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闇属性僧侶のあんまり平穏じゃない日常  作者: 水可木
三章 迷宮と一つの謎
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 ここのボスは大蟷螂(かまきり)系のスリト・マンティスだ。カマキリのクセに、デス・スコーピオンよりもでかい。ただし、所詮は蟷螂なので、耐久はダーク・ドラゴンほどには高くはない。とは言え、比較対象の耐久が、迷宮内のボス配置のバランス崩壊レベルなので、別に紙耐久でもなかったりする。

 俺もアリスも何度か撃破済みなので、二人でボコりに行く。

 ボス部屋に入るや俺がシャドウ・バインドで動けなくした後、アリスは連続切りで蟷螂の微塵切りを製作していく。せめて、乱切りくらいにして欲しいものである。

「この何考えてるか分からない目が、なんか嫌なんだよね!!」

「だから、刻むな!!」

 スリト・マンティスのつぶらな瞳(無機質)を容赦なく狙いまくりながらアリスが愚痴る。もっと酷い惨状は気にならないんだろうか。

 地味に縛耐性があるため、俺はひたすらシャドウ・バインドをかけつづける。

 ほぼ動かない俺と、動けないスリト・マンティスを他所に、ひたすら滅多切りするアリスは結構シュールだったりするが、見物人なんぞいないので気にしない。

 暫く、一方的にアリスがきり続けていると、とうとうスリト・マンティスがたおれる。

 当然ながら、拾える素材なんぞない。それだけではなく、ナスターシヤの情操教育に果てしなく害悪なグロイ物体と化している。

 さすがにやばいので、シャルロッテにファントム・ミストをかけてもらって、ボス部屋を突っ切る。

 樹海を抜けると、水晶の洞窟になる。透明度が高いのか、スケルトンのトンネルのようだ。ぶっちゃけ、日光が入るので、樹海よりも明るい。

「こっからは、俺が先頭を歩く。絶対に、同じ場所を歩け」

 この辺りから未踏破部分がグンと増えるのは、この洞窟の床が滑るからだ。下手に動くと帰ってこれなくなる。

 判明している場所を辿たどって、不明箇所に続く三叉路へ向かう。

「マルガレーテ、アース・プローブを頼む」

「おやすい御用です!!右側に、おそらく中ボスクラスの何かが潜んでいます!!」

「分かった。シャルロッテ、マッピングを頼む!Mはナスターシヤを気にかけてくれ!アリスとマルガレーテは、俺と一緒に右側に行くぞ!!」

「マッピングですね。分かりました」

「ああ、こっちはまかせな!」

「どんなモンスターかな?」

「マルガレーテの王子様とあたしは一蓮托生じゃないですか。今更、一緒にだなんて、再確認しなくったて、もうずぅううっと、ついていきます!!」

 最後の一名の発言が、突っ込みどころしかないが、慣れは恐ろしいもので、スルーすることができた。

 右側を三人で滑り進むと、足場があったので、一度止まる。

 奥を見れば、スカルの一種と思われるモンスターが昼寝をしていた。

 ぐでーと寝そべる姿はまるで、ただの屍のようだ。つか、こんなくつろいでダラダラした奴が中ボスは嫌だ。

「あれです」

 小声で、マルガレーテが言う。大丈夫だ、まだ中ボスと決まった訳じゃない。

「イビキかいてるケドさ、骸骨がどうやってイビキかくんだろう?」

「それを考えるなら、呼吸しているところから、突っ込んで考えるべきだろうな」

 ひそひそと話し合う。

 ただ、情報がないので、どんな耐性を持って、どんな攻撃をしてくるのか未知数すぎて、下手に手を出せない。

「俺が、行くから、お前らはここで様子見をしろ。特にマルガレーテは、あいつの攻撃パターンを観察してくれ」

「クロ助、がんばれ」

「はいはいはい!!マルガレーテの王子様の活躍をもらさず記録します!!」

 とりあえず、いかなければ何も始まらないので、俺は単独、スカルのモンスターに襲い掛かった。

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