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鋼棘の茨道廻生記  作者: 北新徹夜
第一章 人化けしも夢現なりて
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第十五話 輪廻の脱輪 一源光之懐光一

「、、キース、お前を期待していたが残念だ」


「お前には、娘などやらんぞ、、」


キースがフードを被った謎の男に劣勢のようだ


「あの娘か?もちろん後でさらっていくとしよう、まさかお前の娘の母親が18神のうちの一つだとはな、血統は遺伝するからな、弥勒の(みろくのて)はいずれ発現するだろう、いい研究材料だ」


「ぐぬぬ、、あいつにお前は無理だ、絶対に、それにそれは史実的に見て不可能だ、発現した例などないぞ」


「父上!こんなとこに、、今助けるよ!」


階上から来たテシル達がキーズを救い出そうとしている


「おい待てテシル、様子が変だ」


「そのようだな、、テシル、おまえの父は、もう助からんな」


「え、、どういうこと、、?」


セリスが衝撃の事実を告げると、テシルは涙ぐみそうになる


「おや、テシル、とセリス姉者も来たのか?、、テシル、いつになく可愛い子だ、、今年で何歳になったのだ?」


「ふっふっふ、お前がテシルなのか、ちょうどいい所に来たな」


獲物のようにテシルを見つめるフードの大男、しかしテシルはお構いなくキースのもとへ行った


「父上!もう18になるよ。全然あえてなかったけど夢で父上を見たんだ、苦労していてみんなのことを一大事にするところを、わからなくても感じたんだよ」


テシルがキースのそばにかけより、言葉をかける


「そうか、もうそんなになるのか、、なかなか会えなくてすまんな」


「そんなことはどうだっていい!、、腹の傷見せて!あいつに刺されたんでしょ!」


「褒めてやることもできずに、最後の最後まで孤独に戦ってきたテシルよ、、ほんとうに強くなったな、、こんなどんくさい父で、悪かったな」


「なんで勝手に終わらそうとするのよ、まだ持つでしょ!耐えてよ!」


テシルは酷く悲しんでいる、やっと会えたはずの父親は、無残に名残惜しくこの世から薄れ去っていくようだ


「もうやめい、テシル、、なあ、キース、最後にかける言葉としては悪いが、わたしはお前に迷惑をかけたことなどないからな、お前が間違えて思い込んでいたとして、それもわたしの偶像だったんだろうな、とにかくわたしは偏見が周囲に飛びつきやすいってことだ、キース、ほんとうに大事なものを見失ってからお前は多分精神的に追いやられていたんだろう、最後くらい、そんな思いつめずに、ゆっくり逝くがよい」


「すまんなセリス姉者、相変わらず長ったらしくてほとんど聞いていなかったが、姉弟として最後くらい看取ってくれないか」


キースは最後の力を振り絞り、言葉を出す


だんだんとテシルが抱えていた父親の体からは生気も力も抜けていき、もぬけの殻になった


(遠目から感じれるが、まだ生きてるな、、息と脈を殺している?演技か?なら乗るか)


トオルだけなにやら勘づいたようだ


キースはまだ生きているらしい


「お前も色々あったんだ、弟よ、いつも犬猿の仲だったな。」


「、、父上。」


テシルが最後の涙を一滴こぼすと、フードの男に集中する


「おばさん、あいつが、、あいつが父上を!」


するとテシルはフードの男めがけて神速の蹴りをかます


しかし男は止めるそぶりも見せることなくいつの間にかテシルを抱えていた


「!?、、離しなさいよ、この!、グヘッ」


「静かにしろ、お前にはたっぷり調べたいことがあるんだ」


テシルに手刀を頸神経に当て失神させる


とたん、オロイが助けに来る


「おい、テシルを放せーい!」


「ゴリラか、、派手な生き物もいるもんだな、、、!?わたしの攻撃が通らない!」


「ふはっ、俺の体質なもんでな、呪力と魔力は相殺できるんだ」


どうやらオロイ、特異的な体質だったようだ


(ん?妙に体術しかしないと思ったら呪力と魔力が体にないのか、、それなら乱れないな)


