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『マイ・レッグス』凍てついた世界で、君だけが僕の足だった  作者: Aditya Kushwaha


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錆びついた刃

メグが足を引きずっていた。  一歩ごとに体が強張るのが、鞍を通して伝わってくる。凍った地面に蹄が触れるたび、彼の左肩がわずかに下がるのを感じた 。


 ズシン。ガクッ。ズシン。ガクッ。


 それは痛みのリズムであり、その原因は僕だった 。


「止まろう」  風にかき消されそうな声で言った。 「メグ、頼むよ。降ろしてくれ。這って行くから」


 メグは無視した。刺すような強風に頭を下げ、歩き続けた。彼は止まれないことを知っていた。  僕たちは灰色の岩の尾根にいて、隠れる場所などどこにもない。ここで止まれば、日が沈む前に寒さが僕たちの命を奪うだろう 。


 だが、罪悪感は雪よりも重かった。足を脇腹に縛り付けている革のストラップを見た。  きつく、安全だ。僕を守ってくれている。だが同時に、それは彼を罠にかけているのだ 。  彼は死んだ半身を――歩けず、狩りもできず、走ることもできない男を運んでいる。  僕はただの寄生虫パラサイトだ、と苦々しく思った。彼の温もりを奪い、力を奪い、ただ重みだけを与えている 。



 太陽が地平線の下に沈み始め、空を紫と血のような赤の打撲色に染めた。影が長く伸び、僕たちを掴もうとする指のように見えた 。  その時、影が動いた。


 低い唸り声が始まった。ゾンビの乾いた音ではない。獣の、濡れた喉の奥から響く唸り声だ 。  メグが止まった。耳が頭蓋骨に張り付くほど後ろに倒れた。彼はその場で旋回し、蹄を石に打ち鳴らした 。



「なんだ?」手綱を握りしめて囁いた。


 岩陰から、一対の黄色い目が現れた。  次にもう一対。さらに三対。  狼だ。だが、古い物語に出てくる狼ではない。黙示録の怪物だ 。  毛皮はまだらで、皮膚病マンソンに冒され、凍傷でただれた皮膚が露出している。肋骨が浮き出ている。だが、その牙は……長く、黄色く、飢えで涎を垂らしていた 。  群れ(パック)だ。



「落ち着け」と囁いたが、手は震えていた。  一匹の狼が飛びかかってきた。


 メグは準備ができていた。足を引きずっていたにもかかわらず、彼は立ち上がり、前足で強烈な一撃を見舞った 。


 バキッ!


 空中で狼を捉え、頭蓋骨を粉砕して後ろへ吹き飛ばした。  だが着地した瞬間、痛めた足が崩れた。彼はよろめいた 。  それが合図だった。群れの残りが一斉に襲いかかってきた。


「メグ!」僕は叫んだ。  混沌カオスだった。唸る顎がメグのアキレス腱を狙う。爪が脇腹を切り裂く。メグは蹴り、噛みつき、彼らを遠ざけようと必死に回転した。黒い怒りの旋風だったが、数が多すぎた 。


 一匹がメグの右足に食らいついた。メグが叫んだ――心を引き裂くような、高く怯えた悲鳴だった。  別の狼が隙を見つけた。そいつはメグの足を狙わなかった。ジャンプしたのだ。  メグの背中、僕のすぐ後ろに飛び乗ってきた 。


 重い衝撃を感じた。首筋に、熱く臭い息がかかる。  獣が僕の喉を噛み切ろうと這い上がってくる爪が、メグの尻に食い込むのを感じた 。


 逃げられない。避けられない。足は縛られている。  だが、手は自由だ 。


「降りろッ!」  僕は吼えた。  思考しなかった。反応した。  革のストラップが悲鳴を上げるほど体をねじり、ベルトから錆びたナイフを抜き放った――何日も持ち歩いていた、あの役立たずの金属片だ 。


 狼が僕の顔に噛みつこうとした。鼻先数インチまで牙が迫る。  僕はナイフを突き出した 。  僕のフラストレーション、恐怖、そして兄弟への愛のすべてを、その一撃に込めた。


 ズブッ。


 刃は鋭くなかったが、勢いは十分だった。ナイフは狼の首深くに埋まった 。  熱い血が僕の手と顔に噴き出した。狼はキャンと鳴き、体が硬直した。僕は手を離さなかった。刃をねじり、野性的なときの声を上げた 。



「死ね! 彼に触るな!」


 死にゆく獣を後ろへ突き飛ばした。それはメグの尻から滑り落ち、濡れた音を立てて地面に落ちた 。  だが戦いは終わっていない。  メグはまだ囲まれていた。巨大なアルファ・ウルフが喉元に食らいつこうとしている。メグは疲弊し、よろめいていた 。



「僕は乗客じゃない!」  アドレナリンが血管を駆け巡る中、僕は叫んだ。 「僕は彼の相棒パートナーだ!」


 僕は鞍の左側へ、危険なほど大きく身を乗り出した。  右足のストラップが肉に食い込み、僕を宙吊りにした状態で支えてくれる 。  アルファがメグの首に飛びかかった瞬間、僕は腕を振り下ろした。


 ナイフで狼の鼻を横に切り裂いた。致命傷ではないが、深く切れた。  狼は驚きと痛みで悲鳴を上げ、後ずさりした 。  それが、メグに必要な隙を与えた。


 メグは突進し、狼の首筋を歯で噛みついた。そして布人形のように激しく振り回し、岩に叩きつけた 。


 残った狼たちは躊躇した。死んだ仲間を見た。  そして、この狂った馬と、背中に乗った血まみれの人間を見た。  割に合わないと判断したのだろう。低い鳴き声を上げ、影の中へと逃げ去っていった 。


 尾根に静寂が戻った。  僕は肩で息をしていた。手はナイフの柄を握りしめたまま痙攣している。顔は狼の血でベトベトだった 。


「メグ……」僕はあえいだ。「大丈夫か……?」


 メグは立って震えていた。噛まれた足から血が流れていたが、立っていた。  彼は頭を回して僕を見た。僕の血まみれの手の匂いを嗅いだ。怯えなかった。  彼は優しくいななき、鼻を鳴らした 。


 地面に転がる死んだ狼を見た――僕が殺した狼だ。  氷から目覚めて以来初めて、僕は自分が役立たずだとは感じなかった。錆びたナイフを見た。醜く、古いナイフ。だが、それが僕たちを救った。  僕と同じだ 。


「守ったぞ」  僕は身をかがめ、血まみれの額を彼の首に押し付けて囁いた。 「やっと……守れたんだ」


 メグが一歩踏み出した。足を引きずってはいたが、頭は高く上げていた。僕たちはボロボロで、血を流し、疲れ果てていた。  だが、生きている 。


 そして初めて、僕は本当に「二人で戦っている」と感じていた。

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