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崩壊と拡散 Gnomeとの戦い - 第[IV]部

---


フウウウウウウウウッ――


二筋の光が暗い空を突き抜け、まるで災厄の核を貫くために放たれた聖なる矢のように走った。


Duren Virell と Vann Orthell――Archeon Dawnspear と Ironblood の二人の指導者が、今や崩壊に包まれた夕暮れの空を見上げていた。

その上空では、Grenswaldの森の四分の一ほどの巨大な隕石が、大気圏から落下していた。

その目的は一つ――地上のすべてを消し去ること。


――沈黙。


世界が息を呑んだようだった。

時間が止まる。

動いているのは、あの二筋の光だけ。



---


地上では、Archeon Dawnspear と Archeon Ironblood、そして冒険者たちの連合軍が、残された Ethera を使って必死に即席の防御魔法を張っていた。

安全の保証なんてない。

明日を約束するものなんて何もない。

ただ、空に希望を投げかけるのみ――あの二人に全てを託して。


それぞれが命を抱きしめる。

それぞれの魂が剣に宿る。

すべての息が、奇跡に懸けられていた。



---


今、隕石と彼らとの距離は残り五十メートル。

空気が震える。炎が空を焦がす。隕石と大気が擦れ合い、破滅の叫びを上げていた。


Duren Virell は、汗に濡れた身体で Ethera を一点に集中させる。

手にする光の剣が巨大化し、輝きを増し、空気を震わせる。

銀髪が風に舞い、彼の瞳には揺るがぬ覚悟が灯る。


一方、Vann Orthell は大地のように立ち、筋肉を強張らせながら Ethera を戦斧へ注ぎ込んだ。

戦いのオーラが巨大な剣の幻影を作り出し、彼を包み込む。

長い黒髪が嵐の中で踊る。

その目は語っている。「動く要塞」という異名は飾りじゃないと。



---


十メートル。

七。

三。

零。


ドクン ドクン――


すべてが静止する。

そして……


(.........)


ブラーーーーン!!!


激突が空を引き裂く。

エネルギーの波動が四方に広がり、雲を裂き、Grenswald に光を降り注がせる。


隕石が彼らに襲いかかる。

山すら灰に変える破壊の力で。


Duren は剣を隕石の中心に叩き込み――

その叫びは、消えたくない魂の叫びのように響いた。


Vann は戦斧を振り回し、隕石の側面を切り裂いて重力の支配を破壊する。


魔法、力、そして魂がぶつかり合う――破滅の交響曲。


ドオオオオオン!!!


最初のひびが走る。

隕石が……崩れ始めた。


砕けて、

溶けて、

壊れていく。


Grenswald が――呼吸を取り戻す。


崩壊の衝撃が全てを揺るがす。

Vann は盾で受け止め、Duren は魔法の盾を展開するが、最終的には二人とも地に叩きつけられた。


燃える破片が、光る塵となり、そして恐ろしい塊となって降り注ぐ。

空は白く染まり、森も大地も砂塵に飲み込まれた。



---


「ば、ばかな……」


Gnome――大地の精霊であり、誇り高き存在だった彼は、驚愕に言葉を失った。

自らの放った攻撃が、絶対的だと思っていた力が――今やただの残骸に。



---


地上では、兵たちが身を寄せ合い、伏せていた。

魔法の波動が彼らを直撃する。

大地が浮き、岩が宙に舞う。

だが、彼らは気づく――生きている、と。


Duren と Vann は地に倒れていた。

体は傷つき、呼吸は荒い。

だが――その目はまだ光を宿していた。


彼らは勝った。少なくとも……今は。



---


だが、その勝利は終わりではなかった。


壊れたからといって、すべてが消えたわけじゃない。


ゆっくりと、霧が晴れていく。


そして――


ドンッ!

ドンッ!!

ドドドドドン!!!


それはただの塵じゃなかった。

次々と小さな爆発が続く。


あの隕石の破片が……

今、地上に向かって落ちてきている。


家ほどの大きさの岩の塊が、燃えながら降ってくる。

止まることなく、容赦なく――それぞれが死を背負っていた。


最初から張っていた防御魔法は、気休めなんかじゃなかった。

今、その本当の意味を証明しようとしている。

でも……果たして、足りるのか?



---


Ellion は、崩れた瓦礫と、空の悲鳴の中に立っていた。


彼の目は上を見上げていた。

落ちてくる火の岩を。


顔は青ざめ、手は震える。


「……なんで俺、ここに来たんだ……」


「本当は、何を……求めてたんだ……」

「……俺は……どうすれば……」


恐怖が心を貫いた。

だが、その胸に最も強く芽生えた感情は――


覚悟。


黙っていたら、全てが終わる。

動くしか、ない。


周りには――耐え抜いた仲間たち。

頭上には――まだ終わらぬ災厄。

そして胸の奥には……

ようやく聞こえた、自分自身の声。



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最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。 一話一話、心を込めて執筆しております。読者の皆様の心に何かが残れば幸いです。 本作は毎週、月・水・金・日曜日に更新中です。 お気に入り登録・評価・コメントなどで応援していただけると、今後の創作の大きな力になります。 次回のエピソードで、またお会いできるのを楽しみにしております。
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