風と共に駆ける少年
苦しい時、時間はゆっくりと流れると言うが、幸せな時、時間は飛ぶように過ぎ去る。 僕の人生の最初の十六年間、時間はただ飛んだだけじゃない――疾走していた 。
シカルプールでの育ちは、普通の子供にとっては過酷そのものだ。寒さは、決して離れてくれない「いじめっ子」のようなものだった 。 頬をつねり、足の指を凍らせる。ほとんどの子供たちは、分厚い羊毛にくるまり、暖炉のそばで木の玩具で遊びながら家の中にこもっていた 。 けれど、僕は普通の子供ではなかった。そしてメグも、普通の馬ではなかった 。
他の子供たちが母親の手を握って歩くことを覚える頃、僕はたてがみを掴んで走ることを覚えた 。
六歳の朝のことを鮮明に覚えている 。 太陽が昇り、白い雪を淡いピンク色に染めていた。空気があまりに冷たく、水を撒けば地面に落ちる前に氷に変わってしまうほどの日だった 。
「アクシュ! ブーツを履きなさい!」 母が小屋の入り口から叫んだ 。 僕は聞かなかった。いつだって聞かなかった 。 僕は裸足だった。小さな足が、凍りついた硬い地面を叩く。まるで何千本もの小さな針で皮膚を刺されるような痛みがあったが、僕はそれが好きだった 。大地との繋がりを、すべてを感じたかったのだ 。
「捕まえてごらん!」 僕の声が谷にこだまする 。 隣には黒い影が動いていた。メグだ 。 彼はまだ若く、足はひょろりと長かったが、すでに速かった。鞍も手綱も着けていない 。かつて父ダクシュがロープを付けようとした時、メグは厩舎の壁を蹴り倒しそうになったことがある。馬商人の言った通り、彼は「ジャングリ(野生)」だった 。 だが、僕と一緒の時だけは違った 。
僕たちは凍った平原を全力で走った。白い息が荒く吐き出される。メグは僕のペースに完璧に合わせていた 。僕が速度を落とせば彼も落とし、僕が加速すれば、彼は鼻を鳴らしてさらに強く地面を蹴った 。 僕たちは少年とペットではない。二匹の群れ(パック)だった 。
右を見ると、メグの大きな黒い瞳が僕を見つめ返していた 。彼の体から発散される熱が、僕たちの間の凍てつく空気を温めるのを感じた 。 肺が焼けつき、足がゼリーのようになるまで走った 。
僕の足。 それを見下ろしたのを覚えている。強かった。岩を越え、氷を越え、深い雪の吹きだまりさえも運んでくれた 。 僕は自分の足を誇りに思っていた。筋肉が引き締まり、足が地面を蹴り出す感覚を愛していた 。 僕は力強く、そして自由だった 。
年月が経つにつれ、僕たちの絆は深まるばかりだった。ただ一緒に走るだけではない。共に生きていた 。 村の人々は僕たちについて噂し合った。人間よりも獣と多くの時間を過ごす少年を奇妙に思ったのだ 。
「あの馬は危険だ」と、近所の人が父に言ったことがある。「目に悪魔が宿っている」 。 父はただ微笑んで答えた。「悪魔じゃない。魂が宿っているんだ」 。
夜になると、シカルプールの気温は火さえも震えるほど下がった 。風は飢えた幽霊のように外で唸りを上げた 。 そんな長い冬の夜、僕はベッドで寝なかった。暖炉のそばの床で寝た 。 メグは――完全に安全だと感じない限り馬はめったにしないことだが――横になった 。彼はその巨大な体を丸め、僕を守るような「C」の字を作った 。 僕はそのお腹のカーブに這い込み、彼の暖かい脇腹に頭を乗せた 。
彼の心臓の音が聞こえた。ドクン、ドクン。ドクン、ドクン。 それはゆっくりとした力強いリズムで、僕を眠りへと誘った 。 彼の粗い毛は頬にチクチクとしたが、干し草と雪の匂いがした 。それは世界で一番いい匂いだった 。 時折、寒さに飲み込まれる悪夢を見ることもあったが、メグが寝返りを打ち、重いため息をつくと、その体温が悪夢を追い払ってくれた 。
ずっとこんな日々が続くと思っていた。僕はいつまでも「風と共に駆ける少年」でいられると思っていた 。
時は一気に飛び、僕は十六歳になった 。 もはや小さな子供ではない。背が高く、引き締まり、強かった 。 僕の足は、村の周りの険しい斜面を何年も登り続けたことで、力強く鍛え上げられていた 。 メグも変わった。ひょろりとした子馬はもういない 。彼は筋肉と黒い毛の塔とも言うべき、壮大な生き物になっていた 。たてがみは長く伸び、手懐けられることなく、黒い炎のように顔の周りで波打っていた 。
ある午後、僕たちは高い崖の端に立っていた 。 これまで以上に高く登った場所だ。シカルプールの村が、遥か下の方で小さな小石の集まりのように見えた 。 ここから見ると、世界は平和だった。地平線は果てしなく広がり、白い山々が灰色の空と交わっていた 。
僕はメグの隣に立ち、彼の首に手を置いた。二人で地平線を見つめた 。
「見ろよ、メグ」と僕は囁いた。「いつか、この谷を出よう。雪が終わって草が始まる場所まで走るんだ。世界中を見て回ろう」 。 メグは鼻を鳴らし、同意するように蹄を踏み鳴らした 。
僕は無敵だと感じていた。若さがあり、力があり、親友がいた 。 世界が脆いものだとは知らなかった。足元の氷が、たった一つの過ちを待ち構えているなんて、知りもしなかった 。
僕はもう一度、自分の足を見た。滑りやすい岩の上でバランスを取っているその足を、誇らしく思った 。 あの崖の上に堂々と立つのが、それが最後になるなんて知らずに 。
風がいつもより鋭く吹き荒れた。それは警告を囁いているようだったが、僕は若すぎて、そして誇り高すぎて、耳を貸さなかった 。
「行こう」僕はメグの横腹を叩いた。「もっと高くへ」 。




