第1話 いつもの見慣れた光景
登場人物
魔女:ある目的のために物語を創るため。いろいろな物語に転移などをしている。神出鬼没でちょっぴり外れたことをしてしまうのがたまにキズ。ただ思いやりなどは人一番。
市川匠
いちかわたくみ
:第1章の主人公
新堂あかり(しんどうあかり):主人公の市川匠の彼女。現時点では幼なじみである。とても優しく可愛げのある娘しかしながら天然もちょっぴり入っている。
魔女とのやり取りの後、意識を失い深く眠りについていた。
そして‥‥‥。
「ん‥‥‥ここは?」
目覚め、周りを見渡すと自分の部屋であった。
横にあるデジタル時計をみると。
20××年〇月◯◯日と表示されていた。
「本当に戻ったのか......」
SF小説、アニメやライトノベルのような主人公になった気分であったがカレンダーも1年前のものであったので世の中で言うタイムスリップはあったのだと実感した。
「たっくーん!朝だよー!起きてー!」
甲高い声と声と同時に部屋のドアが開いた。
「とーっ!!」
「おうふっ!」
俺の顔を目がけておっきく実った二つの果実が襲ってくる。どことは言わないが急所に当たっていてとても言葉に出来ないほどに気持ちい.....ではなく苦しい。
「あ......あかり......ちょっ......はなれて」
必死に抵抗する俺、このままだと死ぬ。
俺はあかりの肩をつかみおもいっきりベットの方に押した。
「ひゃっ......」
可愛い声を出すあかり、はたから見ると今からでもいけないことをしそうな体勢であった。
しかしそんなことを考えてる暇はなくあまりにも苦しかったので俺はあかりのほっぺをつねった
「あかり......やってくれたな」
「たっくんごめんなひやぁい」←><
という顔をするあかりどうやら反省はしているようだ。
「毎日、毎日、お、お前のむねで......じゃなかった......とりあえず死ぬ所だったんだぞ」
「ご、ごめん......あっで、でも朝ごはんできてるって何回か下から言ったんだけど来なかったからつい」
「そっかありがとう......すぐに行くから下に先に行っててくれありがとな」
あかりの頭を撫でて下に行かせた。
俺は、着替えなど学校に行く支度をし下に行こうとした時。急に''あの感覚''が来て身震いがした。
後ろをふり返ると''魔女''がいたそしてあの時と同じに周りは時が止まっていた。
「はてさて、朝からおなかいっぱいに見させて貰いましたよ、この時点でまだお付き合いしてないのはちょっとおかしいんじゃないですかね......」
「魔女.....」
呆れたように魔女は言う。
「ご気分はどうですか?バタバタとタイムスリップ〜みたいな感じでしたのでちょっと心配で」
魔女はそう言うと細い腕を伸ばしそして美しい手を俺の額に当てた。
とても気持よくて落ち着く気持ちになると同時に''この娘''は一体今までどこで何をしていたのかが気になった。
「大丈夫ですね」
手が離れて魔女続けて話す。
「少しは察していると思われますがここからもう1度始めます、おそらくこの時間軸.....といっても1年前
ですがこの一年で色々あったらしいですよあなたの身に」
魔女は俺のことをじっと見つめながら話す。
「そしてこれから先起こる事を何とかして解決をして下さい、そうすれば少しずつですがあかりさんの''死を''逃れる正しい物語に導けるはずです。要は何かの選択を迫られたとき、以前やった逆の事をすればいいのですよ」
「ちょっと待て淡々と言ってるが、俺は記憶があんまりないんだぞ、そんなのわかるわけないだろ」
「まぁその時はその時です。その時が来るまで待っていてください」
「なんたるアバウトな‥‥‥」
その発言で魔女は、わりかし適当な存在だと感じた。
「私も、なるべくお助けできるようにしますが想定外の事が起きた場合は......すみません」
「それだけでも助かるありがとう」
「頑張って下さい」
魔女は、指をパチっと鳴らし時が止まった空間が無くなり瞬きをすると魔女はいなくなっていた。
「たっくんー早くー!冷めちゃうよー!」
あかりの声がする。
「わかったー!今行くから」
俺は返事をして催促するあかりの所へ向かった。
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「これをどう思う私。私がやるべき事はなんだ」
誰もいない教室。
外では朝練をしている学生達がいた。
「そうだよね。うん。わかった。私。やっぱりやるべき事はしないと」
私はてのひらに握っているお守りをぎゅっと握った。
「......。今度こそ、必ず、そのために、私は」
想いがだんだんと強くなる。
「これが、私にとって最期のチャンス、ここから始めるんだ」
私の残り時間は少ない、今こうしていられるだけでも奇跡だと思う
それでも私はやらなくてはいけない、これからの未来のために。
「......ですか」
「え?」
私は後ろをふりむく、しかしそこには誰もいなかった、しかし私の目には見えていた''あいつ''がいた
「あはは......あいつももしつこいわね......まぁいいわ」
私はいない''あいつ''に向けて言いその場を去った。
彼女が去り、魔女はつぶやいた。
「この人が......匠さんにとっての一つ目のターニングポイントですか.....初めからぶっ飛んでますね......果たして彼はどのような選択をするのか」
そう呟いたあと、学校のチャイムが鳴った。