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『マイ・レッグス』凍てついた世界で、君だけが僕の足だった  作者: Aditya Kushwaha


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死んだ重り(デッド・ウェイト)

「動け!」  僕は叫んだ。  声が尖った岩に反響し、誰もいない凍てついた谷に跳ね返った 。


「動けよ、くそっ! 動け!」  僕は太ももを殴りつけた。拳の節が白くなり、あざができるまで叩いた。  手は痛かった。だが、足は? 何も感じない 。  砂袋を殴っているような感覚だった。死んだ丸太を叩いているようだった。


 パニックとは冷たいものだ。胃のあたりから始まり、胸へと広がり、息ができなくなるまで心臓を締め上げる 。  僕は泥と氷泥スラッシュの中に横たわり、体の半分はずぶ濡れだった。冷たい風が再び強まり、露出した肌に噛みついてくる。  本能的に分かった。この地面に居続けたら、寒さに殺される 。



 だが、起き上がれない。  十六年間、僕は「動くこと」で自分を定義してきた。僕はアクシュだ。ランナーだ。クライマーだ。風と競争する少年だ 。  それが今や、後ろに死体を引きずっているだけの頭と胸に過ぎない。  僕の足は、まるで腰にくっついた死体のように感じられた。「死んだ重り(デッド・ウェイト)」だ 。



 這おうとした。凍りつく泥に指を食い込ませ、引いた。数インチ引きずった。そしてまた数インチ。呼吸はボロボロの嗚咽に変わっていた 。


「無理だ……」  冷たい石に額を押し付け、僕は囁いた。 「僕には……できない」


 熱く怒りに満ちた涙が溢れ、顔の泥と混ざり合った。痛みで泣いているのではない。無力さが悔しいのだ。僕は重荷だ。この過酷で凍てついた世界では、歩けない者はすでに死んでいるも同然だ 。


「ごめん、メグ」僕は泥に向かって啜り泣いた。「お前は行け。走れ。僕は……もう終わりだ」 。


 蹄が遠ざかっていく音を待った。彼が僕を霜の中に置き去りにするのを待った。  だが、その音はしなかった。  代わりに、首筋に暖かい息を感じた 。


 見上げると、メグが真上に立っていた。この角度から見ると巨大だった。灰色の空を遮る黒い山のようだった。  彼は地平線を見ていなかった。草を探してもいなかった。僕を見ていた 。  その大きく黒い瞳には、奇妙な知性が宿っていた。憐れんでいるのではない。苛立っていた。  彼は鼻で僕の肩を強く突いた。それは「押し」だった。  起きろ、と 。



「できないんだ、相棒」僕は声を詰まらせ、役立たずの足を指差した。「足が……動かないんだよ」 。


 メグは鼻を鳴らし、蹄で地面を踏み鳴らした。言い訳などどうでもいいと言わんばかりに。  そして、彼はそれまで見たこともない行動をとった。


 通常、馬が立っている姿は誇り高いものだ。逆に、横たわる姿は無防備だ。野生の世界で馬が横たわることは、襲われる危険を意味する 。  だがメグは、ゆっくりと慎重に前膝を曲げた。そして後ろ足を下ろした。腹が地面に押し付けられるまで、冷たく濡れた岩の上に身を沈めたのだ 。  彼は首を回し、僕を見た。僕が横たわっているすぐ隣に、完璧な位置取りで体を寄せていた。  彼は自分を差し出していた。僕が立ち上がれるように、自らを低くしたのだ 。




 僕は彼を見つめた。心が痛くなるほどの強い愛情で胸が張り裂けそうだった。  彼は理解していたのだ。僕が立てないことを知っていたから、彼自身が僕のための「地面」になったのだ 。


 泥だらけの手で顔を拭った。 「分かった」僕は囁いた。「分かったよ」


 歯を食いしばり、手を伸ばして彼の分厚い黒いたてがみを掴んだ。  戦いだった。蹴り上げる足がないため、腕の力だけで登らなければならない。  呻き声を上げ、重い体を引き上げた。まるで石の詰まった袋のようだった。足が無様にぶら下がり、彼の脇腹にぶつかる 。  無様で、不格好だった。だが僕は止まらなかった。  肘を使って這い上がり、広い背中の上で上体を起こした。不安定だった。ぐらつき、落ちそうになる。僕はすぐにたてがみに指を絡ませ、命綱のように握りしめた 。



「乗ったぞ」僕はあえいだ。


 メグは僕の重みが落ち着いたのを感じると、力を込めて唸り、体を押し上げた。  前足、そして後ろ足。  彼が立ち上がると共に、僕も立ち上がった 。


 突然、僕はもう地面にいなかった。泥の中を這っていなかった。高さ六フィートの空中にいた。  僕は再び、背が高くなった 。


 あたりを見渡した。ここからの景色は違った。湖も、岩も、遠くの廃墟も見渡せる。  下で動く彼の筋肉の力強さを感じた。


 僕は自分の足を見下ろした。黒い毛皮に力なくぶら下がっている。  次に彼の足を見た――四本の強靭な足が、大地をしっかりと踏みしめていた 。


 その時、僕は悟った。  氷は僕の足を奪った。そうだ。だがその代わり、僕に彼の足をくれたのだ。


 僕は前かがみになり、暖かい首に胸を押し付けた。粗い毛並みに顔を埋める。


「君は僕の力だ、メグ」  風に消えるほどの声で、僕は囁いた。 「これからは……君が僕の足だ」


 メグは鋭くいななき、その声を凍った湖に響き渡らせた。  彼は頭を西へ向けた。僕たちの古い家、廃墟の方角だ。  命令など待たなかった。彼は歩き出した 。

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