第7.2a回:【ヨアケマエ】世界の日本戦艦『扶桑』型前半部
ム:初めましての人も、また会えたねの人もこんにちは~。うにシルフのマスコット兼アシスタント、ムラサキウニのムラリンで~す。改めましてどうぞよろしくっ☆
ガ:同じくガンガゼのガンちゃんです。今回もよろしくお願いします。
ム:ねえねえ、ガンちゃん。今回は『扶桑』型の紹介のはずだよねぇ。
ガ:そうだけど、何か?
ム:下の絵、どう見ても『伊勢』型新造時じゃない? だって中央部の主砲が背負い式になってるし。
ガ:(珍しく不敵な笑みを浮かべ)ふっふっふ~~ん。確かに史実『扶桑』型新造時じゃないわね。でも『伊勢』型でもないのよ。だって船体は『金剛』型のものなんだから。
ム:ふえっ!? (驚いたので前回紹介した『金剛』型の画像を見直している)……っ! 確かにそおだぁ~。並べて比べるとおんなじカッコしてる。『扶桑』型とかって『金剛』型より短いんだよねっ。なのにおんなじってどういう事~~?(本気で不思議なようだ)
ガ:それは【ヨアケマエ】世界では『扶桑』『伊勢』両型の船体を『金剛』型と同じにしてしまおうと作者が決めたからなのよ。考えてもみて。『扶桑』型も『伊勢』型も史実では主砲塔が6基もあるでしょ。なのに4基しかない『金剛』型より全長が短いっておかしいと思わない? 少なくとも窮屈とは感じるでしょうね。ならば『金剛』型の船体をできる限り流用して強力な攻撃力を持つ戦艦とした、する方が自然でしょ。
ム:まあそうだねぇ(ほんわか口調だけど激しく同意)。でもだったらもっと長くしようとかって思う方がもっと自然じゃない? 余裕ができるだけじゃなく速力も上がるし。
ガ:軍艦、特に戦艦は縦横比が小さい程防御力・耐久力が高いとされているのよ。船体の強度と言い直したら普通の船舶でも同じでしょうね。という訳で初の国産超弩級戦艦を作るのに長すぎず短すぎずだったのが『金剛』型の船体だったのよ。これ以上言葉(文字)だけで説明しても要領を得ないでしょうから、『扶桑』型新造時の画像を見ながら紹介していきましょう(妙に張り切っている)。
ム:いつになく元気なのが怖いかも……(軽く怯えている)。
■『扶桑』型新造時
/扶桑型新造時
★史実新造時諸元
全長:205.13m、全幅:28.65m、基準排水量:29,330t、吃水:8.7m(基準平均)
機関:4軸2基24缶40,000hp、速力:22.5kt
主砲:45口径35.6㎝連装6基12門
副砲:50口径15.2㎝単装16門
対空:未装備
装甲:舷側最大305㎜、水平最大34+31㎜、主砲塔前盾280㎜、天蓋75㎜
搭載機:未装備
同型艦:扶桑、山城
★【ヨアケマエ】新造時諸元
全長:214.6m、全幅:28.0m、基準排水量:29,500t、吃水:8.7m(基準平均)
機関:4軸2基24缶45,000hp、速力:23.0kt
主砲:45口径35.6㎝連装6基12門
副砲:50口径15.2㎝単装16門
対空:未装備
装甲:舷側最大305㎜、水平最大34+31㎜、主砲塔前盾280㎜、天蓋75㎜
搭載機:未装備
同型艦:扶桑、山城
ム:改めてスペックを見ると、約10mもおっきくなったんだね~。でも幅は65㎝くらい小さくなったんだ~。それで排水量は微増? ホントにこれで合ってるの?
ガ:厳密に単純計算してみるとだいたい30,000tくらいになるわね。でも吃水を大きくしないためには微増で済んだ、としておいた方がいいでしょうね。まあ速力の事もあるから少しくらい重くして帳尻合わせた方が正しいかも知れないけど。
※作者注:先程より相矛盾する言葉を用いている事をお詫びいたします。
ム:その辺は誤差の範囲と言われたらお終いだからね~。これ以上は追求しないけど……それよりっ、なんで主砲配置が『伊勢』型になっちゃったの? 確かに史実『扶桑』型の配置は問題アリだったけど、史実『伊勢』型だって全ての問題がなくなった訳じゃないじゃない。中央部の主砲が真っ正面や真後ろに撃てない射界問題は解決してないし、艦全長の大部分を占める長船首楼型のままだから『伊勢』型と違って重心が上昇しちゃうんじゃないの?
