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闇属性僧侶のあんまり平穏じゃない日常  作者: 水可木
八章 迷宮と新手の試練
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 食事を終えると、ナスターシヤに質問を開始する。

 一応、俺の両親に貰った本も読んでみたが「この先はキミの目で確かめて欲しい」だった。

「ナスターシヤ、この街道に宿屋があったりしたか?」

 俺が訊ねると、ナスターシヤは思案しだす。

 ちなみに、アリスとMは腹いっぱいになって爆睡中だ。ヒヨコが起きるまで仮眠を取ったはずだが、普通に寝やがった。

「……あるにはあった。けど、無人」

 その返答に、思わずガッツポーズをしてしまうのは、懸念事項が消えたからだ。

「無人って、管理はどうされていたんですか?」

 俺の隣にいるシャルロッテが問いかける。尚、シャルロッテとは反対側の隣にマルガレーテ、正面にナスターシヤといった位置関係だ。

「……商隊の駐屯地みたいなもの。落盤があるから、人が住めない」

 ナスターシヤの答えに、俺たち三人は頷きあってしまう。

「ってことは、氷室も無理か」

「……貯蔵にも向かない。そもそも、地熱ある。洞窟内のが温かい」

 環境変化で寒くなった可能性もあるが、あの鍾乳洞空間はかなり北側にあると見てもいいかもしれない。

「そうそう、ナスターシヤちゃん!!この迷宮って、ウダール・モールニまで繋がってたりしないかな?」

 ふと、マルガレーテが言い出す。

「……可能性はある。あの変態……お兄ちゃんに聞いたほうがいい。唯一の取り得」

「……そ、そうか」

 唐突に飛び出た毒に対してはスルーする。プリヘーリヤの変人具合には触れない方が、精神的に安全だ。

「まあ、一回町に戻るか。プリヘーリヤの返事のこともあるし」

「そうですね。私も一旦ギルドに寄りたいです」

「……ヒヨコ」

 帰ることで話がまとまっていたのだが、ナスターシヤが俺のローブを握りしめて、上目遣いに訴えかけてくる。相変わらずの無表情には「巨大ヒヨコと遊びたい」と書いてあった。表情筋が仕事放棄しているにもかかわらず、読めてしまう。

「アリスとMも寝てるし、少しなら見てくるか。マルガレーテもシャルロッテも仮眠しかとってないだろ?俺とプリちゃんがいれば大丈夫だろうから、休んでてもいいぞ」

「そうですね。クラウディオさんのお言葉に甘えます」

「あたしは、5ラウンドくらいいけますから、ご一緒します!!」

 おい、一名、ナニを5ラウンドやらかすつもりだ。怖くて聞かないが。

 しかし、ふざけた返答の割りには、マップを準備していたりするので、おそらく巨大ヒヨコの移動範囲だとか調べるつもりなのだろう。ヒヨコの移動範囲については、普通に欲しい情報なので、マルガレーテに任せることにする。

「じゃあ、俺とマルガレーテとナスターシヤ、ついでにプリちゃんでヒヨコのとこ行って来る」

「はい。留守は任せてください」

「絶対に休んでろよ?!」

 シャルロッテに任せたら、冷凍食品の悲劇パートnのお知らせである。

 俺とマルガレーテが念を押して出発したのは言うまでもない。

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