第72話 その肩書はなんのためにあるのか
登場人物
新堂あかり:第2章の主人公。第1章の主人公の市川匠の彼女であり幼馴染。とても優しく可愛げのある娘しかしながら天然もちょっぴり入っている。魔女名アカリとして冒険の旅にでる。
リエル:四大天使魔女の一人。イメージカラーは緑。今回のメインキャラ。
ナギ:リエルの幼なじみ。ナギとみんなから呼ばれている。リエルの家の前で隠れているところをアカリに発見された。
イザナギ:ナギの身体に入っていた人格、天地開闢を発動したが魔女によって阻止された。
エル:リエルの妹。魔女ではない。
魔女:ある目的のために物語を創る人、執筆者。神出鬼没で何を考えているかわからない。本編、物語の先にあるものはの総主人公。
四大天使魔女
ミカ:四大天使魔女の長。血の気が多い。イメージカラーは赤
ウル:四大天使魔女の一人。イメージカラーは黄色
回想
「ねぇ、リエルってなんで魔女になったの?」
「えっ?」
ウルは私に疑問を投げかけてくる。
ここは、魔女の間。
私とウルの他にも同じ四大天使魔女【ラファ】と【ミカ】がいた。
「そういえば、気になるわね!」
身を乗り出すラファがいた。
「お前達……魔女の掟を忘れたのか他の魔女にあまり干渉するなと‥‥」
ミカが言う。
ミカは私達、四大天使魔女の長。
「いいんじゃない?私が認めるわ」
「あなたは……」
姿を見せたのは。
「「く、クロノ様!」」
私達の上の位に当たるクロノ様だった。
クロノ様、天使魔女を超えたその先の存在‥‥‥【女神魔女】という。
見た目は、私の元の世界でいう女子高生の学生服、金髪ロングそして特徴的なのは手に持っているスマートフォンだ。
実は言うとあれはクロノ様の武器だ。
一般的に魔女は、魔力の他に杖が必要なのだが杖をあまり気にいらない魔女がいて杖を使わずに自分の好きな物を杖代わりとしている。
クロノ様は曰く、杖は長くて太くて重くて使いづらいらしい。
私は長くて細くて軽いという意見なのだが。
「クロノ様が言うなら……ってクロノ様知ってますよね?」
「……ま、まぁ……あはは」
クロノ様は、遠目を見る。
「うーんと私が魔女になった理由は……間違えというかクロノ様の優しさで魔女になっちゃたんですよね」
「というと?」
「元々私は、学園の屋上から落ちて死ぬ予定だったの」
「……」
「でも私が、声をかけてしまったんですよね。落ちたあなたに」
クロノ様が続けて話す。
「頭を打ち付けて、そのまま即死だったんだけど魂が昇る時にだれかから声をかけられたの、魔女になってみない?って」
「懐かしいね‥‥女神魔女の立場からは本来いけない事なんだけどあまりにも可哀そうだった。一つの恋心を叶えられなかった‥‥‥‥リエルは男に裏切られた」
「あはは……クロノ様……苦い思い出を」
「そして身体を好きなようにもて遊ばれた」
「いい機会だし皆に私を知ってもらおうかな」
私は、魔女服を脱いだ。
「ちょっリエル何をやってるの!?」
ウルは、顔を真っ赤に手で目を隠した。
「これが私の本当の姿」
「あっ‥‥」
私の身体は、男に使い古された身体をしていた。
「女性としての機能がもう働かなくなったの」
「……」
ミカと、ラファは何も言わない。
そっと、沈黙を貫く。
私は、脱いだ服を着る。
「っとまぁ、クロノ様のご厚意で魔女になったって訳」
「さっきも言ったけど、女神魔女の立場もあるし勝手に魔女にさせると色々怒られちゃうからリエルを四大天使魔女にしたって訳」
「私は、四大天使魔女になったからは私の様になってほしくない、女性は幸せになるべき……男性の玩具じゃないって言うのを一つの目標にそして‥‥‥‥私自身ももう一度‥‥やり直したい本当に愛する人と結婚をしてみたいってどんな形であろうと」
「ふふっ……恋する乙女って強いわね」
「クロノ様‥‥ありがうございます」
「魔女になってしまった人には様々な理由はある、だけどみんなちゃんと目標をもってる皆もそうでしょ?でも、今は……四大天使魔女のお仕事優先してほしいんだけど、いつか時がきたらちゃんと魔女としての使命をしてほしい」
クロノ様は皆に問う。
「はい」
ミカは、言葉を返す。
「……」
ラファは沈黙を貫く。
「っは!服着られたんですね」
目隠ししたウルは手を目から離す。
「だから、私、四大天使魔女リエルは……どんな事があろうと、悲しんでいる女性を助ける!」
――――――――――――――――――――――――――――――
そして今…その時が来た。
私は、エルを助ける!そう、それが偽りの妹でそして‥‥彼女がイザナミであっても!
