入部
俺は小さい頃から野球をやってきた。地区大会優勝、日本選手権に出場したこともある。そして今日から俺はいよいよ高校生だ。
(普通の高校の校舎の大きさじゃないぞ。これが10あるキャンパスの頂点日野木高校の本校キャンパスか。)
最近、10の学校が合併してできた超大型の学校で色々なスポーツの大会で優勝し話題になっている日野木高校。あまりの大きさにびっくりした。しかし今は関係ない。校舎より野球部だ。どんなチームなのだろう。レギュラーになれるだろうかという不安も少しある。でも俺は甲子園に行くんだ。覚悟を決め、校舎に続く道を歩いていく。
桜の舞う4月、俺は日野木高校に入学した。
「ようこそ日野木高校へ。日野木高校野球部へ。私が野球部監督の田角だ。ここにいる選手はみんなエリートだ。だからレギュラー争いは激しいぞ。」
田角監督の低く太い声が響く。そして監督の話は続く。
「あらかじめ言っておくが、うちの野球部のレギュラー争いは激しい、勿論練習も厳しいぞ。これらについていけなかった者は別のキャンパスに行ってもらう……以上だ。解散」
入部式が終わった後、近くにいたメガネに話しかける。
「なぁなぁ別のキャンパスって…」
彼は知ってて当然みたいな顔で答える。
「そのまんまの意味だよ。この学校がいくつかの高校と合併してるのは知ってるよな?」
俺はコクリと頷く。
「みんなに追いつけないならここじゃなくて別のキャンパスに移動させられるってことだよ。要は下手すりゃ強制転校ってわけ」
あっふーん。不安ではあるがやってみなきゃわからない。
このやり取りの後、1年生の能力を知るべくバッティング、軽いノックが行われた。そしてピッチャー候補はピッチングも行う。
「塚本、次投げろ」
田角監督に指名をされ、返事をしマウンドに上がる。
ストレートと各々投げれる変化球を投げる形となっている。
「ストレート投げます」
俺は大きく振りかぶってストレートを投げる。
速めのストレートがキャッチャーミット収まる。
次々と他の選手もバッティングやピッチングをする
「よし今年は期待できそうな奴らがいるな。でもいい気になるなよ。重要なのは今現在の能力じゃない。今後の成長だ。これからも練習に励むように」
1年生全員が返事をする。
練習が終わり俺はジュースを買うために寄り道をしてから岐路に就いた。
こうして俺の3年間の高校生活が始まった。