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物語の先にあるものは  作者: 峰尾ゆい
第3節 始まりの場所
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第34話 始まりの場所、伝えべからず

登場人物

魔女:ある目的のために物語を創る人、執筆者。神出鬼没で何を考えているかわからない。助言等で、今後でるキャラクターと関わっていく。本編、物語の先にあるものはの主人公。


第3節主要人物

柊えみ(恵美):篠原由紀につくられたアンドロイド。その見た目は、人間と変わらない。

篠原ゆき(由紀):天才と言われた少女であり元研究者。今は研究者を引退している。



市川匠:第1章、恋という名のパンドラノハコの主人公 二年生

新堂あかり:主人公の市川匠の彼女、現時点では幼なじみである。とても優しく可愛げのある娘しかしながら天然もちょっぴり入っている。二年生


生徒会メンバー


生徒会長:花宮さくら(咲良)、三年生


新聞部

部長:時風さゆり:魔女から生まれた物語を進めるモノ。

「はぁ、はぁ」


走っても、走ってもずっとこの道が続くみたいで、何かおかしい。

逃げながらもどこかを目指して走っている。

何があるかわからない。

でも走らなきゃ現実を突きつけられる。

だけど向きあわなきゃいけない、だけど‥‥‥信じたくない。

彼女が、彼女が‥‥‥柊先輩が‥‥‥私がつくった‥‥‥。


「もう!!!!私は一体どうすればいいのよ!!!!!!!」


叫ぶ。

叫ぶ。

そして。


「助けて」


弱音を吐く。

助けて。

誰か、私を助けて。


「あ、あれ‥‥‥ここは?」


そして、私がたどり着いたのは、学園の中で象徴となっている大きな木。

なんの品種かわからないが学園が建つ前からずっとここにあるらしい。

それにずっと花を咲かさずに。

予想だと皆は桜の木と言っている。

なにかに導かれるように、私はその木に向かって、ゆっくりと、歩いていく。

‥‥‥

‥‥‥‥‥‥


「ご主‥‥‥由紀!」


この声。

知っているけど何か懐かしい声。

そうか‥‥‥。

来てしまったのか。

初めての友達、いや家族。

そして失ってしまった家族が、私を呼んでいる。


「‥‥‥」


私は、無言のまま、振り返ってた。

そこには、柊先輩が立っていた。


「‥‥‥ここにいたんだね‥‥‥」


私は震える口から、声を押し出すように言った。

このまま喋ると最後が近づいていくような気がした。

しかし、止めてはいけない。

私も、言いたい事を言わなければならない。


「由紀‥‥‥」

「私は決めたんだ、今度こそ一人で生きていくって」

「そ、そんな」

「あなたがどんな理由があって、私の目の前からいなくなったかわからない」

「そ、それは‥‥‥」

「言い訳なんていらない!主人の言う事を聞かない‥‥‥機械なんて‥‥‥機械なんて‥‥‥」

「っ‥‥‥」

「‥‥‥()()()()なんて、言えるわけないじゃない!」

「‥‥‥!」


私は、彼女を抱いた。

暖かい。

久しぶりの暖かさ。

嬉しい。

こんなに会えるのが嬉しいだなんて。

そして、彼女は。


「由紀ごめん。お別れの時間かも‥‥‥」

「え‥‥‥なにを言っているの?」


何をバカな事を言っているのか、今とても良い雰囲気なのに。


「う、嘘でしょ‥‥‥」


彼女の目をみると、焦点が合っていなく輝きが消えていく。

あぁ‥‥‥うそ‥‥‥。

まさか‥‥‥。


「寿命がきたのかな‥‥‥」

「いや‥‥‥ウソだ‥‥‥そんなことって‥‥‥」

「所詮私は、プロトタイプ‥‥‥」

「っ!」


そうだ、私が開発したのはプロトタイプで寿()()を設定をしていた。

あの時の私は‥‥‥完全に道具にしていた。

しかし一緒に過ごすことによって、すこしずつその優しさに負けたんだ。


