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闇属性僧侶のあんまり平穏じゃない日常  作者: 水可木
九章 迷宮と彼らの運命
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 プリちゃんが持ってきた風俗関連の商取引の記録は、はっきり言って読みやすかった。

 その手の単語は、死語になれば隠語として使うため、古語のままでも普通に読めた。

 多分、プリちゃん的に気を使ったんだろうが、内容が内容なので年頃の少女たちに読ませるのは、ためらわれる。マルガレーテあたりは、日頃からイロイロやばいので、今更感はあるけれども。

 しかし、俺の気を知らないヤツらは、しれっと顔色も変えずに、卑猥な単語が並ぶ書類を読みやがった。Mだけは顔を真っ赤ににていたが、ガチムチ兄貴系女子の赤面は可愛いよりも恐怖が勝る。

「ウダール・モールニの主要産業が風俗というのは盲点でした」

 読み終わったシャルロッテが、嘆息しながらそう言った。

 俺も思ったことだった。

 確かに、ウダール・モールニの住人が命がけで此方に来るのは、食料事情などから、察せられたのだが、此方側からウダール・モールニまで行く理由は考えつかなかった。

「でも、よく考えたら、ソレ以外にないんですよねー」

 シャルロッテの後に続いたのはマルガレーテだった。

 人口が多いわけでもない場所に、頻繁に行き来するには、やはり、それなりの理由があったのだ。

「そうだな。だが、命がけの馬車ツアーとか、どれだけ飢えてるんだって感じだよな」

 今もフォレボワには半殺し覚悟の歓楽街巡り馬車ツアーがあるが、まさかの「こんな歴史が存在していたとは」状態だ。

「クラウディオさん。寒冷地ですから、脂肪を蓄える固体が生き残るんですよ。そうです、ナスターシヤちゃん?」

 俺の感想を聞いたシャルロッテがナスターシヤに話を振った。因みに、ナスターシヤの情操教育は諦めの境地だったりする。多分、取り返しがつかないくらいに、イロイロ知っている気がする。

「……最低でも、これくらい」

 ずいっと、ナスターシヤが出したのは、際どいけれども、ギリギリ服を来た女性が描かれた本だった。どこで、入手したんだというか、これ与えたのはプリちゃんだろうというか、あの藁人形燃やしてやろうかではなくて。

 ナスターシヤが見せてきた女性ははっきり言って、たゆんたゆんのむっちむちだった。ばいんだとかの擬音がつきそうなイイ体つきは、これ程ならば、まあ、命がけも理解できると思ってしまうモノだった。

「マルガレーテの王子様、あたし頑張ります!!」

「マルガレーテちゃん、この手のことは遺伝なので、大丈夫ですよ!!」

 蔑まれるよりは良いが、この反応も居た堪れないものがある。

「ってことは、ナっちゃんも大きくなったら、こうなるんだ!!」

「……それは、もちろん」

 アリスの空気を読まない発言に、ナスターシヤが無表情のドヤ顔で俺を見てきた。毒されすぎてしまったらしい。

「マルガレーテの王子様、良かったですね!!」

 マルガレーテの発言で、俺はその場に突っ伏した。

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