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こちらの通路もスキル無効のようだった。
出るモンスターも、蝙蝠系のモンスターだけなので、この辺りで休息を取る。
「クラウディオさんとマルガレーテちゃんは睡眠もとってください」
水を配りながらシャルロッテが言う。
確かに、休めるときに休んでおくべきだ。
「マルガレーテの王子様、あたしが温めますから、さあ、ここに!!」
「何を温める気だ?!」
シャドウ・バインドが使えないのが惜しい。
「もう、マルガレーテの王子様ったら、恥ずかしがりやさんなんですからー」
くねくね動くな。あと、絶対にこれは恥ずかしいとかそんな問題じゃない。
大きく嘆息すると、アリスたちの方を向く。アリスはMとナスターシヤと一緒に蝙蝠系のモンスターを一方的にヤっていた。どうやら、剣技の練習をしているようだ。ナスターシヤは素手で殴っているけれど。
「しっかし、こいつらの生息の仕方は変だよな」
ぽつりと俺が呟くと、シャルロッテとマルガレーテが、物凄い速さでひっついてきた。よくはないが、マルガレーテがひっつくのはいつもなので気にしないが、シャルロッテには驚く。
「クラウディオさんも気がつきましたよね?!」
「何にだ?こいつらの住処の配置がトラップのようだとは思ったが?」
「「それです!!」」
シャルロッテとマルガレーテがハモる。実はこいつら、結構息ぴったりだ。
「やっぱり、クラウディオさんも人為的だと思いますか?」
「まあ、こいつらがこんな場所に住んでるのを見るとな」
物理攻撃に弱いスキル特化のモンスターがスキル無効地帯に住むのが不自然なのだ。更に、状態異常耐性まで持った上で、こいつらがこの辺りに住むメリットは殆どない。
「って、コレ作った奴がいて、更に転送した奴がいるんだよな」
「はい、これが人工物ならそうなりますね」
シャルロッテが頷く。
「そもそも、こんなのを生成するにしても、転送するにしても一人じゃないだろ?」
「どちらにしろ人数が要ったはずです」
生成云々に関しては、カース・ガイドでも辿れないので想像だ。しかし、迷宮が人工的に作られた可能性はかなり高いはずだ。
「どの道、ヴェントで調べるしかないか」
「転送元が分かればその辺りも調べられますしね」
俺は良いが、こいつらが熟練者認定受けなければ始まらない。
「まあ、今はマッピングしながら、モンスター調査とボス撃破か」
「普通それPT単位で分担するんですけどね」
マルガレーテの一言は聞かなかったことにする。PTを組むのが始めての奴が、他PTと共同戦線張れるわけがない。
その後、俺とマルガレーテは仮眠を取り、起きたところで軽食を取った。軽食というか、シャルロッテが大量生産した冷凍ダズル・キャンサーの丸焼きだった。本人に確認したところ、ありえない量の冷凍ダズル・キャンサーを作ったようだが、お前、それ、どこに収納しているんだ。俺が、シャルロッテの道具袋をガン見してしまったのは仕方がないことだった。