「ウル!久しぶりにあれやるよ!」
「え……!あれやるの!よし!わかった!」
リエルとウルはお互いの手を握った。
「……あれを使おうとしてるんですか」
「あれって何?」
物陰に隠れながら、様子を見るアカリと魔女。
「彼女達が今、使おうとしている魔法」
「魔法?」
「そう、いわゆる合体魔法ですね。それも高難易度で、それもお互いに信頼していないと放てない魔法、私じゃあ一生無理ですね」
魔女は、笑った。
「うあああああああああああ!!!」
エルは暴走をしているが、若干の自我があるのか…攻撃を繰り返しはやめ繰り返しはやめるというのが続いていて常時不安定だ。
「<<天使合体魔法ーーーーー発動>>」
放たられる合体魔法、エルは引き続き盾を出す。
ガチンっ!
「ちょっ……衝撃がすごい」
すかさず、魔女とアカリは防御魔法を展開する。
「おねがい!!!!!エル!!!!!!!戻って‥‥!!!」
「エルさん!正気に戻って!!!!!!!!」
リエルとウルの声も同時に響く。
しかし、エルさんには魔法が今一歩届かない。
そう彼女の盾……アイギスの盾が邪魔している。
「合体魔法でもアイギスの盾を貫けないのっ?ううっ」
「リエル!!もっと魔力あげて!」
「わかってるわよ!!」
恐ろしいほどに彼女達の魔力が上がる。
「‥‥なるほど」
「魔女?」
魔女は考える格好をする。
「うーん。アイギス…アイギス‥‥アイ‥‥愛‥‥か」
「え、愛?」
「彼女を止めるには愛が必要って事ですね」
「え?」
「やってみる価値はあるかもですね‥‥」
魔女はイザナギの魂を入れた瓶を割る。
「魔女何を‥‥!」
「エルさんはイザナミ‥‥救えるのは、イザナギだけという単純な考えですが」
「!?」
「気づきましたか‥‥またナギさんの身体を使わせていただきますが‥‥どうかお許しください」
魔女は、魂をナギさんの身体に入れる。
「起きなさい!!!」
魔女は、イザナギの頬をビンタをする。
神様の扱い本当に雑だよ‥‥。
「ちょっと‥‥魔女」
「おきろ!!!!」
「痛い!やめろ!!」
「あ、起きた‥‥」
イザナギの頬は赤くなっていた。
「状況把握しろ!」
「お前…!いい加減に」
「いいから!!」
魔女は、イザナギを促しイザナギは、少し冷静になり状況把握をし始める。
「‥‥だいたいわかった」
え、わかったんですか…この一瞬で…いやいやまさか…。
「さすが神様~」
「……私が、あの小娘の元にいけばいいんだな‥‥?」
「えぇ…まぁ、初めからあの天使魔女の2人がうまくやると思いましたが状況がかわりました。それに気づいてたんでしょエルさんの正体」
「あぁ……」
「うーん…本当は嫌だけど私もちょっと手伝うか‥‥アカリさん!」
「は、はい!?」
「コイツの援護して」
イザナギを指さす魔女。
「え!?え!?」
「私も加勢してくる!」
「ちょおおお!」
魔女はそう言い猛スピードで彼女達の方へ向かった。
本当に何なんですか。
もう‥‥どうにでもなれという気持ちになりながらも渋々やる私。
「あいつ、めんどくさいだろ」
イザナギは、呆れた顔でいう。
「えぇ…改めてめんどくさいと思いました」
「とりあえずよろしく‥‥」
「はい……」
どことなく気まずい雰囲気にながらもタイミングをうかがう。
――――――――――――――――――――――――――――――
「ウル!!まだいける?」
合体魔法はまさかの効果なしだった。
さて、どうするか。
