第2回:『ユニコーン』級中型空母
【ヨアケマエ】世界オリジナル設定のイギリス空母。
史実の『ユニコーン』は軽空母ベースの航空機補修艦で同型艦は存在しないが、【ヨアケマエ】世界では日本の『蒼龍』型空母をベースにした中型空母として複数整備された。
ちなみに【ヨアケマエ】世界では『蒼龍』型は史実の『飛龍』とほぼ同サイズで建造されている。
『イラストリアス』級装甲空母の建造に踏み切り、海軍の航空戦力を拡充しようとしたイギリスだったが、同盟国である日本の『蒼龍』型の存在を知り、たとえ装甲空母という防御力に優れた物であってもより排水量が小さい『蒼龍』型の方が搭載力が大きく(『イラストリアス』級が23,000tで36機なのに対し『蒼龍』型では17,300tで常用54機と1.5倍にもなる)、速力でも勝っているという現実に方針を転換。日本に対し技術協力を要求した。それに対し日本側は『蒼龍』型だけでなく、それまでに完成していた空母及び今後建造予定の空母の設計図や試験データ、更にはその空母に載せる艦上機のデータなどを提供。見返りはイギリスの方が進んでいるあらゆる技術の提供だった。
その結果『イラストリアス』級後期生産型の格納庫を2段とし搭載数を増やすのと同時に、補完戦力として『蒼龍』型をベースに高性能中型空母の建造を決定した。加えて『コロッサス』級軽空母の建造も行うため、ハイローミックスでなく、ハイミドルローミックスとも言える整備計画となった。もっとも『イラストリアス』級と『蒼龍』型ベース級のどちらがハイなのかは難しいところだったが。
『蒼龍』型をベースとしながらも全くのコピーではなく『イラストリアス』級同様にエンクローズドバウとし、また補用機用のスペースは修理用機材の格納庫や兵員室に充てられた。おかげで一部ではあるが舷側を開放式にでき、防御力の低下をダメージコントロールの改善で補う事ができた。更に言えばイギリスに提供された設計図は『蒼龍』型の物だけでなく、改『蒼龍』型である『雲龍』型(『ヨアケマエ』世界オリジナル)の図面も含まれていたので、大型のアイランド式艦橋とその艦橋と一体となった傾斜煙突をも取り入れ、空母としての能力を高める事ができた(アイランド式艦橋自体はイギリスでも採用されていたので、新しい技術としては傾斜煙突だけとなる)。
エレベータは『蒼龍』型の3基から2基に改められ、搭載機の出し入れ速度よりも搭載スペースの確保が優先された。こちらは逆にイギリス空母のマネをして『雲龍』型や『翔鶴』型(『ヨアケマエ』世界オリジナル)に反映されている。
カタパルトも油圧式の物が最初から1基装備されてベースとなる『蒼龍』型より発艦能力を高めたが、元々『蒼龍』型は速力が34kt超と高速だったため、高性能機が投入されるまで必要なかったとも言われている。この油圧式カタパルトはレーダー技術と共に日本にもたらされ、独自進化を始めていた日本のカタパルト及びレーダー技術の向上につながった。
【ヨアケマエ】世界では日本もレーダーやカタパルトの重要性を早くから認識しており、基礎技術の研究はかなり進められていた。
ただし実用的なレーダーはイギリス及びドイツからの技術提供により開戦直前にようやく完成。艦艇への搭載は第1次ミッドウェイ海戦後であった(一部の艦にはテスト的に装備してあったけど)。
カタパルトに関しては油圧式と同様の機構を持ちながら動力源が蒸気である「蒸気圧式」が開戦前に完成していたり、魚雷の気室をカートリッジとして利用する空気式の物が運用されている。
装甲に関しては『イラストリアス』級と異なり飛行甲板には施されてないが(38㎜程度を広範囲に施す?)、『蒼龍』型より強化され、バイタルパートに76㎜、それ以外にも38~51㎜の水平防御装甲を施した。そのため排水量がベースの『蒼龍』型より大きい18,500tとなっている。舷側もバイタルパートのみだが76㎜の装甲が用いられている。
機関は温度・圧力共に優れた自国製の物に改められ、総出力148,000hpと『蒼龍』型の152,000hpより低下したため、排水量増加と合わせて速力は34kt弱まで低下。それでもイギリス空母の中では最速を誇った(『イラストリアス』級は30.5~32.0kt。同世代になる『コロッサス』級は25ktに過ぎない)。
防御火器は高角砲が45口径11.4㎝両用砲連装6基と『蒼龍』型同等、『イラストリアス』級より減じている。機銃は伝統の『ポムポム砲』装備をやめ『ボフォース40㎜』連装10基と『エリコン20㎜』を連装・単装合わせて40門を装備している。
搭載機は戦闘機が『シーファイア』18機に加えイギリス版『飛燕』である「ウェストランド『エアリアル』」の艦上機型『セイレーン』18機。『セイレーン』は戦闘爆撃機としても運用可能(250㎏爆弾×2)。攻撃機が『天山』をベースに大改修を施した「ウェストランド『イフリート』」18機。偵察機が『イフリート』偵察型4機の58機が基本である。戦闘機が重視されているのは本級が主力となる『イラストリアス』級の補完戦力と考えられているためで、敵の反撃が小さいと考えられる場合には『セイレーン』の代わりにイギリス版『彗星』である「ウェストランド『ケストレル』」が搭載されたり、戦闘機27機+艦攻/艦爆27機という編制とされたりする。
※『エアリアル/セイレーン』『イフリート』『ケストレル』については改めて紹介する。
