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二人だけでの銃撃戦

傷は完全には癒えてはいないもののラインツィッヒへと配属されたエロイスたち。

アパートの四階から狙撃していたが、三人のロディーヤ兵たちにその部屋の前まで迫られてしまった。

彼女たちの逆転は叶うのか、それともそのまま捕らえられてしまうのか。

三人のロディーヤ兵たちはエロイスたちがいるということは思われる部屋の前までやってくる。


着剣した歩兵銃を携える兵士たちがお互いの顔を見つめ、タイミングを伺う。


「今だっ!」


ドアノブに手をかけていた兵士がいきなりドアを開き、残りの二人の兵士が部屋の中へ銃口を向ける。


「あれ?誰もいないぞ」


三人はがらんどうの部屋に入ると不自然なものが兵士たちの目に飛び込んできた。


入口正面に設置されている本がびっしり詰まった本棚。


「ん?なんだコレ」


兵士はドアノブの内側にいくつもの紐がくくりつけられているのを見つけた。


いくつもの紐を繋げた紐の先端には銀の鉛の小さな弾のようなものがくっついているのを見て兵士兵士は悟った。


「ほっ…!本棚から離れろっ!」

「えっ…」


兵士たちは本棚を見るとキツキツに詰められた本の間にいくつもの柄付き手榴弾の火薬の詰まった先端が本と本の間に挟まれ、握る柄の底がこちらを向いていた。


そう、兵士たちたちがドアを開けた瞬間、ドアノブに縛ってあった紐が引っ張られ、キツキツに詰められた本で固定された柄付き手榴弾の柄から紐が抜かれるという仕組むだった。


兵士たちは逃げるまもなく爆発に巻き込まれた。


爆音と共に建物が揺れ、彼らのいた部屋からは書物からでた大量の紙くずと灰色の煙が吹きこぼれた。


外の物陰で戦っていた友軍の頭上から書物の破れたページが紙吹雪のように舞って落ちいくる。


「なっ…何ぃーっ!」


思わず驚きの声が上がる。


「分隊長っ!これはっ!」

「奴らだっ!こうなりゃ全員で捜索するぞっ、仇は討つっ!」


物陰で隠れていた残りの兵士たちも一斉にアパートへと駆け込んでいった。



一方、四階では。


「ゲッホゲホ…派手に飛んだわね」


ロイドは落っこちているロディーヤ兵の永久歯と思われる歯をつまみ上げた。


「ロイド、残兵がここまで来るかもしれない。

隠れて皆殺しにしよう」

「そうね」


ロイドは彼女の言うことに同意するとかすかに微笑んだ。


ロディーヤ兵たちはぐんぐんとアパートの階段を登ってくる。


「この先ですっ!」

「よしっ…少なくとも敵は二人以上いるぞ、まとまって行動しろっ!」

「はっ!」


四階にたどり着くと兵士たちは歩兵銃を構えながら廊下を散策し始めた。


ゆっくりと廊下を歩いていく兵士たち。

分隊長と思われる人物は吹き抜けている階段の木の柵に寄っかかって動かなかった。


アパートを囲むようにコの字の廊下を散策すると突き当りの部屋の扉が少し空いていることに気づいた。


「うん?おいっ少し来てくれ」

「なんだ?」


兵士は近くのもうひとりの兵士を呼ぶ。


「この部屋扉が少し空いているんだ、どう思う?」

「うむ、怪しいな。  

俺が先に行く、二十秒経って返事がなかったら分隊長に伝えろ」

「おう」


兵士はそう伝え歩兵銃を持って扉をゆっくりと開けて入っていく。


玄関から入りリビングへと向う。


リビングを散策していると、カーテンの後ろに隠れていたエロイスが小銃を持ってゆっくりと近づく。


そしてその男の兵士の後ろから横に持った小銃を被せ、首のところで一気に締め上げる。


「ぐぇ…っ」


小銃の銃身で喉仏を潰しにかかるエロイス。


彼はエロイスの胸の中でバタバタと暴れるが、彼女が頭を前腕で挟みグリッと首を曲げると暴れていた手足はぐったりとと力が抜けたようにブランとしてしまった。


彼女は口からわずかに吐血しているとそのまま死体をゆっくりと置いた。


「おーい、二十秒経つぜ、返事しろよぉっ」


廊下で待機していた兵士がそう言った瞬間、エロイスは小銃から銃剣を外し、玄関の見えるところへ移動する。


「なっ…!」


兵士は慌てて歩兵銃を構えるがエロイスは指と指の間に挟んでいた銃剣を投げる。


銃剣はくるくると回転しながら飛んでいき、見事廊下で銃を構えていた兵士の心臓へと突き刺さった。


「お゛え゛ぉ…っ…!」


兵士は口と胸からは大量に出血しながら赤くなった廊下に倒れ込んだ。


エロイスはすぐに彼も引きずりながら部屋へと連れ込んだ。


エロイスは部屋に運ばれたニ名の死体をまじまじと見つめる。


「まずは二人目…ロイド…うまくやってくれるかな…?」


彼女は少し不安そうな顔でそう呟いた。



廊下の反対側の部屋で息を潜めていた。


彼女の手にも着剣した半自動小銃を携えていた。


そして部屋に入ってきた兵士はあたりをうろつき始めた頃、突如物陰に隠れていたロイドが兵士の頸椎めがけて着剣している小銃をやりのように突き出した。


「あ゛がぁっ…っ!」  


ピクピクと手足が痙攣しながら死にかけの虫のように倒れ込む。


「がっ…!あぁっ…!」


首から血を噴きながら惨めにピクついている。


ロイドはそんな兵士の喉元を銃剣で引っ掻いた。


首はくぱぁっと開き、ドバっと血液が広がる。


わずかに動いていた兵士はぐったりとしたまま動かなくってしまった。


「ふぅ…これでよし」


ロイドは額の汗を拭うと突如、廊下から声が飛んできた。


「大変だっ!いつの間にか人数が減っているっ!いるぞっ!敵兵がっ!注意してかざせっ!」


エロイスたちの存在に気づいた兵士がそう叫ぶと兵士たちが一斉に部屋の扉を蹴破って捜索を始めた。


「まずいわっ!こうなりゃそんて必勝…っ!」


ロイドは玄関へ急ぎ、身体を隠しながら半自動小銃を廊下へ向け引き金を引いた。


バンッ!バンッ!バンッ!


連続して発射される弾丸が廊下にいた兵士たちを撃つ。


「うぎゃぁ!」

「うわっあ…!」


叫び声と銃声を聞きエロイスもただ事ではないことを悟った。


彼女もまた小銃を撃ちながら廊下へと飛びた出した。


「ロイドっ!吹き抜けの階段目指して進めっ!」


エロイスは敵兵を射殺しながら廊下の突き当りまで移動する。


飛び出そうとした瞬間、銃弾が曲がりの壁に命中した弾痕が残った。


「迂闊に顔だしはできない…」


二人の少女とロディーヤ兵たちの銃撃戦が幕を上げた。


二人は無事にこの戦闘を生き延びることができるのだろうか。

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