表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇属性僧侶のあんまり平穏じゃない日常  作者: 水可木
七章 迷宮と問題の山
67/130

67

 トラップ探知機(物理)をかかえたままのヴェントの迷宮は、俺の消耗が激しい。

「お前ら、本当にいい加減にしろ!!」

 最初のボスに出くわす前に、マップにないトラップをいくつも見つけてしまった。そのたびに、とび蹴りだので、アリスとMをかばったのだが、防御力の高いアリスはまだしも、Mは結構ボロボロである。それ以上にボロボロなのが俺だ。

「雑魚もラピッド・肉……ボアしか出てないのにこの消耗だぞ?!」

 湧き出るラピッド・ボアが最早回復アイテムである。空腹とドレイン的に。

「あ、マルガレーテの王子様、この先がボス部屋みたいです!」

 そうこうしている間に、ボス部屋の前にいた。

 部屋といっても、扉だとかないので、中が丸見えである。

「シャルロッテ、急げ!!」

 ちらりと蜘蛛の足が見えた時点で、俺はシャルロッテに呼びかけた。

 ただでさえ、行動がバグっているMが更に発狂など、俺以外全滅フラグである。

 察したシャルロッテは素早くファントム・ミストをMにかける。

「ええっと、ここのボスは土蜘蛛系のシャギー・タランチュラです!土・闇属性なので、術士系の鬼門らしいです」

 マルガレーテがモンスターリストを見ながら言った。

 ここは回復を兼ねて、俺とMが行くのが良いだろう。

「M、行くぞ」

「任せな!!」

「いや、回復するから、余計なことをするな!!」

 そう言って、ボス部屋に入ると、シャギー・タランチュラがかさかさと動く。

 どうでもいいが、もっふもふの白い毛皮に大量のつぶらな瞳は可愛いのか気持ち悪いのか微妙なところだ。とりあえず不安になるもっふもふの胴体から、そこだけ普通の蜘蛛な足が八つついていた。投げやりなデザインである。

「こいつ、毛皮が素材なんだろうか」

 思わず呟きながら、攻撃される前にドレインで回復させてもらった。

 ボスとは言え、フォレボワの中ボスクラスなので、一撃で斃れる。

 きゅうとか鳴いたが、本当に分類は土蜘蛛系なんだろうか。

「終わったぞ」

 声をかければ、残り四名も入ってくる。

「おおー、もふもふだね!食べられるかな?」

「マルガレーテの王子様、皮はいだら、普通に肉がついてましたよー」

「胴体は骨があるんですね」

 感想がおかしいアリスはともかく、マルガレーテとシャルロッテの発言は興味深い。

「素材になりそうか?」

「そうですね、私としてはこの骨は結構な強度があるので、いけそうな気がします」

「こっちの肉は食べてみないと、分からないですね」

「じゃあ、焼肉にしよう!!焼肉!!」

「良いね!あたいも焼肉が食べたいよ!!」

 深刻な突っ込み不足である。

「食うなら、お前らが食え!!」

 止めたところで無駄だろう。こいつらに関して、色々諦めた俺である。

 シャギー・タランチュラは毒性もないので、食べるにあたっての問題は、生理的に受け付けるか否かくらいだろう。

「それなら、マルガレーテの王子様、ここで焼肉休憩して、先に行きましょう!!」

「休憩は賛成だな」

 その肉を食うのは断固拒否だが。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