「もちろん‥‥こういうギリギリの戦い大好きなんですよね!」
「「私も加勢します!」」
「!?」
魔女はウルとリエルの元に現れる。
そして、真剣な目をして何かを伝える。
「そんな事ってあり得るの‥‥?」
ウルは、半信半疑だった。
「ウル」
「う、うん」
「私が道をつくります。黄色は緑に防御魔法かけて」
「わ、わかった」
「緑は、私がつくった道を通りアイギスの娘をそのまま捕獲して」
「‥‥その間に、イザナギを彼女の元にか、まるで敷かれたレールのようね」
リエルは、アカリとイザナギの方を見た。
「黄色と緑の天使いくよ」
魔女は、術式を描く。
「え‥‥あの術式って‥‥うっ、今は気にしてる状況じゃない」
ウルは、驚愕したものの魔女の言われた通りに防御魔法をリエルにかける。
「<<アマテラス式>>発動!アメノムラクモよ来い!」
魔女の手元に一つの剣が現れた。
「……道を開けよ!」
魔女は軽く剣を一振りする。
「っな」
パリンと、何かが割れる音が聞こえた。
「一撃でアイギスの盾を破った……」
「緑の今です!」
「よし!エルううううう!手を!」
「あああああ!こ、来ないでえええええあああ!みんなを傷つけちゃうっ」
拒否を続けるエル。
「……大丈夫!天使魔女の私があなたを‥‥エルを…そしてイザナミを助けてあげる!」
「……お、お姉さ…ま」
エルは、手を伸ばす。
そして、リエルもその手を掴む。
「よし‥‥今です」
アカリは、転移魔法を発動する。
「うおおおおおお!!ナミいいいいいいいいいいいいい!」
「あ、あなた‥‥!」
エルのもう一つの人格……イザナミが姿を表す。
「もうお前を‥‥絶対に、離さない。だから……もう一度、歩こう‥‥」
「‥‥‥‥はい」
イザナギは、エルを抱きしめる。
「うっ‥‥う……あなた、あなた‥‥!」
「あぁ…あぁ…わかってる」
「‥‥よし、うまくいったようね‥‥じゃあ‥‥」
魔女は、アメノムラクモを解除し、2人の元へ向かう。
「イザナミ、ご無沙汰です」
「あ、あなたは‥‥魔女」
「……あなた達の物語は、これで終わりです。退場してもらいます」
「わかってる‥‥ありがとう魔女」
「礼には及びません‥‥イザナギ……いえ…なーくん」
「……お、お前‥‥その名前……懐かしいな」
「ふふ……懐かしいでしょ‥‥だって、私はあなたのクラスメイトだったし、それに…なみちゃん‥‥良かったね‥‥」
「あ、あ‥‥あっ‥‥うっ‥‥ありがとう―――――ちゃん!」
「それでは、分離魔法をかけます‥‥あっちに行っても幸せになってください」
「お前も‥‥必ず‥‥叶えろよ」
「わかってます」
魔女は、2人と何かを話しながら分離魔法をかけた。
ゆっくりと魂が消えていった。
それと同時に、ナギさんとエルさんの身体がゆっくりと地面に落ちていく。
「あっ!!」
ウルとリエルは急いで、2人の身体の元へ向かう。
「良かった‥‥今回は何もなくて‥‥」
「さぁ‥‥どうでしょうね?」
「変な事してないでしょうね」
「してないですよ…はぁ…私は疲れました。帰ります」
「……そう、あいさつしなくていいの?」
「えぇ、喜んでる所邪魔したくないし‥‥…それに‥‥リエルさんはそろそろ消えるから」
「消えるって……」
「そうですよ、結婚式をあげたら魔女としての使命……そして彼女の目標が達成されるので」
「……」
私は、何も言えずに喜ぶ2人を見つめるしかなかった。
別れが来るのを知りながらも。