本級は1番艦『ユニコーン』、2番艦『ペガサス』、3番艦『グリフォン』、4番艦『ワイヴァーン』の4隻が建造される。39年から建造が始まり42~43年に就役した。1・2番艦就役当時『イフリート』が完成してなかったため、急遽輸入した『天山』そのものが搭載された。
本級は充分主力として活躍できるだけの性能を有しながらロイヤルネイビーのプライドが許さなかったためか、『イラストリアス』級の補完戦力としてしか考えられず、1~2隻ずつ『イラストリアス』級を中心とした機動部隊に随伴する形でしか運用されなかった。日本やアメリカの常識から考えれば同型艦だけで艦隊を組んだ方が有利なのだが、当時のイギリスは敵対勢力に有力な機動部隊を持った国がなかったため、それで充分と考えていたところもある。
【ヨアケマエ】世界では日本・ドイツと同盟を組んでおりアメリカとは敵であったのだが、密約にて直接衝突をしない事を取り決めてあったので、アメリカ機動部隊との戦闘を考慮・研究していなかった。
もちろん仮想的として研究はしていたが、実戦部隊において想定をしていなかったと言う事。
そのため本級は第2次大戦中は目立った活躍はなく、バルト海や地中海奥部でソ連軍やイタリア軍と戦うドイツ軍の支援が中心であった。
戦後アメリカ軍とも活動できるとなると支援艦隊の中心として派遣される事が多く、ようやくその真価を発揮する事ができたが、その頃には航空機の発展が著しく、そのサイズでは軽空母として戦闘機のみ運用する事しかできなかった。
その代わり『翔鶴』型ベースの『ピクシー』級2隻(『ピクシー』『バンシー』)は大戦末期ないし戦後間もない頃の最新鋭機にも対応でき、更に拡大発展させた『アルビオン』級は戦後しばらくの間イギリス海軍主力空母として運用された。
『ユニコーン』級はイギリスでは4隻のみ建造・運用されたが、オーストラリアで準同型艦が2隻建造され、更に4隻がヘリ空母ないし強襲揚陸艦として建造されている。ニュージーランドでも2隻ヘリ空母として建造された。
また史実の『ユニコーン』と同等の艦は『ニンフ』という名で建造され、航空機補修艦として重宝された。航空機補修艦は『コロッサス』級改造艦でも作られている。イギリスでは50年代前半までは航空機補修艦は必要な艦種だった。
■諸元表
★『ユニコーン』級中型空母
全長:227.5m、全幅:22.0m、基準排水量:18,500t、飛行甲板:227.5×27.5m、吃水:8.0m(基準平均)
機関:4軸4基8缶148,000hp、速力:33.8kt
兵装:45口径11.4㎝両用砲連装6基12門
『ボフォース40㎜』連装10基20門
『エリコン20㎜』連装12基24門、単装16門
装甲:舷側最大76㎜、上甲板最大51~76㎜、飛行甲板最大38㎜
搭載機:戦闘機「スーパーマリン『シーファイア』」18機、「ウェストランド『セイレーン』」18機
攻撃機「ウェストランド『イフリート』」18機ないし「ウェストランド『ケストレル』」18機
偵察機「ウェストランド『イフリート』偵察型」4機
計58機
★『ユニコーン』航空機補修艦(参考データ。史実)
全長:194.9m、全幅:27.4m、基準排水量:14,950t、吃水:6.8m(常備)
機関:4軸4基4缶40,000hp、速力:24.0kt
兵装:45口径10.2㎝高角砲連装4基8門
『ポンポン砲』4連装3基12門
『エリコン20㎜』連装8基16門
装甲:舷側最大76㎜、上甲板最大51㎜、飛行甲板最大51㎜
搭載機:計36機
■ムラリンとガンちゃんの総括(笑)
ム:初めましての人も、また会えたねの人もこんにちは~。うにシルフのマスコット兼アシスタント、ムラサキウニのムラリンで~す。改めましてどうぞよろしくっ☆
ガ:同じくガンガゼのガンちゃんです…やっぱりこの始まり方なのね。
ム:もちろんっ(何故か自慢げ)。私達のやりとりの時はこれでなきゃ(はぁと)。
それより今回は何でいきなりイギリスの空母なの? 今すぐ出てきそうにないんですけど、上の本文を読む限り。
ガ:それはね、作者があるゲームのテレビCMを見て、『ユニコーン』がバリバリに活躍している様子に違和感を覚え、だったら実際に活躍できるレベルの『ユニコーン』を登場させようと思って書いたみたいなの。CMに出てきた女の子になった『ユニコーン』はカワイイけど、本物(史実)の『ユニコーン』はそんなモンじゃないんだぞって。ただ悲しい事に普通こういう時は現実の方が強いんだぞって言いたくて書くのだろうけど、この場合は史実の方が弱い事の証明になってしまうのだけど………
ム:ここまで言うと何のゲームか読者さんにはすぐに分かっちゃうよね(笑)。でも作者は内容は別だけど似たようなコンセプトで作られた物の方が好きみたいだけど。
ガ:そういう事は言わないっ!(敢えてハッキリさせないために本気でツッコむ) でも誤解しないで。そのためだけに急ごしらえで考えたネタではなく、史実の航空機補修艦『ユニコーン』の存在を知った時から、その名前を有するならもう少し使える艦にしたいと考えてみたいだから。それで『蒼龍』型をベースにイギリステイストを付けたらどうなるか、そう考えて作ったのが【ヨアケマエ】世界の『ユニコーン』級という訳。ちなみに【ヨアケマエ】世界では『蒼龍』は一回り大きく、史実の『飛龍』と同型という設定だから、史実『蒼龍』より全幅(水線幅)や排水量が大きくなっているの。決して勘違いしている訳ではないから誤解しないでね。
ム:それは私に言ってるの、それとも読者さんに言ってるの?
