第40話 開いてしまったパンドラノハコ
登場人物
魔女:ある目的のために物語を創る人、執筆者。神出鬼没で何を考えているかわからない。助言等で、今後でるキャラクターと関わっていく。本編、物語の先にあるものはの主人公。
最終節主要人物
市川匠:あかりを助けるためにやり直しをした。掟の全て終え最後の戦いに向かう。
新堂あかり:主人公の市川匠の彼女、現時点では幼なじみである。とても優しく可愛げのある娘しかしながら天然もちょっぴり入っている。二年生
生徒会メンバー
花宮さくら(咲良)、元魔女。誰とでも交流できる性格。三年生
篠原ゆき(由紀):天才と言われた少女であり元研究者。今は研究者を引退している。一年生
「パンドラノハコは、新堂あかりではなく、あなた達が開いてしまったらしいですね」
魔女は落ち着いた声で、そして嘲笑うかのような口調で言う。
「‥‥‥」
何故こうなってしまった。未来は見えていたはずだった、だが行動に移せなかった。
「こ、怖い‥‥」
「か‥‥‥会長?」
身体が震えている。怖さで、押しつぶされそうになる。
「あらあら、まぁいっか。本当は、新堂あかりをパンドラノハコのトリガーにしようと思ったんですけどね」
「それってどういう意味?そもそもパンドラノハコって何なのよ!?」
隣にいるゆきちゃんが魔女に問う。
「そうですね。新堂あかりが市川匠に恋をしたら箱を開くという設定でこの世界の真実を知ってもらう、要は、新堂あかりはもう死んでいてこの世界は、別の世界であり市川匠はその悲劇から逃れるという事を知ってもらおうかなって思いました」
「っ!なんてくだらない‥‥‥でも待って、この世界では匠さんとはもう恋人同士なんでしょ?もうハコは開いてるじゃない」
ゆきちゃんはこんな時でも冷静を保っていて気になる点をずっと探し質問している。
この娘は本当に天才なんだなと改めて思ってしまった。
「ん?新堂あかりが市川匠に恋をしたらってさっき言ったばっかりでしょ」
「‥‥‥てことは?」
「そう、新堂あかりはね、市川匠が大嫌いなんだよね」
「う、嘘だ…今まで‥‥‥ずっとあんなに仲良く‥‥‥」
「あれは全部演技なんだよ、いやぁ‥‥‥嫌な‥‥‥じゃなく最高だよね。もう傑作、幼なじみ同士が結ばれるという話は世にいっぱいあるけどそんな簡単なもんじゃない、それにつまらない。幼なじみ同士が繋がるそんなテンプレートをぶっ壊したくってね、でもその中で市川匠と、新堂あかりはそれを乗り越えて無事に恋人になる矛盾してるけどそれ必死になってる人を見ると楽しいのよね。新堂あかりが本当に、恋をしてパンドラノハコが開きそして死ぬ、幼なじみ同士の恋はこうして儚く散っていく。うふふ面白いわ~、誰かが幸せになるのって私、嫌いなんですよね」
「あんた‥‥自分が、何をしているかわかっているの」
あかりちゃんはそう言うと同時に、魔女に飛びかかる。
「よっと」
しかし、軽々と避けてしまう。
「ただ、そんな事をしなくてもイレギュラーですが世界の真実を知る、それだけでも達成できてよかった。世界を知るという事は、全てを知ってしまう。そこにいる元魔女のおかげですよ。ありがとうございます」
魔女は、私の方を見る。
「まぁ、面白かったですよ。わくわくしました。そして‥‥あなた達にまだこの世界に居てほしいんですよね、私の保険のために」
そう言うと、魔女は本を開き‥‥何かを書いた。
「さて、こんな茶番は時間稼ぎにすぎませんしさっさと物語を終わらせましょうどう結末をむかえるのか、そこにいる一緒に見届けましょうよ」
魔女は指をパチンっと慣らし、私達が元いた世界へと戻した。
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「わかってる‥‥わかってる‥‥私はたっく‥‥市川匠が嫌い。幼なじみだからって私に付け込んで‥‥」
いつの頃か‥‥私は、たっくんを嫌いになっていた。理由はわからない本当は好きだったはずなのに。
「今まで、好きだったものが嫌いになる事、やっとわかった」
気持ち悪い。ムカツク。そもそも男が嫌い。
そんな汚い言葉しか思いつかない。
そして‥‥今日は、そんな全てを決着をつけるとき。
「大丈夫‥‥大丈夫‥‥ちゃんと‥‥気持ちを伝えれば」
私は、市川匠との約束の場所に向かった。




