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好きな人の恋人役になったらいつの間にか囚われていました  作者: Karamimi
本編

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32/88

学院主催のダンスパーティーに誘われました

2学期が始まって1ヶ月程度が過ぎた。ありがたい事に、比較的穏やかな生活を送っている。もちろん、ディラン様との関係も良好だ。時折、なぜか物凄く機嫌が悪くなる時があるのだが、正直理由が分からない。


もしかしたら、カサンドラ様と何かあったのかもしれないが、さすがにそんな事は聞けない。今はいつもの様にディラン様と中庭でランチタイムだ。


「来月は学院主催のダンスパーティーがあるね。もちろん、俺のパートナーとして出席してくれるだろう?そうそう、母上が張り切っちゃってね、もう君のドレスは発注済なんだ。もちろん、アクセサリー類も準備してあるよ」


毎年卒業3ヶ月前になると、学院主催のダンスパーティーが行われる。もうすぐ貴族社会で生きていかなければいけない3年生の為に開かれるダンスパーティーだ。このダンスパーティーは、貴族間の繋がりを強める狙いもある。


そのため、生徒だけではなく生徒の家族や婚約者も出席していい事になっているのだ。ちなみに、1.2年生も基本的に参加する。


本来みんな気合いを入れて参加するのだが、隣国に嫁ぐ私にはこの国の貴族と仲良くする理由もないうえ、うちは貧乏なのでドレスを新調できない。そんな理由から、私は今まで1度も参加したことが無い。もちろん、今回も不参加のつもりでいたのだが…


ドレスやアクセサリーを準備してもらっているのなら、断ることは出来ない。もう、ディラン様ったら、どうして準備する前に教えてくれなかったのかしら。もし私が事前に準備していたらって…考えないわよね。だって家が貧乏なのがバレているから。


「ディラン様、ドレスやアクセサリーまで準備して下さって、ありがとうございます。もちろん、私で良ければよろしくお願いします」


本人には強く言えないのよね。これが惚れた女の弱みってやつかしら…


「それは良かった。当日はメイドのローラを伯爵家に向かわせる事になっているんだ。本人たっての希望でね。どうやら君は、家のメイドたちにも人気があるようだね」


多分領地から帰る時に、香水を渡したからね。でもローラが来てくれるなら嬉しいわ。昔の私なら、ここで“申し訳ない”と言って断るところだが、生憎“申し訳ない”は禁止されている。


それになぜか素直にお礼を言うと、ディラン様の機嫌が物凄く良くなるので、余程の事が無い限り最近は甘えるようしているのだ。


「ディラン様、何から何までありがとうございます」


「そうだ、アンネリカのご両親や兄君もパーティーに参加するのだろう?せっかくだから、皆の衣装も家で準備するよ」


「ディラン様、さすがにそこまでして頂かなくても大丈夫です。それに、両親や兄は来るかどうかわかりませんので」


さすがにそこまでは甘えられない。もし参加するならお兄様だけだろうけれど、お兄様は次期伯爵として、ある程度洋服は買っているはずだから大丈夫だろう。


「そうかい?それは残念だな」


なぜか物凄く残念そうな顔をするディラン様。なぜそんな残念な顔をするのか、全く理解できない。何だかんだでお昼ご飯を食べ終わり、教室に戻る。


「ねえ、イザベラ。あなたも来月のダンスパーティーに出席するのでしょう?」


「ええ、もちろんグレイル様と一緒に出席するわよ。もしかして、ディラン様に誘われたの?」


さすがイザベラ、鋭い。


「ええ、既にドレスやアクセサリーの準備もしてくれている様なの。だから断れなくて、今年は参加することにしたわ」


「本当に!やったぁ!アンネリカと最後のダンスパーティーに出られるのね。でも、ディラン様は公爵令息でしょう。注目されるだろうから、しっかりダンスの練習をしておいた方がいいわよ」


そうだった。ダンスパーティーなのだから、もちろんダンスを踊る。どうしよう。ここ数年、ダンスなんて本格的に踊ったことが無かったわ。授業でも一応ダンスの練習はあるのだが、貴族にとってはダンスなんて朝飯前の基本中の基本。みんなほとんど真面目に受けないし、先生も適当だったのよね。