ガ:作者だって何も考えずにそうした訳ではないわ。これはネタバレになってしまうから、あまり話したくはなかったのだけど……【ヨアケマエ】世界の『伊勢』型は3連装4基の35.6㎝主砲塔を採用しているの。新型の尾栓が開発されたおかげでね。おかげで『金剛』型同様射界に無駄がないらしいの。だけど『扶桑』型建造時点では新型尾栓が完成したばかりで35.6㎝砲の3連装砲塔が完成していなくてね…30.5㎝砲用の3連装砲塔は設計されていたのだけど改設計は必要だし、それよりも一早く攻撃力も防御力も高い35.6㎝砲12門艦を完成させなければと焦ってしまったのよね。結果あまりに使いづらい史実『扶桑』型同等の主砲配置から簡単な修正で済む史実『伊勢』型のような主砲配置にしたという訳。だけど史実『伊勢』型のように船首楼を短縮するような事はしなかった。なるべく基本船体を『金剛』型から変えたくないというのと兵員室の減少を嫌ったためね。おかげで兵員からの文句は最小限で済んだと思うけど、重心は確かに上昇したわ。もっとも工夫はしてあるはずだから、影響は小さく済んでいると思うけど。
ム:そうは言っても影響ない訳ないよね~。どうせ『伊勢』型で思い切った設計変更するんだったら、史実通りに建造すれば良かったのに。もちろん『金剛』型船体を用いてね。
ガ:そう言われると思ってそのバージョンの画像も作っているわ。あの作者。次の画像を見てみてよ(と言いつつ下の方を指差している)。
/扶桑型新造時
ム:(画像を見て)おおっ、少し違う点もあるけど、これこそ『扶桑』型じゃん。ぶっちゃけこれでいいんじゃない? 自分なりに頑張ってみた作者には悪いけど、これなら誰が見たって『扶桑』型だし、使いにくいから次の『伊勢』型の設計頑張ってみましたって言えるじゃない(ムラリン的にはこちらの方がお気に入りのようだ)。
ガ:でもおかげで機関も強化できたのよ。そのためにますます『伊勢』型化してしまったのだけど(ガンちゃんの方は作者の擁護をしているのだろうか)。
ム:そぉれぇがぁあ、も・ん・だ・いっ、いぃせぇじゃっ、なぁーいのぉーよ、ふ・そ・おっ♪(何らかのメロディに乗せ抗議している?)
ガ:ちょい、ストォーップっ! 超有名ゲームの曲に乗せて抗議するんじゃなーいっ! しかも以外と楽しそうにっ!(流石にキレるしかない)
※作者注:ムラリンが何の曲に乗せて「それが問題、『伊勢』じゃないのよ、『扶桑』」と歌っているでしょうか、おヒマなら考えてみてください。ヒントはボス曲の一部です。
ガ:(何とか気持ちを落ち着かせようと深呼吸)…すぅ、はぁーっ、すぅっ、はぁ~~っ。ま、こんな事でいつまでも脱線していても仕方ないから強引に話を戻すけどね、『伊勢』型っぽくしたおかげで艦内も甲板上も有効に使えるようになったのよ。それだけでなく基本船体が『金剛』型のものとしたおかげで、史実では最悪と言われた『扶桑』『伊勢』両型の直進性も良くなったの。主砲配置の関係上射界の問題は避けて通れないけど、真横に撃つ分には『金剛』型の50%増しの火力があるのだから……これくらいでもう勘弁して頂戴(急に崩れ落ちて土下座っぽい態勢で半泣き状態)。
ム:(その様子に驚き)ちょっと、ガンちゃんっ。別にガンちゃんに落ち度がある訳じゃないんだから、そんな事しないでよっ! 作者にはあれくらいが限界だって分かるし、私もちょっと調子に乗ってふざけすぎた事は謝るから、ねっ。
ガ:(まだ涙目で首を傾げながら)ホント?
ム:ホントホントっ(焦っている)。それより『扶桑』型ってこの後色々翻弄されていくんでしょ? その事を詳しく教えてよ。冒頭みたいにいつもと少し違った感じで元気にねっ(励まそうと必死なようだ)。
ガ:(少しは元気が出てきたか)…それじゃあ少し休憩したら続きを話すわね。『扶桑』型の不幸な、というか列強の駆け引きに翻弄された半生を(何かしみじみと語っている)。
ム:じゃ、お茶入れてくるから座って待ってて。茶菓子は……作者の所からてきとーにかっぱらってくるから何でもいいよねっ(そう言ってお茶を淹れに行ってしまった)。
ガ:ねえちょっと、お茶にはまだ早いんじゃない? 説明だってまだ終わってないし……(そうは言ったがしばし考えた後に)まあいいか。少し考えをまとめたかったし、感情的にも落ち着きたかったから、ね(吹っ切れたような優しい微笑みで)。
※作者より:2人がティータイムに入ってしまったため残りは後半で語りたいと思います……というのは方便で、実際には本文でムラリンが言っているようにこの後翻弄されていく『扶桑』型のCGがまだまだ完成にほど遠いため、一旦このあたりで区切りたいと言うのが真相です。『扶桑』型は戦艦ではない、読者の皆様が想定してないような姿へ最終的に変貌していきます。このように書くと結果「大した事なかったな」と思われてしまうかも知れませんが、自分を鼓舞しないと描き上げる事ができないかも知れないと思い、敢えて大きく出てみる事にしました。ですのでできたら後半を期待して待っていただけたら幸いだと考えてます。
中編へ続く──