「ふぅ‥‥‥最後に会えてよかった」


彼女は、木に寄りかかる。


「よく聞いて由紀」

「うん、できることなら何でも‥‥‥!」

「ううん、大丈夫‥‥‥なにもしなくてもいいよ‥‥‥こういうときって何を言えばわからないんだよね‥‥‥」

「‥‥‥」

「私をつくってくれてありがとう。そして、勝手に出て行ってごめん‥‥‥」


彼女の意識が朦朧していいるのがわかる。


「あぁ‥‥‥イヤだ‥‥‥いかないで‥‥‥あなたがいくなら‥‥‥私もいく!!一人は嫌だ!!」

「ゆ、由紀‥‥‥」

「だ、ダメ‥‥‥あなたにはやる事がたくさんある」

「ないよ!あなたの事を考える事で精一杯だった!あなたがいなくなったら、私は、一人なの‥‥‥そんなのずるいよ‥‥‥少しくらい親の言う事きいてよ!」

「‥‥‥」

「それに‥‥‥ずっと近くにいたのになんで言ってくれなかったの!」

「それは‥‥‥」

「それはじゃないわよ!」

「‥‥‥」

「なんで!なんで!こういう時だけ、感情が働くのよ!なんで自分勝手な行動をするの!」

「‥‥‥っ」

「初めてちゃんとできた私のお友達で、今は家族に思ってる。私の事を一番に知ってくれてると思ったのに‥‥‥でも今は、あなたの事を好きなの!!」


支離滅裂な発言をして私は、彼女の唇に私の唇を合わせた。


「んっ‥‥‥」


長い時間。


「っ‥‥‥はぁ‥‥‥由紀ちゃん‥‥‥‥」

「これが私の気持ちよ」


そして私は、いままで我慢していた涙をこらえきれなくなってしまった。

必死で抑え込んでいた感情が、胸に広がっていく。

それでも、涙をぬぐい少し冷静になって私は、彼女の言葉を待つ。

自分から言うと、感情が暴走して取り返しがつかないことになるからだ。

爆発していいのだと思うけど、わからない。

そこらへんは、何故か制御されているこういう時こそ爆発しなさいよ。


「ありがとう‥‥‥私も由紀の事好きよ‥‥‥」

「だったら‥‥‥」

「私はここから消えなきゃいけないの」

「‥‥‥」

「意味わからないよ‥‥‥」

「今は、意味がわからなくていい、私が消える事ですべてがわかるから」

「そんなの勝手だよ!」

「私はあなたにつくられた‥‥‥だから勝手なんです」

「なによそれ‥‥‥ずるいよ‥‥‥ずるいよ‥‥‥‥‥‥私の真似をしないでよ‥‥‥んっ」


今度は、彼女から私の唇に合わせてきた。


「っ‥‥‥はぁ‥‥っっ」

「ふふっ可愛い。これも真似だよ」

「や、やめなさい!そんな事で私は嬉しくないわ」

「ふふ‥‥‥」

「‥‥‥笑わないで、こっちは真面目なのよ」


彼女の意図がわからない。

私は、何を求められているのだろうか。

言葉を紡ぎだそうとする。

だが、その意思とは裏腹に時間が一刻一刻と過ぎる。


「‥‥‥いいよく聞いて由紀、貴方はこの世界を変える事ができる一人なのよ」

「それも意味わからないよ‥‥‥」

「この世界の真実を‥‥‥そして‥‥‥か‥‥‥じょ‥‥‥を救って‥‥‥」


彼女の私の抱く力が徐々に弱くなっていく。

あっけないよ。

なんでよ。

神様‥‥‥。

助けて。

助けて。


「あぁ‥‥‥あぁ‥‥‥まだ何も‥‥‥いかないで」


彼女の身体が光り、消えていく。


「うぅ‥‥‥うわあああああああ」


彼女は、そびえ立つ木に吸い取られるように消えていった。

吸い取ったその木はうんともすんとも言わずに、ただの枯れ木のよう静かにその終わりを見守っているように見えた。


「‥‥‥()()‥‥‥彼女の本当の名前‥‥‥最後‥‥‥最後くらい‥‥‥本当の名前をかけてあげたかった‥‥‥」


ただ、アイの伝えたかった事はわかった。

きっと何か始まるだろう。


【救って】


その言葉を胸に止め。


「私が救い、この世界を‥‥‥()()()()()()‥‥‥」


私は、トレードマークのツインテールを解きその場を去った。




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