「ねえ、イザベラ。どうしよう、私ダンス上手に踊れるかしら?」


「大丈夫でしょう?あなた、ダンスは得意だったじゃない」


「それは昔の話でしょう!とにかくお兄様をとっ捕まえて、今日から練習しないと」


家に帰ると、早速お兄さまの元へと向かった。この時間は、多分執務室だ。


「お兄様、大切なお話があります」


「なんだアンネリカ。ノックもせずに」


「お兄様、今日からダンスの練習に付き合ってください。さあ、早速今からお願いします」


「アンネリカ、一体何があったんだ?とにかく落ち着け」


凄い勢いでお兄様に詰め寄ったせいか、若干引き気味のお兄様。とりあえずイスに座らされ、今日の出来事を丁寧に説明させられた。


「要するに、来月のダンスパーティーで恥をかきたくないから、俺にダンスの練習相手になれって事だね」


「そうです」


「わかったよ!アンネリカが公爵令息の足でも踏んだら大変だからね。それと、そのダンスパーティーは俺も出席するよ。家族が誰も出ないのはさすがにマズいだろうからね」


「お兄様、ありがとう。じゃあ、早速練習をしましょう」


お兄様を引き連れ、レッスン場へと向かう。一応我が家は伯爵家、狭いながらもダンスのレッスン場が完備されているのだ。


音楽に合わせ、お兄様と踊る。あら?意外と体が覚えているものね。何だかんだで、難なく踊ることが出来た。


「アンネリカ、どうやら腕は鈍っていないみたいだね。この分だと、そんなに張り切って練習しなくても大丈夫じゃないかい?」


「いいえ、油断は禁物ですわ。相手は公爵令息のディラン様です。失敗しないよう、これから毎日練習をお願いしますわ」


そうだ、油断して当日失敗でもしたら大変だ。とにかくどんな曲が来ても踊れるようにしておかなければ。


ちなみにお兄様、ダンスは得意なので練習相手としては最適なのだ。


それから毎日みっちり1時間、ダンスの練習をした。お兄様が用事でいない時は、アンドレにお願いしようとしたのだが、なぜか素晴らしいタイミングでディラン様が


「当日失敗するといけないから、これから毎日ダンスの練習をしよう」


と言ってくれたので、最後の2週間ぐらいはディラン様と一緒に公爵家でダンスの練習をした。


さすが公爵家、レッスン場は半端なく広い。それにプロの講師まで付ける徹底ぶりだ。何だかんだで、そこら辺の令嬢よりずっと上手に踊れるようになった。ディラン様も

「俺たちの息の合ったダンスでみんなを魅了させようね」

なんて言っている。



そして迎えたダンスパーティー当日。


公爵家からメイドのローラと、ドレス、アクセサリーがやって来た。


「さあ、アンネリカ様、まずは湯あみから行いましょう」


ローラに体中をしっかり洗われ、たっぷり香油を塗られる。この香油、保湿力が高いようで塗った側から、モチモチのしっとり肌になる。これももちろん、公爵家から持ってきてもらったものだ。


次にドレスを着る。青色のドレスには、これでもかと言うくらい宝石が散りばめられている。一体いくらするのだろうと言うくらい高そうだ。さらに大きなエメラルドのネックレスとイヤリングを付けてもらった。


奇麗に化粧をして、髪はハーフアップにしてもらう。バラの髪飾りを付けてもらえば完成だ。


嘘、これが私なの?

鏡に映る姿を見て、言葉を失った。


「ローラ、さすがね。ありがとう!まさに別人だわ」


「いいえ、アンネリカ様の素材が良いのですよ」


クスクス笑うローラ。

早速家族の元へと向かう。本当はお兄様だけ出席する予定だったのだが、なぜかお父様とお母様も出席することになった。そして、私に内緒で3人分の衣装までディラン様は準備してくれたのだ。


「せっかく公爵令息様が準備してくれたのだから、行かないと失礼でしょ」


と、なぜかルンルン気分のお母様。それもそのはず、こちらも豪華な宝石があしらわれた、かなりお高いドレスだ。もちろん、お父様とお兄様も高級素材を使ったタキシードを身にまとっている。


どこからどう見ても、上流貴族だ。もちろん、見た目だけだが…


「アンネリカ、今日もとびっきり奇麗ね。この分だと、ホール中の男を虜に出来るわよ」

私の姿を見て、嬉しそうに笑うお母様。


「お嬢様、ファイザバード公爵令息様がいらっしゃいました」


我が家の専属執事が、私を呼びに来てくれた。いよいよね。

気合いを入れて、ディラン様の元へと向かったのであった。


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