第62話 その歌声は何の為に
登場人物
新堂あかり:第2章の主人公。第1章の主人公の市川匠の彼女であり幼馴染。とても優しく可愛げのある娘しかしながら天然もちょっぴり入っている。魔女名アカリとして冒険の旅にでる。
飛鳥:幽霊となって出てきた娘。真夏の姉。アイドルだったがトップアイドルを決める祭典の決勝戦で不慮の事故で亡くなった。
ラファ/真夏:四大天使魔女の一人。真夏という名前でアイドル活動をしているらしい何かしらの目的があるようだが。アイスが好物な娘。幽霊の飛鳥の妹。
魔女:ある目的のために物語を創る人、執筆者。神出鬼没で何を考えているかわからない。本編、物語の先にあるものはの総主人公。
今日はアイドルの頂点を決める祭典の決勝戦。
天気は、運が良く晴れだった。
お姉ちゃんが決勝戦の時は雨だった。
私は、お姉ちゃんが映っている写真に話をかける。
「お姉ちゃん。やっとここまできたよでも‥‥‥みてよ‥‥‥身体がここまで消えちゃったよ」
私の身体は露出部分以外は、全て消えていた、辛うじて魔法を使って現状を保っている。
魔女で良かった‥‥‥と今更ながらミカに感謝するのであった。
「必ず、私はトップアイドルになってお姉ちゃんを幸せにしてあげるからね」
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「さぁ、いよいよ。この祭典も決勝戦をむかえました」
会場の中、司会の男性がいう。
「私、全然関わっていないのにこんなVIP席に招待されていいの」
席には、アカリ様と書かれていた札が置いてあった。
私意外には有名な業界の人達やお偉いさんっぽい雰囲気を醸し出している人達の名前がずらっと並べられてあった。
「恥ずかしすぎる」
私は、そんな事を思いながらも席に座るのであった。
「あ~、でもここからだと結構全体が見えていいですね~」
VIP席は、一番後ろで観客席とステージを一望できる席で、モニターもついていてステージ上にいるアイドル達の表情もしっかり見える。
まるで漫画でよくみるあの部屋ですよ。あの部屋。
「何事も起きなければいいのですが」
そんな事を言うとまるで何か起きて欲しいような言い方ですが、そんな事はないです。
「「わあああああああああああ」」
会場が騒がしくなる。
どうやら、真夏さんの対戦する相手が登場したようだ。
「みんな!!!!!!!お待たせいよいよ決勝!!!!!!楽しく!全力で!!いっくよおおおおお!!」
「「うおおおおおおおおおお!」」
VIP部屋も観客の声で揺れているくらいに盛り上がっている。
「歌を聞くのはいいですね~」
対戦相手の娘もとても歌が素敵だった。
もし、真夏さんが知り合いでなかったら彼女に投票していただろう。
「ありがとう!!!!!!!!!ありがとう!!!!!!」
止まない拍手。
歌を終え、彼女はステージからはけた、そして真夏さんが入れ替わりになっていく。
なにも喋らずにゆっくりとステージの真ん中に向かっていく。
その雰囲気は、歌っている真夏さんとは真逆だった。
「‥‥‥みなさん。こんばんわ。真夏です、待ちに待った決勝ですが一つだけ謝らせてください」
え、なに?と困惑する観客。
「何をする気なの‥‥真夏さん」
私は、もしもの事を考えて詠唱の準備‥‥‥に入り杖を持つ。
「皆さんの知っている通り、私の姉は事故で亡くなった飛鳥です。そして、私はその姉の為にずっと歌ってきました。応援してくれるファンの皆ではなく、姉をずっと見ていました。昔も、そして今も。そしてこの決勝、事故で出れなかった姉の代わりに私が歌います。そう、ファンのためじゃなくて姉の為に、この言葉聞いて失望した方もいるかもしれません、でも私は攻めません。私が‥‥‥勝つから。聞いてください、私の全てを詰め込んだ姉が決勝で歌うはずだった歌ーーーーーーーーーー」
~♪
それは、言葉にできないくらいに美しい歌だった。
だれもが、振っていたサイリウムを下に下ろした。
統一されていた色が、暗闇になりステージの上で真夏さんだけがライトに照らされていた。
自然に私の目から涙が出てきていた。
歌声に歌詞に感動したからだ。
今までの苦労や、感謝の言葉。
それがちりばめられていた。
そして、天使の羽が見えた。
「ーーーーーーありがとうございました」
静まり返った会場、少しの沈黙の後それを打ち破るかのように一人拍手の音がきこえた。
パチ。
パチパチ。
パチパチパチ。
パチパチパチパチ。
「わああああああああああああああ!!!!」
祭典が始まってから一番の拍手が起きた。
「あぁ‥‥これは勝ちましたね‥‥良かった。これで一安心ですね」
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いよいよ結果の発表、ステージの上にアイドル2人が立つ
「ーーーーーーーーーさて‥‥‥いよいよ優勝者の発表ですーーーーーー優勝は」
『真夏だああああああ!!!!!!!』
スポットライトを一斉に彼女に向けられる。
一方、負けた相手は泣かずに、清々しい顔をしステージから降りる。
(仕方ないよね‥‥‥誰かが勝つという事は、誰かが負ける‥‥‥どうか、あきらめずにまた頑張ってほしい)
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
感謝の言葉を言う。
「さて‥‥‥優勝した、真夏さんにはもう一曲歌っていただきましょう!」
「はい!私の目標は達成しました!今度は、皆さんの為に‥‥‥!!聴いてくださいーーーーーーーー」
心地よいイントロが流れる。
素敵な歌声だ‥‥‥私は、そっと目を閉じ、真夏さんの歌を楽しむ。
あぁ‥‥‥よく言う歌は世界を変えられるってこういう事なんだなとしみじみと思う。
「‥‥‥ありがとうございました」
曲が終わり私は、閉じた目をゆっくりと開ける‥‥‥。
「え‥‥‥なにこれ‥‥‥光の槍????待って!まさか」
そんな事はないと、私は隣にいたVIP席に座っていた人をみる。
「‥‥‥‥っ光の槍が刺さってる‥‥‥どういう事!!」
私は、ガラスを魔法で破壊する!
「あははは!!!生き残りがいたんだ~」
悪魔のように笑う真夏さん。
「真夏さん!いったい何をしてるんですか!」
「あぁ、あなたが生き残っていたかさすが魔女だね」
「そんな事はどうでもいいんです!」
「いったいこれはなんですかって聞いているんです!」
「説明するのもめんどくさいなぁ、見ればわかるでしょ?殺してるんだよ!」
「うふふ!!まずは観客を全員殺し、私だけの世界を‥‥‥」
「何を言ってるかわからないですよ‥‥‥」
「じゃあ、わからないまま死ね!」
ツッコんでくる、真夏さん!やるしかない!
「うおおおおおお!!」
「死ねえええええええ!」
「「そこまで!」」
私達の攻撃を止めたのは‥‥‥。
「ま、真夏さん!?」
真夏さんだった。
「っち」
「やめてよお姉ちゃん!」
「っな‥‥‥まさか‥‥あれは飛鳥さん」
「そうだよ!鈍感魔女!」
そう、突っ込んできた真夏さんは、飛鳥さんだった。
「お姉ちゃんなんで!?」
「邪魔をするな。真夏私は‥‥‥お前が‥‥‥嫌いだ」




