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鋼棘の茨道廻生記  作者: 北新徹夜
第一章 人化けしも夢現なりて
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第三話 内なる秘力

テシルが野蛮な大男に捕まっている一方で、トオルはコースタティアの闇市に出ていた


「おい、ここに出ているこの変な壺はなんだ お伽草に出てくるある種の魔法のあれか?」


「そんなもんじゃありやせんよ、旦那。これは永続的に使うことのできる改良版ですぜ

お値段なんと、50000ゲル!さあ、いかがですかな旦那」


いかにも怪しすぎる取引だがトオルの返答はいかに


「また出直そう」


「そうですかい、そりゃ残念ですぜ」


さすがのトオルも冷静な判断を下したようだ


どんどん見て回っていっていると、何やらあちら一帯が騒がしい


「これは、なんの騒ぎだ?」


野次に紛れてみると、あらよいと人身売買がされているようだ


「あれは天使の子供?みたところ捕まえられて売りさばかれてるってとこか、にしても神族はやはりまだ過去にさかのぼっても敵対視されているんだな」


神というのは、いつの時代になっても畏怖されたり忌み嫌われる存在である

勝手に作り上げられた逸話に勝手に怒りを覚える人達、いづれ裁きの鉄槌が下されるだろう


そんなものを見たトオルは見て見ぬふりをして人混みをかいくぐろうとする


「神と人と動物は相容れないか? 俺はそう思わない。でも助けてもやれない?そんなわけもない」


だがしかし、やはりトオルはすべてを冷静に楽観に見据えている、トオルは煙玉をとり、あたりの視界を覆い隠した


「もともとは解錠師やってたんでな、こんぐらいなことは余裕のちょいよ」


なんと驚きのこと、トオルは解錠師をやっていたようだ。

ワイルドなスキルと組み合わせ檻に近づき

天使の子が閉じ込められていた檻を開け、枷を取り、救出する


「、、」


天使の子は黙っている。目は虚無を見つめて、この世のどこにもいないような存在感を放っている


「お前、大丈夫か」


トオルがしゃべりかけても何も反応はない

仕方のないことだ、ここに至るまでのことで相当なことに当たってきたんだろう


「ここにいても仕方ない、移動するぞ」


トオルは人化の実を使い人になった

トオルの人化には能力付与として怪力+俊敏が追加される

その間およそ3分間である


トオルはちいさくみえるその子を抱いて、さっさとその場から離れた


走りながらトオルは聞く


「お前、名前、、そうか聞いてもわからないか。

ならお前の名前はクレアにしよう」


トオルはとっさに頭に浮かんだ名前をその子に名付けた


二人は市をでて人の気配のない場所まで来ていた


「そろそろ立てそうか?流石にもう堪えるぜ」


そういうと、元の姿に戻ってしまったトオル

サラは尻もちをついてしまった

だがしかし、なにも反応はない


「うーん、お前感情すらないのか」


流石に痛いはわかるだろうと思っていたトオルだが、意外とてこずりそうだ


「立てるか?」


「、、」


黙ったまま立ってはくれた


流石に言葉は通じるようだ


「よし、このままだとまずいから服を変えるぞ」


二人は服屋に行った、勿論金はないからその場で着替えたまま急いで店を出た


「いい感じだな、次は吾輩の仲間と合流するぞ」


仲間を探している二人、一方でテシルの状況は


「あの、通してください」


「だめだ、ここは交通料がいるんだ」


タル爆弾の大男はそう言う、しかしよく見てみると銀髪でポニーテール

サングラスをかけており、がめつい感じがさらに増した


「あんた、私の道を阻む気?邪魔すんなら力で無理やり!」


テシルは攻撃をする、しかし全く持って身を動じない大男


銀髪は反撃もせずただクールに余裕そうにテシルの攻撃を受けていた


「なんて硬さなの、でも私は体力が勝負!この硬さもいづれ削がれるはず!」


「やめときな、嬢ちゃん。俺は、マシンガンを半年撃たれ続けても無敵の鋼を誇った男だ」


男はそう言う、どうやらこの男のポテンシャルは鋼の肉体らしい


「あんた、覚えてなさいよ。いづれそこ、通るから!」


テシルはそう言ってその場を離れた


だがしかし、そんなはずもなく獣人族特有(?)のアビリティーを使って

神速をも超える瞬間的な速さで大男の脇間をかいくぐる


「やっと、抜けれた、、わ」


とっさに力尽きて倒れるテシル、力と同時に代償がぶり返す

それを見ていた大男は驚いている

研ぎ澄まされた敏捷性、比類なきその瞬発力を




「お前のその限界高度俺が超えさせてやろう」


倒れたテシルを抱き抱え、奥へと連れ去る大男


テシルの行方はいかに


第三話 終

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