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闇属性僧侶のあんまり平穏じゃない日常  作者: 水可木
五章 迷宮と若き研究者
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 案の定、アリスとMはエントランスに放置されていた。

 『粗大ごみ』とマーガレットさんの筆跡で書かれた紙がアリスに貼られていたが、スルーする。マーガレットさんもストレスが溜まっているんだろう。

「ったく。お前らがマリアさんから余計なものを買わないなら、こんなマネをしなくても済むんだがな」

 ほれっと、二人を解呪した。同じタイミングと動作で起き上がってくる。

「ううううう、クロ助の愛が痛い」

「なんだい。照れ隠しだったのかい?!」

「シャルロッテ、こいつら置いて、部屋に戻るぞ」

 シャルロッテを伴って、さっさと立ち去ると、アリスとMが慌しくこちらにかけてくる音がした。

 俺の部屋に戻ると、買出しを終えたマルガレーテとナスターシヤが思い思いにくつろいでいた。俺のベットの上なのはこの際、気にしないことにする。

「帰ったぞ」

「おかえりなさい!!あたしにします?あたしにします?それとも、あたしにします?」

「いい子にしてたか?ナスターシヤ?」

「……うん」

 飛び掛ってきたマルガレーテをかわして入ると、ナスターシヤの側に腰掛ける。

 見ると、俺の布団の上にマルガレーテの筆跡と思われるメモ書きが散乱していた。

「ああ、それですか?せっかくなんで、ナスターシヤちゃんに手伝ってもらって、ウダール・モールニについて書かれてないか調べてたんです」

 ほらっと、両親から渡された攻略本を見せてきた。なるほど、あの時代に生きていたナスターシヤはある程度読むことができるだろう。

「気がきくな」

「愛妻として当然じゃないですかー。ご褒美に、夜とか夜とか夜とか、愛がってくださいね!!」

「で、シャルロッテ、このメモ書きを見て、なんか分かったか?」

「もう、じらし上手なんですからー!!それなんですけど、あんまり分かったことってないんですよね!」

「とりあえず、マルガレーテちゃんもナスターシヤちゃんも、昔のフォレボワの皆さんも、あの変た……プリヘーリヤさんをド変態だと思っていることは分かりました」

 マルガレーテのメモ書きには数えたくなるくらいに「変態」の文字が出現していた。プリヘーリヤのせいで、ウダール・モールニ村が変態の巣窟に見られなかったか不安になる。

「てか、コレ、純属性なら攻略可能を知らせたのは、プリヘーリヤなのか」

「と、言いますか、何気に迷宮転送にも絡んでるみたいですよ、あの人。研究者として、優秀と言うか、やっぱり変態だったみたいです」

 マルガレーテは、ほらっと『プリヘーリヤによる情報』と書かれている箇所を示す。

「ナスターシヤちゃんに聞いて分かったんですけど、ウダール・モールニは文字体系が違うみたいなんですжだとかфだとか古語でも見たことありません」

 見せてくれたメモ書には見たこともない記号が書かれていた。

「考えたくないんだが、文字が独立してるって、ウダール・モールニはどれだけ辺鄙なとこにあるんだよ?!」

「現在は人が住めない環境のようですが、そこまで環境が変わってしまった場所だと、生息していた生物をベースにしているモンスターたちは生きていけるものですかね?」

 シャルロッテの呟きに沈黙が降りる。

「ヴェントに行く前に、もう一度プリヘーリヤのところに行くぞ」

「そうですね。すぐに疑問点をまとめましょう」

 もともと、ナスターシヤがいるので出発前には立ち寄る予定ではあった。

 ナスターシヤの知識も借りて疑問点をまとめると、その日のうちに迷宮に向かった。

 

 


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