオさん、あーんです」

 いつの間にか、隣に移動していたシャルロッテにフォークを向けられた。肉自体食いたくないし、このままシャルロッテに食わされるのも抵抗がある。

「だまされたと思ってどうぞ」

 風属性の素早さで突っ込んできた。

 思わず、飲み込んでしまったわけだが、口内に残る風味は確かに良い。香草も使っていないのに、本物のまとんよりも臭みがないのだ。普通に旨い。

「旨いなコレ」

「乾燥もいけるようなら、小銭稼ぎになりそうですね」

 俺たちの反応を見つつ、冷静にシャルロッテが考察していた。

 そして、少し考えるそぶりの後、水属性スキルのムーヴ・リクウィドを使って、まだ焼けていない肉の水分を飛ばす。ちなみに、ムーヴ・リクウィドは、数ある水属性の攻撃スキルの中でも、トップクラスのエグさをほこる。こうして干物を作る分には便利スキルだが、戦闘中に使われたら、トラウマ確定だ。

「燻製の方がいいかもしれません」

 どうやら試作品は余り気に入らなかったらしく、シャルロッテは残念そうに言う。

「ああ、もう肉がないよ!!クロ助、早く奥に食べに行こう!!」

 アリス、お前、本当にナニしに来たんだ。迷宮は食べ放題会場じゃないと言いかけて、やめる。よく考えるまでもなく、ここに入ってからひたすらモンスターを斃しては食べを繰り返していたからだ。もはや、迷宮探索ではなく食べ歩きをしている気分である。

 肉を食べつくすと、俺たちはさらに奥へと進んで行った。

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