「おい、トオルも手伝ってくれ」


「あぁ!悪い」


「ぬしら、わしらのことを忘れてんのかの?」


エチカとセリスとクレアがいることを忘れ去られていたようだ


それだけオロイはトオルの強さに惹かれたということか


「、、クレアといったか?天使だな?なら私の霊聖力を送るから使えるか?」


「、、うん?わからないけど、がんばる」


「おーセリス、ぬしとクレアは相性が良さそうじゃな、連携するのかや?」


「そうだ、ほれクレア、送るから何か技を出してみい」


セリスがそういってクレアに霊聖力のオーラ波動のようなものを送っている


するとクレアが大人びた姿に成長した


「む?すごい逞しい体じゃの、筋肉質に、、わしよりあるな、、」


「なんか、、おおきくなった。」


「ふむ、やはり一時期的に大きくなったか、どれ、その状態で何か技を出せるか?」


「やってみる、、」


クレアがそういうと、片手から球体のようなものが出てくる


するとそれは壁に向かって走りだし、広範囲に爆発した


「おぉ、結構離れとったから巻き込まれんかったの、、すごい威力じゃ」


「なかなかやりおる、どれもう片方の手もなんか出せるか?」


「うーん、、」


クレアが頑張ってなにか出そうとしている


すると剣みたいなのが出てきた


「お?七支刀か?センスがいいな」


「む?なんじゃそれ?」


「一撃で七回の斬撃をするやつだ、私の里にそれの巻物みたいなのがあってな、習得方法がかかれているがよく分からんかった」


「ほう、、クレアはすごいのじゃな、シンプルに出してしまって」


「、、?これ、使っていい?」


「もちろん」


セリスにそういわれるとクレアはフードを被った謎の男めがけて斬りにかかる


それは神速をも凌駕していたかもしれない


謎のフードの男の首が転げ落ちる


「そうか?そうかそうかそうか、ここに真の逸材がいたとはな、これはこれはこれはすばらしい!」


頭だけで喋り出している


刹那、キースが立ち上がり、とどめを刺しにかかった


「気味が悪い、お前の呪殺剣などとっくの昔に耐性が付いていたのよ、さっさと消えい」


「おまえ、、生きていたのか、、ガァ」


最後の言葉を振り絞って出そうとしていたが

力尽きて、灰と化したようだ


「、、おい、生きていたのか」


オロイは驚く


「、、トオル妙に涼しげな顔してたな、もしかして知ってたのか?」


「悪い」


「お?君か、私の生命の糸に触れたのは、気づいていながらも乗ってくれてありがとう」


(ん?なんだそれ?我輩はそんなのに、触れてはないはず、、まぁいいか)


「おい、生きてたのか、弟よ、涙を返せい」


「すまない、姉者、チャンスをうかがっていた」


「まぁ敵を騙すには味方からって言うしな、それは納得するぜ、俺も」


オロイがそういうと、みんな驚く


「こんな、脳筋みたいなものも案外頭を使うんじゃな」


「エチカ?今脳筋って言ったか?」


小声でエチカがぼやくと、なぜか聞こえていた


小声は聞こえなかったんじゃ?


「テシルはまだ眠ってるな、、ん?そこにいるのは、クレアなのか?美人だな

それにあの時とは違うな、、」


「なんじゃあの時って?」


「いや、なんでもない」


トオルが思わず変なことを言ってしまう


みんな変に感じたようだ


「まぁまぁ、誰しも隠したいことはある、私だってな」


セリスが場をさえぎり、話題転換した


「それより、キースに聞きたいことがある、私がなにかしたらしいな、言ってみろ」


「そうだった、たしか姉者が里を支えるためにエルフの力をここにお招きするとか言ってきたんだ」


「ほう?それはほんとに私だったか?」


「、、?なんだ?思い出せない」


「はぁ、エルフの幻術にまんまとかかったか、あれだけ気を付けろと言ったのに、それで被害は?」


「里の者達がほとんど眠り病にかかったぐらいだな」


(忘れていた、、夢の精霊のこともあったな)


トオルが一人考える


夢の精霊ははたしてどこにいるのやら?


「そうか、夢の精霊だな、エルフにさらわれたんだろう、精霊であってもエルフと対立しているものもいるしな」


「そうなのか?姉者は物知りだな」


「夢の精霊かの?わしらも夢界に訪れたときはいなかったの」


「ふむ?行ったのか?」


「あぁ、そうじゃが?トオルと会ったのもそれがきっかけだな」


「待ち伏せされていたときは驚いたな、、それにお前らがやったのかと思ったが全然違ったんだ」


トオルが回想していると、なぜか今いる場所が崩壊しそうになってくる


「ん?揺れてるな、、おい、言いたいことは山ほどあるが、今はこの場から離れるぞ!」


「そうじゃな」


多分さっきのクレアの爆発技のせいだろう

一行は急いで城階を下がる


いつのまにかクレアは元のサイズに戻っていた


「のう、トオル、さっきの隠し事あとでこっそり教えてくれんかの」


「、、わかった」


「む?素直じゃの?案外惚れ直したぞい」


「、、」


今の台詞はトオルに聞こえていなかった


走りながら考え事をしていたようだ


しかし城を出るとそこに待ち受けていたは卑劣で下品な運命であった



第十五話 終






























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