第2話深淵
ちょっと短いです、すいません
この空洞に入ると一瞬で真っ暗になった、全く見えない中、声が聞こえる。その声は今にも死にそうな声をしていた。
「おーい魔王どこにいる?」
そう言うが、声が帰ってこないが、さっきの声は変わらずに聞こえている。
「そう言えば、俺にどんな能力あるか聞いてなかった」
威勢よく来たのはいいがこれではただの迷子変わらない、へこんでいると微かだが声が聞こえる。
「か…賀谷くん…」
「なんだ、女神か?」
「そうよちょっとしか干渉できないから完結言うけど貴方は炎が使えるわ」
「炎とかこんな所で使えんのかよ。」
「だから、あなたに神炎を授けるわ、それならどんなものでも照らせるしどんなものでも燃やせる。多分あなたなら使いこなせるはずよ」
そう言うとこの深淵に大きな光が現れ俺を包んだ、使い方が頭に流れ込んできて確かに出来るようになった俺は壁かどうかもわからないものに手を当てて燃やすイメージで加減が分からずやってしまった。
「なによこれ熱い、すごい熱いんだけどこんな死に方はいや」
甲高い声が聞こえた見ると黒髪の子が倒れていた。
「おーい大丈夫?」
未だぴくりとも動かない黒髪の子にちょっと不安が残ったがほっといて帰ってくると女神が出迎えてくれた。
「ありがとう、助けてくれて」
「別に良いよ、助けたかっただけだし」
「あの子はどうしたの?」
「声掛けても返事が無かったし置いてきた」
「え、置いてきてしまったの?」
「うん」
女神は苦笑いを浮かべながら頷いて
「わかったわ、こっちで回収しますでは貴方を送りますね」
「わかった、送ってくれ」
「このお礼は必ずするわ、じゃあね」
視界が真っ白になった、気づくと祭壇だった周りに人影がなく祭壇から降りて扉を開けるとどっから見てもわかる姫様ぽい人がいた。
「おーい、姫様であってるか?」
いきなり声を掛けられたで驚いているのか中々返事が無い呆れて隣を通ろうとした時咄嗟に腕を掴まれた。
「ちょっと待ってください、貴方はどこの誰ですか?それにどうして祭壇の部屋から出てきたのですか?」
「ああ、ごめん俺は賀谷総司召喚された勇者の一人だよ、訳あって召喚されたのが少し遅れたんだよ」
「信じられません、着いてきてくださいステータスを見るので」
「分かった。ついていくよ」
そう言って姫様の後ろを着いていくと前に有戸が立っていた、
彼女と目が合うと一瞬にして俺の前まで近づいていた、これでは逃げられない諦めて顔を見ると口を塞がれた。
「心配したんだよ、これからは私から離れないでね。これ以上離れ離れになると私もどうするか分からないからね」
耳元に囁かれた俺はぞくぞくしたがとりあえず頷いておいた。
「約束だからね」
怪しい雰囲気を出しながらはなれていった、内心怯える俺を他所にさっきのやり取りを見ていた姫様は顔が赤かった。
「あの賀谷さん、有戸さんとは付き合っているのですか?」
「いや、付き合ってないよ彼女は少し感情が高ぶっていただけじゃないかな」
「まあそれでいいですが、さっさと王様に会って下さい」
少し怒っている姫様に案内された扉を開けると王座に座っている老人が居た。
「おじさん、そこ座ってて大丈夫怒られない?」
そう聞くと少し笑って
「誰も私に起こることはないよ、召喚に応じて来てくれてありがとう異世界の勇者よ私はこの国の王ロウス=リカンだ」
俺は驚いた、イメージではもう少し若くてイケメンかと思っていたが顔をよく見ると渋いイケメンだった。
「悪かった、王様と気づかないで失礼な事を言ったな」
「それもそうですが今も失礼ですよ、一応王様ですから敬語くらい使ったらどうなんですか賀谷さん」
姫様が会話に入ってきた。
「それはすいませんでした、姫様これで宜しいですか」
そう言うと気まずい顔をして
「私の名前は姫様じゃなくてアリア=リカンです。アリアと呼んでください私には普通に話してください。」
「いえいえ姫様にそんな事できる訳ないじゃないですか。これ行かさせていただきますアリア姫」
「私は、時と場合を考えてと言う意味で言ったので普通に戻して下さい」
真面目に返してくるアリア姫に笑いそうになるがそれを堪え
「嫌です」
「なぁ、、」
拒否されると思っていなかったのか固まってしまった。
「賀谷くん、いい加減私の娘をいじめるのを辞めてやってくれ、少し可哀想になってきた」
「面白かった、まぁこれくらいにするけどね」
「それが聞けてよかったよ、私はロウスと呼んでくれ」
「わかった、ロウスいきなりであれだがお願いがある」
「召喚されたばかりにしては急だかどうしたんだ?」
「城を出て旅がしたいんだ」
そう言うと姫様はなぜか悲しそうな顔している。出会ってそんなにたっていないがとりあえずほっといた。
「わかった、許可しよう」
まさか許可されると思っていなかったのか止めに入ったきた
「待ってくださいお父様、自由行動させるのですか?」
「させるつもりだ、私に彼を止める理由も無いし彼もここに残る義務は無いからね」
「分かりました、賀谷さん本当に行ってしまうのですか」
「はい、行きます」
渋々引き下がった姫様を他所に王様には明日旅することも話して部屋に案内された、一方総司が居なくなった。王の間にはアリアとロウスが残っていた。
「アリアよ、お前は総司の事が好きだろう」
「はい、そんなに経っていませんが賀谷君が同じ勇者の有戸にキスされているのを見た時、嫉妬の様なものが私の中を駆け巡りました。それに気づいて一目惚れしたのだと思いました」
「そんなに賀谷の事が好きになっているなんて予想もつかなったがあの鉄壁が崩れる時が来るとはね、これは総司には責任をとってもらわねばな」
そんな会話も知るよしない総司は眠りについたのであった。