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第5章:【過去作からのリサイクル】:『千利休』・・・「わび茶」の天才、孤高の茶人の意地ここにあり!!

 ・・・冒頭まずは、


 ネットでの解説を引用し、紹介します。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 千利休せんのりきゅう 


 日本の茶人(1522-1591)


 千利休は、戦国時代から安土桃山時代にかけての茶人、商人。 わび茶の完成者として知られ、茶聖ちゃせいとも称せられる。また、今井宗久いまいそうきゅう津田宗及つだそうきゅうとともに茶湯ちゃとう天下三宗匠てんかさんそうしょうと称せられ、「利休七哲りきゅうしちてつ」に代表される数多くの弟子を抱えた。また、末吉孫左衛門すえよしまござえもんの親族である平野勘平衛利方ひらのかんべえととしかたと親しく交流があった。子孫は茶道さどう三千家さんせんけとして続いている。千利休は天下人てんかびと・豊臣秀吉の側近という一面もあり、豊臣秀吉が旧主・織田信長から継承した「御茶湯御政道おんちゃのゆごせいどう」の中で、多くの大名にも影響力をもった。しかし秀吉との関係に不和ふわが生じ始め、最期は切腹を命じられた。死に至った真相については諸説あり、定まっていない。


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 ・・・ぼくは昔、NHKの大河ドラマ『秀吉』を観ました。


 そこで描かれた『千利休』ですが、


 名俳優の仲代達矢なかだいたつやさん演じる、実に鬼気迫ききせまった・・・迫力あるものでしたね。


 豊臣秀吉を演じた、竹中直人たけなかなおとさんの演技も、これまた素晴らしいものでした。


 利休は、上の解説でも触れましたように、秀吉との関係をこじらせてしまい、大阪、さかいの自宅に蟄居ちっきょさせられてから二週間ほどたったある日・・・


 大阪城の秀吉から「切腹命令」が届き、三千人もの兵が包囲する中で最後の茶会を開き、その後、切腹して冥府めいふに旅立ちました。


 天正十九年(1591年)2月28日のことでした。


 NHKの大河ドラマの中では、静かに蟄居し、降りしきる雨の中、座敷で書をしたためる利休を、秀吉が訪問し、切腹命令をじきじきに利休本人に申し伝えるという設定になっております。


 こんエッセイでは、その様子を文章に書き起こし・・・


 謹んで、皆様にお届けしたいと思います。


 では、ごゆっくりとお楽しみ下さいまし。


 m(_ _)m


 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆


 秀吉:「・・・すげえ天気じゃのお! はっはっははははは。」


 利休:「殿下でんか・・・。よう来てくれはりましたなぁ・・・待ってましたんや。はははははは。」


 (両者、複雑な表情の笑顔どうしで、しばし見つめあい・・・そして、雨に打たれ、濡れたまま、秀吉が重い口を開きます)


 秀吉:「・・・切腹申しつけるものなり。」


 (縁側の板間に正座した利休が返答します)


 利休:「かたじけのうございます。」


 (しばしの無言のあと、両者は苦笑いし合います)


 「はははははは・・・。」


 秀吉:「(いっしょに縁側に腰かけながら)いかにもあなた様のごとき、その天才の最期にふさわしい天気であるな。」


 利休:「ありがたいことで。」


 秀吉:「利休の木像もくぞうを見過ごしていた。」


 利休:「は・・・?」


 秀吉:「・・・さとるものあり。傲慢ごうまんじゃったわ。何かに頭を下げることを忘れておった。昔はもっと、自分に謙虚であった。

 一粒の米、一滴の水。毎日毎日、ありがたいありがたいと思って生きていた。」


 利休:「・・・正直で。」


 秀吉:「(利休を見ながら)正直でのぉ。」


 (両者笑う)


 秀吉:「『天下人てんかびと』と呼ばれ、この世でテメエが一番エラいと思い・・・格好をつけ、

 反抗する千利休を、どう罰したらいいのか・・・どういたしたら、『関白かんぱく』の名に恥じんかと、くだらんことで悩んでいた。」


 利休:「・・・わたしの茶も、同じことでございます。」


 秀吉:「それは・・・?」


 利休:「むかし・・・小一郎こいちろう様(= 豊臣秀長)と、清洲きよすの露店で、茶碗をうたころの茶が、きっといちばん良い茶でございましたよ。無心むしんでのうて。」


 秀吉:「・・・無心でのうて。」


 (※)ここでいう「無心むし」とは、金や物を、人にねだること。


 秀吉:「・・・おこりたいときに、怒れんようになったら、おしまいじゃ。正直でのぉ。

 ・・・ジメジメしておったら、千利休の『覚悟の死』をけがしてしまうと悟ったわ。

 (利休を見つめながら)ここは・・・貴様を派手に殺してやらねば。」


 利休:「(笑顔で)ありがたき幸せでございます。

 ・・・それでこそ、『利休の茶』『利休の名』、末代まで・・・」


 秀吉:「(利休をキッとにらみながら)千利休の茶・・・末代まで伝わる・・・」


 利休:「(正座したまま、両手を板間につけ、こうべを垂れて)・・・ありがたき幸せでございます。」


 (ここで秀吉、険しい表情で立ち上がり、庭の木の、葉のついた枝のひとつをもぎり、利休に手渡す。利休、それを笑顔で、うやうやしく受け取る)


 秀吉:「・・・(利休の)首は、『利休像りきゅうぞう』の下に置く。・・・(見物客の)足で踏ませる。」


 利休:「どうぞ・・・御存分ごぞんぶんに。」


 (去ろうとする秀吉の背中に、利休が話しかける)


 利休:「・・・殿下。いつまでも、一服いっぷくの茶に、感謝なさる御心ごじんで。」


 秀吉:「・・・(振り返らずに)千利休は、忘れん。」


 (そんな秀吉を、正座したまま、悲しげな表情で利休は合掌し、見送ります)



 ナレーター:「・・・千利休は切腹し、その首は、『一条戻いちじょうもどばし』にさらされた。」



 利休の声:「人生七十じんせいしちじゅう 力囲希咄りきいきとつ 吾這寳剣わがこのほうけん 祖佛共殺そぶつともにころす ひっさぐ我得具わがえぐそく足の一太刀ひとたち 今此時いまこのときぞ天になげうつ」



 利休の声:「・・・秀吉はん。わしの『辞世じせい』や。命など放り出し、あの世で思う存分、茶を楽しむう意味や。

 ほんまにこの世では、いろんな茶を立てまして・・・はははは。

 『つらい茶』『なみだの茶』『ウソの茶』『うらみの茶』・・・いろんな茶を立てさせてもろて・・・。

 もう全部放り出して、自由に楽しいだけの茶をな。

 もう全部放り出して、自由に楽しいだけの茶をな・・・」


 (秀吉は、誰もいない暗くさびしい座敷で、一人で茶を立てながら、利休の最期の言葉を、うつろな表情で聞き入ります。ねたみ、憎しみを抱きつつも秀吉は・・・盟友の利休を失い、はじめて、彼の存在の大きさに気づいたのでしょう。)


 秀吉:「(座敷内に迷い込んだ猫に話しかけて)

 ・・・おい。おい。こちらへ来て、わしの茶を飲まんか。おい・・・わしの茶を飲まんか・・・おい・・・おい・・・」


 猫は去り、


 座敷に残されたのは、放心してがっくりと膝をつく、秀吉ただひとりのみでした・・・。

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