彼と彼女がさようなら
いつも駄文でスイマセン…。
見て下さると嬉しいです。ハイ。
いつもの朝より、少しだけ気持ち良く起きれた日。
ボロっちぃアパート、『松中荘』の一室を借りている彼はまだ開けきっていない目蓋をそのままにして、目をこする。
そして「朝か…。」と呟くと布団から上半身を起こし、ゆっくりと腕を伸ばす。布団から出ると、布団をたたみ、押し入れに押し込めた。
ふと、カレンダーを見ると、今日、戦歴三年五月二十一日には花丸のマークが付いていた。それを見た彼は口の端を上げ、ニヤニヤと笑う。そう、この日は彼にとってお祝いとなる大切な日なのだ。
っと言っても、彼の付き合い始めた彼女との初登校をするだけなのだが、彼にとってはとても嬉しく、少し緊張する出来事なのだ。
胸の鼓動が高まるのを無視し、朝食を作ろうと台所へと向かった時だった。
ピンポーン
玄関に付いているベルが鳴り、更に鼓動が胸を早く打つのを覚え、緊張する。はいはいと言いながら玄関へと向かい、扉の前で止まる。一つ、二つ深呼吸をしてドアノブを握ると、一気に回してドアを開けた。
「おはよ――――」
朝の挨拶をしようとしたが、途中で止めてしまった。
彼の前に居たのは彼の恋人ではなく、軍帽をかぶり、ピッシリと整えている軍服を着こなした、軍人だった。軍人がこういった人の家へとわざわざ赴く場合というのは少ない。彼は、この軍人が何をしにここへ来たのかが分かった。分かってしまったのだ。すると、目の前にいる軍人がわきに挟んでいた賞状のような大きさの紙を差し出し、こう言った。
「おめでとう、ございますっ。」
と。その軍人の斜め後ろには涙を溢さぬよう、必死に笑顔を作ろうとしている彼の恋人がいた。彼は目線を彼女から賞状みたいな紙へと移す。彼に向けて差し出された紙には、要約するとこう書かれていた。
『 波佐間 拓斗
上の者を軍人とし、国のため、ひいては陛下のために参戦させる。
戦歴三年 五月 二十一日 山田 正治 』
「……精一杯、お国のために、戦います……ありがとう、ございました……。」
彼の戦いの日々が始まり、彼女との初登校という祝福の日は、来なかった。
誤字脱字誤文等がありましたら、出来れば報告をして下さい。お願いします。
その後、作者を大粛清しないといけないので…。(ガクブルガクブル)