ガ:今この場で言えばどちらにも伝わるじゃない。
ム:それはそうかも知れないけど……でも作者が思っている程活躍できなかったみたいじゃない。
ガ:それはある種のリアルを追求した結果。【ヨアケマエ】世界ではイギリスは日本と同盟関係にあるけど、アメリカとも不戦条約を結んでいるようなものだから派手な戦闘はできないのよ。太平洋では絶対に戦えない、大西洋では偶発的な場合を除き戦闘は避ける、というのが密約だから、そう考えたらバルト海で対ソ戦か地中海で対イタリア戦かしかないから、目立った活躍はできなくなってしまったの。
まあ軽空母としての能力も持った航空機補修艦というよりは戦う力がある、というのがこの『ユニコーン』級という訳ね。これくらいの能力があればバリバリに活躍していても問題ないでしょ?
ム:まあね。『蒼龍』『飛龍』同等なら活躍しても不思議じゃない。でもわざわざ日本から技術を提供してもらう必要ってあるのかな? イギリスって日本の先生でしょ、少なくとも海軍においては。『金剛』型までは戦艦をイギリスに作ってもらってたくらいだし。
ガ:それはイギリスの空母が日米の物に比べるとちょっとぉ……だから、日本の空母を参考にしてもらったという訳。意欲作が多かったり世界初の技術を投入していたりと頑張ってはいるんだけど、基本設計が(作者としては)物足りないみたいでね。ならばもし日本の空母をイギリスの技術で作ったらどうなるかと考え、結果こういう物に仕上がったの。そしてどうせだったらその空母に載せる艦上機も日本機ベースにしたらどうだろうと、こういう設定になった訳。
史実でもイギリスの艦上機は日米の物に比べると格落ち感が否めないから、アメリカから提供してもらっていたしね。日米が『天山』『流星』や『アヴェンジャー』『スカイレイダー』を完成させている中、終戦まで『ソードフィッシュ』を使い続けるのだから、ある種の恐ろしささえ感じるわよ。
ム:そだね~。『スピットファイア』なんか初期型と後期型では全くの別機と言えるくらい進化させられたのに、艦攻や艦爆は何がしたいのかよく分からない機体ばっかりだし。その方が面白いかも。
ガ:でしょ? それで作ったのがこの『ユニコーン』級と艦上機達なの。ただ名前がファンタジーよりなのは作者の趣味で、イギリス軍の命名法からは若干ズレるかも知れないけど、その辺はご容赦いただきたいかも。
ム:そのくらいは問題ないんじゃないかなあ。それより艦上機のスペックは? そっちの方が知りたいんだけど。
ガ:それは次の機会という事で。ベースは日本機だから作者の基本データは知っているけど、そこにイギリス風味を付ける必要があるからね。流石にそこまでは考えていなかったみたいだから、ちょっと時間を頂く事になるかも。という事なので読者の皆様、今しばらくお待ちください。
ム:む~~。作者ぁ、さっさと考えなさいっ。私も読者さんも我慢できないわよっ。
ガ:アンタは我慢しなさい。作者にはできるだけ急がせるから。でも『セイレーン』と『ケストレル』なら『飛燕』と『彗星』のエンジンを「ロールスロイス『マーリン』」系に変えて、航続距離を減らす代わりに基礎技術レベルを高めたものと考えれば、だいたいイメージはできると思うけど。『イフリート』は『護/火星』エンジンを液冷エンジンか似たような空冷エンジンに換装する必要があるからアイデア待ちになってしまうわね。
ム:ガンちゃんが言うなら待つけど、次回はその子達を紹介してもらうからねっ。
ガ:それは流石にそうすると思うけど……
ム:そうと決まれば、読者の皆さ~ん。私と一緒に楽しみに待ってようね~(半ばヤケに)。
ガ:万が一の事もあるから、そんなに煽らないのっ(暴走を止めるのに必死)。