表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇属性僧侶のあんまり平穏じゃない日常  作者: 水可木
八章 迷宮と新手の試練
103/130

103

 俺とマルガレーテは、飛び入り参加のヴェント・ギルドの受付嬢に賭けることにした。

 勿論、負け狙いである。

「お、嬢ちゃんたちは、アンジェリカちゃんか!!」

「あの、女を捨てているとしか思えない食いっぷりは、賭けたくなるよな!!」

 露骨な負け狙いと思われることを警戒していたが、どうやらそんな心配をしなくても良いらしい。

 それにしても、おっさんたちから「女を捨てている」評価の受付嬢はイロイロ手遅れすぎだ。

「アンジェリカちゃんの意地汚さは、ヴェントでも右に出る者はないからなぁ」

「強敵ですね」

 俺たちの負け狙いを、一番悟られたくなかったシャルロッテは周囲の評価を聞いて、納得してくれたようだ。これで、あとは、アリスが全力で頑張ってくれれば、冷凍食品を減らすことが出来る。

 そうこう眺めているうちに、最初から参加していたMが食べ終わっていた。食べた重量を競うので、総計が出ているが、現在、Mがぶっちぎりの一位である。

「ふう、あたい、もう食べられないよ」

「よく食えるな」

 満足そうな顔でMが合流してくる。

「お、赤髪のねえちゃん!!よく食ったな!!」

「こりゃあ、オレらの総取りだな!!」

「いや、あの金髪のねえちゃんと、アンジェリカちゃんだぞ?!」

 わいわい騒ぐ周囲に、Mがきょとんとしていたので、賭け事をしていることを伝えた。

「面白いことしていたんだね!!あたいは勿論、あたいに賭けるよ!!」

「お、ノリがいいねぇ!!」

 基本的に賭博も好きっぽいMは、嬉々として参加し出す。勿論、現金での参加だ。これ、後でアリスも現金参加するんだろうな。

「マルガレーテの王子様、Mさんなら勝てそうですよね!!」

 ひょこっと、マルガレーテが言ってくる。確かに、Mならアリスに勝ちそうで、俺たちはMに賭けなかったのだ。

「Mが勝ってたら、現金収入か」

 食費が浮くと考えてしまう辺り、アリスとMのエンゲル係数爆上げは洒落になっていないかもしれない。しかも、大量生産癖で、シャルロッテも貢献しているあたり、本当に真剣に考えないと危ないかもしれない。

 それにしても、よく考えると、Mが勝った場合、俺たちとナスターシヤたちの賭け分の冷凍食品がはけるのでイイコトずくめである。

「M、勝ってるといいな!!」

 思わず、言ってしまったのは自然の流れだ。

「ケロの字ったら、その、なんだい!!恥ずかしい!!」

 何故か照れたMにバシバシ背中を叩かれた。

 人知れず瀕死になりながらも火属性の容赦ない攻撃に耐えた俺は、絶対によく頑張った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