Archeonに選ばれし者
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選抜試験のアリーナの上空に広がる夕空は、ゆっくりと薄暗くなっていった。それと同時に、新たなギルドメンバー選出の儀式も終わりを迎えていた。
一人ずつ名前が呼ばれる。Archeonたちの放つ魔法の光が飛び、彼らが選んだ参加者と融合していく。ギルドの紋章が光となって身体に刻まれるたび、歓声が爆発した。
しかし、敗北者たちには光は訪れなかった。
Ellionはただ黙って、以前に敗れた者たちと共にアリーナの脇からその光景を見つめていた。
胸の奥にわずかな悔しさが滲んだが、Ellionはそれを表に出さなかった。彼の目的はただ冒険者になることであり、Archeonを通じて王国の奴隷になることではなかった。権力に縛られた未来に、彼は価値を見いだせなかったのだ。
Archeonたちは彼に目もくれなかった。彼らにとってその少年は、目立たない基本魔法の使い手に過ぎなかった。敗北した参加者たちでさえ、彼よりも多様な魔法の潜在能力を示していた。
その頃、Velmire Neveilはただ遠くから静かに見守っていた。その瞳の奥には、Ellionの中に眠る何かを見抜く鋭さが光っていた。
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