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闇属性僧侶のあんまり平穏じゃない日常  作者: 水可木
三章 迷宮と一つの謎
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 先制でシャドウ・バインドをかける。だが、かなり縛耐性が高いのか、すぐに解けてしまう。

 すぐに闇属性スキルのフィアーをかける。こちらは耐性がないのか、スカルのようなモンスターは立ち尽くしたまま動けなくなった。

 このチャンスに、ひたすら状態異常をかけまくる。うっかりヴェノムをかけそうになったりもしたが、ダメージを与えない状態異常は一通りかけた。

 現段階で分かったのは、<恐怖>以外の耐性があるということだった。よりにもよって、その外見なのに、なんで恐怖耐性がないんだ。お前、スカルやめろと思った俺は正しい。

「っと、ヴェノムも耐性高いな」

 ためしにとかけた、猛毒効果のある俺のヴェノムは、すぐに解ける。ダメージも瀕死になったとはいえ、当社比としてはイマイチな効きだ。

「マルガレーテ、こいつに投擲とうてきしてみてくれ」

「はいはいはい!!」

 いらえと同時に、バシュっと猛スピードでクナイが飛んできた。そこは土属性の正確さで、スカルっぽいモンスターに直撃する。

「物理無効か」

 物理ダメージが全く入っていなかった。あれだ、攻撃を受ける肉体がないからだろう。

「刻む場所がないもんね。骨が動かせるって何属性かな?」

「属性関係あんのか、ソレ?!」

 俺と同じ結論のアリスが背後でのんびりのたまうが、論点がおかしい。最大の問題はアリス自体は通常運転だということだろう。むしろ、問題しかなかった。

「あ、マルガレーテの王子様、スカル系統は大抵土属性ですよー」

 ヒュンとマルガレーテは風属性スキルのウィンド・カッターを使い、続けて土属性スキルのロック・ショットを使った。どちらも初期レベルの熟練度のため、ほとんどダメージが入らないが、ウィンド・カッターの方が効いている。

「闇と土だな」

 ある程度情報が揃ったところで、ドレインを使わせてもらう。吸収具合からして、HPも高くないようだ。これで、俺のヴェノムを耐えたのだから、状態異常特化と言っても良いだろう。

 仕留めたので、三叉路に残して来たシャルロッテたちを呼ぶ。

「スカル系の屍ってシュールですよね」

 シャルロッテは開口一番そう言うと、メキメキと素材になると思われそうな部位を剥ぐ。とは言え、そこはスカルなので、骨しかない。

「……投擲」

 ふと、ナスターシヤが頭部を拾うと、豪速球を投げた。

 ガゴォ、バキャなどと不吉な音を立てながら、水晶の壁に穴があいた。だれだ、この子にこんな技を教えたのは。考えるまでもなくマルガレーテだろうけど。

「ナスターシヤ、破壊は“まだ”やめてくれ」

「……目印、消えたら意味ない。これなら、消えない」

「クラウディオさん、マッピングするのに目印欲しいですし、行動としては間違ってないと思いますよ」

「行動は正しいけど、手段が大問題だろうが」

「それはそうですね」

 天然怖い。

 どうしたものかと考えていると、Mが深呼吸している。嫌な予感しかしない。それも悪寒がともなう。

「はぁあああああああっ!!」

 ドガァっと、ナスターシヤが空けた穴の側に殴りかかってくれた。

 ボロボロと壁が崩れる。

「新しい道を見つけたよ!!」

「見つけたんじゃんじゃなくて、今そこで作っただろう!!」

 Mのドヤ顔がイラっとくる。

「耐久は大丈夫そうですよー!!」

 さらっと壁を調べていたマルガレーテが言う。結構、朗報だ。

「あまり、間隔をつめなければ、大丈夫そうですね。目印」

「……頑張る」

「もう、任せる」

 崩れなければ、穴くらいは良い。

「Mとマルガレーテ、近道は最終手段だからな。あと、アリスにも言っとく」

「「「はーい」」」

 返事だけは良い。ほんとに返事だけは。

 更に調べるべく、奥に向かう。当然、Mのあけた近道は無視をした。


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