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闇属性僧侶のあんまり平穏じゃない日常  作者: 水可木
六章 迷宮と冬至の祭
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 ピッツアを食べ人心地つくと、俺たちは部屋に向かう。

 ギルドが閉まっているので、足止めを喰らった状態だが、迷宮の情報は貰っているため、作戦会議というワケである。

「これが、ヴェントの迷宮ですか」

 受付嬢から貰った地図を眺めながらシャルロッテが嘆息する。

「なんて言うか、フォレボワとは違った意味で殺しにきてますねー」

 感心したようにマルガレーテも言う。

「わー、クロ助これやばいって」

 アリスも思わずこぼすくらいには、一目で分かる酷さだ。

「迷宮のトラップでこの量はやっぱり異常だよな?」

「勿論です」

 フォレボワの迷宮しか知らない俺の疑問にはシャルロッテが力強く答えてくれた。

「これが標準なら、あたしもシャルロッテも冒険者を諦めてますよ!!」

「まあ、Mが冒険者やってるくらいだしな」

 迷宮地図には恐らくは受付嬢のモノと思われる筆跡で、


『うっかり踏み間違えると<いしのなかにいる>になっちゃうから気をつけてねー。あと、トラップで<はいになりました>なんてこともあるから』


 と、書かれていた。

 対策を練らなければ、アリスとMが絶対にやらかす。

「俺の回避がどれくらい通用するかだよな」

 これまでの情報から考えて純属性の極振りステータスは通用するみたいだが、油断はできない。

「……ナスターシヤ、回避できる」

 考えていると、ナスターシヤがぽつりと言う。

 混合属性のナスターシヤの回避が通用するのならば、俺はアリスとMのカバーに集中できそうだ。

「ありがとな」

 頭を撫でながら言うと、ナスターシヤは無表情ながら誇らしげにしていた。

「マルガレーテの王子様、あたしもなでなでしてください」

 その様子を見ていたマルガレーテが頭突きかと思う勢いで迫ってきた。

「クラウディオさん、ファイトです」

 そしてシャルロッテはしれっと言ってくれた。

「おい、あのなぁ」

 仕方がないのでマルガレーテの頭も撫でる。

「ピッツア、美味しかった」

「そんなの愛妻として当然ですってばー」

 もう突っ込みも面倒なので、スルーして、今度はモンスターリストを見てみる。

 すると切り替え早く、マルガレーテも考察し出す。やるときはやる変人である。

「に、しても、モンスター自体は弱そうなんだね!」

「それはアリスさんの知るモンスターがフォレボワのものだからだと思います」

 特に状態異常持ちでも耐性持ちでもないモンスターのステータスに、俺も思ったことをアリスが思わずといった様子で言えば、シャルロッテが答える。

「そうですよー。このぶんだと、当面の心配要素はトラップだけですね。ただ、フォレボワのダーク・ドラゴンみたいに、いきなり強い敵が出る可能性も高いので、油断はできませんけど」

 マルガレーテも補足してくれる。地味に頼りになるあたりが本当に残念な少女だ。

「あ、そういえば、コレ使えないかい?」

 それまで、なにやら考えていたMがそういって、荷物の中からアイテムを取り出す。

 それは、見間違えるはずも無い、フォレボワの迷宮でクレーターを作ったマリアさんのトラップだ。

「あの威力なら、迷宮のトラップを破壊できるかもしれません」

 シャルロッテが盲点だったとばかりに言うが、コレ駄目絶対だろう。

「それ、最終手段だからな?!」

 言いながら、俺は気がついてしまった。

「なあ、これ、マリアさんのトラップのが、絶対やばいよな」

「マルガレーテの王子様、事前に訓練できてよかったですねー」

 棒読みのマルガレーテの慰めは全く慰めにならなかった。

 

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